そのA仏御前の滝へ2006年秋の滝めぐり  そのBそのA仏御前の滝へ
白山スーパー林道の滝たち(姥ケ滝)





しりたか滝
落差100メートルというが、
見えているのは最下段の部分。
上部分は深い谷になっていて、
林道からは見えない。
あとで気がついたのだが、
滝つぼのすぐ下が人工の堰になっていた。




赤石の滝
別名三味線の滝。
ところがどっこい、この日は水が無く、
本当は三本の水流が落ちているはずが
一番上の太い部分にしか
水がなかった。
落差50メートル。





岩底の滝
落差30メートルではあるが、
きゅっと狭められた沢が
一気に落ちていくのでとても豪快。
蛇谷に落ちるのだが、
滝水を受け止める
綺麗な青い水流が魅力的だ。





かもしか滝
別名五色滝。落差40メートル。
実はこの滝はきっと綺麗だろうと
期待していたのだが、
水が少なすぎて
あまり見栄えがしなかった。





姥ケ滝
本日のメインイベント。
百選の滝である姥ケ滝の落差は、
111メートル。
最も、その落差よりも、赤い岩盤に
末広がりに広がった白い水流が
印象的である。
よくも老婆の白髪に例えたものだ。



白髪部分。
水が少ないとうねった感じが少ない。
振り乱しているような髪ではない。



ちょっと上から見た途中の滝つぼ。
以外に綺麗な緑色で
水は透明なのが分かる。



中段の水流。
岩盤がとにかく見事に削られている。



百選の滝であることを示すプレートは
滝見台の前にある。



滝見台から見た滝はこんな感じ。
蛇谷に注ぎ込む部分は
ストンと落ちている。




水法の滝
なのかなぁ、これが。
看板もなく、どれが水法の滝なのか特定
できなかった。
とにかく水が無い。
この上のほうにも林道が通っていて、
その場所では工事が行われていた。
そのせいで滝ではない状態だったかも。





ふくべ大滝
石川側から入ると、
この滝がスーパー林道の滝たちの
大トリになる。
トリにふさわしく、とても雄大な滝で、
もしかしたら、姥ケ滝よりも印象的かもしれない。
落差86メートル。
しかし、直下で見られるために、
どの滝よりも大きく見える。



下流は釜をいくつも連ねた段瀑になっている。
左端は林道の基礎部分になっていて
段瀑を撮影するとどうしても
人工物が入ってしまう。。



大滝から段瀑になる間にある大岩。
大岩の上に大岩が乗って、
水がその下をくぐりぬけている。
2006/9/24 白山スーパー林道の滝たち  石川県

翌朝、観光道路である白山スーパー林道が混雑する前に行ってしまおう、ということで、午前8時前には大野市の宿を出発した。さすがに近いだけあって、8時30分には入り口に到着。道はまったく空いている状態である。
目的は百選の滝である姥ケ滝なのだが、白山スーパー林道沿いにはいくつも滝がある。それをもちろん一つ一つ拾って回るつもりだった。
ゲートで通り抜けであると言い、通行料金3150円を支払う。ここはカードもETCも効かないので注意が必要だ。
ゲートに入る前から左がわは谷になっていて、この谷沿いに道は続くことになる。
ゲートから5分もしないうちに左側に看板が見えた。最初の滝、しりたか滝である。
  
看板としりたか滝。

  滝の上部分は岩壁の向こうで曲がっていて見えない。
ここには明確な駐車スペースは無いが、比較的道路が広いので自動車を止めることができる。
次に赤石の滝というのがあるはずだ。あああ、あった。あった?ええー?
自動車をやはり路肩に止めて呆然としてしまった。
写真集などで見る赤石の滝は、特徴的な斜めの水流でそこから三本水が落ちているので三味線の滝とも呼ばれている滝なのだが、なんと、二本も弦のない一本弦の滝になってしまっていた。今はもしかしたら、一番水の量が少ない時期なのかもしれない。
と、いうことは、紅葉もしていないうえに水の少ないみすばらしい滝たちを見ることになるのか?少し先が思いやられてしまった。
さて、次は岩底の滝だ。
今までの滝は対岸の岩壁にそってさらさらと水が流れる、といった感じの滝だったが、この岩底の滝はドバドバと落ちている。
見える場所はかなり下のほうで、遠いなぁという印象なのだが、何より滝の水を受け止める蛇谷の水が青くて綺麗なのだ。ここにきてようやく水の綺麗な渓流に来たのだと実感できる。
岩底の滝前には駐車スペースがある。
  
