2004年秋の滝めぐりその5
  その4奥入瀬の滝へ 大空滝  



大空滝
落差83メートル。
かなり上からかなり下までずっと滝である。
紅葉は少し早かったが、
それでもため息が出るくらい美しい。


上の段をできるだけアップにした。
上のほうは紅葉している。


遊歩道の途中から
最も下の段を撮影。



下の段のレベルまでおりてみて撮影。
ここまで来ると、上が全く見えない。



一番下の段の前に出て撮影。
展望スペースから見える下の段は、
この一段上らしい。
この段は3メートルくらいの落差。



遊歩道の途中から撮影。


上段が見えないかと色々と
ためしてみたが、
遊歩道におりるとどうしても木々に
隠れてしまう。



どこにいっても
やっぱり見えない。




遊歩道の片隅にはあざみ。


紅葉にはまだ早かった。
2004/10/11 
友人宅で旧交を温め、翌日目覚めるとどんよりと雲っていた。まあ、天気予報はこれから回復する様子だし、友人が前もって遊歩道の入り口まで下調べしてくれた天空滝を次回に持ち越すわけにもいかない。
実は岩手在住の友人に百選の滝の『不動の滝』を案内してもらわなかったのは、彼の住む地元にある『天空滝』の方を案内してもらうことになっていたからなのだ。友人にしても、少し遠い百選の滝より、地元の素晴らしい滝を私たちに見せたかったに違いない。
それにしても、駐車スペースから徒歩1時間。滝好きでもない友人夫妻に歩けるのか?私たちは全く構わないのだが。
そんな心配をよそに駐車スペースに到着した。自動車5,6台は駐車できそうな場所である。
天空滝を見ることができる場所は新しい道ができる前は林道として自動車が通れたらしいのだが、今は通行できない。入り口にはガチガチに鎖がかけられていた。