見た目では岩底の滝はこんなに小さく見える。
続いて現れるのはかもしか滝。写真集で見ていて、いくつも釜がつらなった綺麗な滝なので出発前から期待していた滝である。
が、しかし、三味線の滝で抱いた懸念がここにきて明確になってしまった。
水が少ない。とにかく少ない。そのせいで青く見えるはずの釜がほとんど見えない。おいおいおい、私の期待はどうしてくれるのだ。
岩盤がどういうわけか白っぽく、写真にしてみたら釜から釜に落ちる水流でさえ岩盤の白さに混じって目立たなくなってしまった。
それでも実際に見るかもしか滝はもうちょっと綺麗でした。
かもしか滝のすぐ前には駐車スペースは無いが、通り過ぎた少し先に路肩が広くなっている部分があるので、そこに駐車して徒歩で戻る形になる。
ちなみに、橋を渡っているので、蛇谷は右側、かもしか滝は左側の岩盤なので、目印の看板を見落とすと、通り過ぎかねない。
いよいよ次は姥ケ滝だ。
姥ケ滝はスーパー林道から遠くに望める場所もあるにはあるが、もちろん広い駐車スペースに駐車して直下まで歩いて行く。
かなりの数の自動車がとめられそうなスペースが広がっているのだが我々が到着した9時頃には自動車はほんの2、3台だった。
入り口に立てられた看板には「蛇谷園地」とある。姥ケ滝の鑑瀑台まで往路15分復路20分とあった。
まず、「親谷の湯」と書かれた細い木の門をくぐって急な階段を下る。あら下る。まだ下る。げげ、こりゃ、帰りはしんどそうだぞ。
  
姥ケ滝を見に行くのだが、親谷の湯の門をくぐる。

  
遊歩道はだらだらと河原に下って行く。
白山スーパー林道で長い距離の遊歩道を歩くのはここくらいなので、花を探しつつ歩く。今回の滝めぐりでは、ツリフネソウとアキギリが彩ってくれたが、この遊歩道では白花のアキギリを発見。たぶん珍しいんじゃなかろうか。
    

    

    

  
遊歩道を下りきった場所にある出合い。この沢の上流が多分、小親谷の滝なのだが、遊歩道からは見えない。

  
蛇谷川の水はとても綺麗で澄んでいる。
階段をおりきって、河原に出るとあとは川沿いのなだらかな道である。途中で先に行った男性とすれ違った。「いいお風呂でしたよ」とのこと。
あれ、入浴したふうな感じでもなかったんだが。
姥ケ滝の前には露天風呂があって、滝見風呂が楽しめるというのは有名な話である。もちろんお湯に浸かるつもりはなかったが、どんなお風呂なのかは楽しみにしていた。
しばらく歩くと川の反対側から滝が落ちているのが分かった。ストンと幅広にまっすぐ落ちている滝だ。
最初、それが姥ケ滝の一番下の部分だとは気がつかなかった。別の滝だと勘違いして、滝よりも先にお風呂に目が行ってしまった。
  
これが親谷の湯。お湯の上の竹筒が源泉を引き入れる筒である。
あら?お風呂は姥ケ滝の前にあるはずなんだけど、これは別のお風呂なのかしらん。などと思って、ふと上を見ると、老婆の白髪があった。
はるか上方まで続いている赤い斜面を白い水の筋がうねりながら落ちている。一番下の段は斜面ではなく崖状になっているので、ストンと直瀑になって蛇谷に落ちているのである。
滝前にはだれにもいない。つまり、露天風呂にもだれもいない。
こりゃ幸いと靴下をぬいで足をつけて・・・無理無理無理無理。
ものすごく熱いのである。
すぐそばにあった説明板には源泉温度は97度とある。沸騰直前じゃないの。何が「いいお風呂」だ〜。
このお風呂、水を引ける管があるわけではない。自然に冷めるのを待つ仕組みだ。冷めすぎた場合に源泉の熱湯を注ぎいれて、熱さを追加するという形で温度を調節する。が、この日はどうも源泉が引き入れる竹筒の脇から徐々に湯船に入り込んで熱くなってしまったらしい。これに浸かるのは、かなりの長時間の湯揉みが必要だろう。
誰もいないのをいいことにあっちこっちから滝だの温泉だのを撮影した。
滝の正面、温泉のすぐ上に滝見台がある。(ここにはトイレもある)この上から見ると、斜面になった部分の滝つぼなどが見えた。
そうこうしているうちに人が少しずつ来はじめた。中には熱いのを我慢して温泉に足を浸けている人もいる。あれれ、若者が来て、服を脱ぎ始めたぞ。熱いと言ってとびあがっている。そりゃあそうだろう、そうだろう。
  
盗撮みたいになったが、温泉に足を浸ける人々。木の枝の向こうに海パン姿の若者もいる。
どんどんと人が来るので私たちは姥ケ滝をあとにすることにした。
遊歩道でもけっこう人とすれ違ったが、何人もタオルを手にして歩いている。本当に入るつもりなんだ、あの露天風呂。がんばって冷ましてください。
駐車場まで戻ると、行きにはほとんど駐車していなかった自動車がほぼ満車状態。いよいよ観光客が動き出す時間帯になってきたようである。
自動車を先に進めよう。
この先には姥ケ滝と対をなす尉ケ滝があるはずである。姥ケ滝を老婆の白髪とするなら、この「尉」は老人という意味で、翁の白髪と例えられる滝である。地図上の滝名は水法の滝(みずのりのたき)。姥ケ滝が蛇谷の向こう側で水法の滝は蛇谷のこちら側だ。
見落としがちの滝というのでかなり注意して探したがついに看板さえなかった。
もしやこれがそうかも、という斜面が道路の上にあったのだが、水が全く流れていなかった。そんなわけで水法の滝はしっかりこれだというものが分からなかった。
あとに残るのは、ふくべ大滝である。
林道の左側にある駐車スペースはわりと広く、横断歩道で反対側に渡って滝見スペースに行く。
滝は道がヘアピン状に左にカーブする先にあって駐車スペースからは全く見えない。滝見スペースに数段登って立ってみて、初めて対面することができる。
  
ふくべ大滝の駐車スペース。バスも止まるらしい。

  
看板とふくべ大滝。
最初、全く期待していなかった。
なにせ、白山スーパー林道の滝の主役は姥ケ滝だと思っているのである。あとは消化するだけの滝のつもりでいた。
ところが、目の前に落ちる滝のすばらしいこと。
斜面を滑り落ちる姥ケ滝と違って、断崖を一気に落下する感じである。水の少ないこの時期には、直瀑というよりは分岐瀑というような繊細さも見せているが、滝見台が滝の真正面であり、ほぼ滝の直下ということもあって迫力満点だ。
滝をバックに写真を撮影すると、「白山スーパー林道」という碑も立っているので実によい撮影スポットである。私も記念にパチリ。
  
絵に描いたような記念写真。
耳にした観光客の話声からすると、姥ケ滝よりもこの滝のほうがいいね、とのこと。確かに滝らしい滝だ。姥ケ滝が百選に選ばれたのは、落差のせいか、特徴のせいか。ふくべ大滝だって、充分に百選たりうる滝じゃないのかと思えた。
このふくべ大滝で白山スーパー林道の滝は終了だ。
あとはもう少し林道を登り、岐阜県がわ、白川郷の近くに出るだけである。
  
白山スーパー林道の一番高い駐車場から見た初秋の風景。

  
まるでパッチワークの白川郷付近。
午前8時半にゲートをくぐり、白川郷を眼下に見る展望台に着いたのは10時半頃。11時には白川郷の前を通って、国道156号を富山県に向かって走っていた。

最初高額だと思っていた白山スーパー林道の通行料金。
確かに単純に石川から岐阜に通じる道路と考えるとかなり高い料金である。
だが、標高1450メートルの高さまで通じていて、山々の壁にへばりつくように走っている岐阜がわの道路を見た時、建設だけで相当な労力がかかっているだろうと思うとその通行料は順当な気もした。何より、安かったりタダだったりしたら、もっと自動車がたくさん押し寄せて、渋滞もあれば自然破壊もあるだろう。これはこれでいい措置なのかもしれない。

まだ午前中のうちに岐阜に出てしまったが、このあと別の滝に寄る予定はなかった。
高速道路に乗らずにゆっくり一般道で新潟に帰るのだ。
日本海に出て、名水百選の富山県黒部市に立ち寄って、さらにはカニで有名な新潟県能生の道の駅に立ち寄って、カニをお土産に帰宅した。(その後のレポはこちら
無理せず無駄して少なめの秋の滝めぐりは無事に終了した。
交通
白山スーパー林道  最寄ICは、石川県がわは、北陸自動車道小松ICから国道360号、国道157号を経てかなりの距離を走る。岐阜県がわは、東海北陸自動車道白川郷ICからすぐ。
我々は福井県大野市に宿泊し、石川県がわ、中宮料金ゲートから入った。
料金は、普通車で通り抜けは3150円。往復は割引があって4890円になる。途中で折り返す場合も3150円でよいそうだ。
滝だけが目当てなら、岐阜側には滝は無いので、石川側から入ってふくべ大滝で折り返してもいいだろう。
ただ、最高の標高である三方岩駐車場の景観は素晴らしいので、折り返すのはちょっともったいないかもしれない。
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姥ケ滝  白山スーパー林道の中宮料金ゲートからいくつかの滝を通って右側に大きな駐車スペースがある。
そこから遊歩道を15分歩くと滝前に出られる。
遊歩道は河原まで下りる階段があり、雨天などの滑りやすい条件の時は、足元には充分注意したほうがよい。


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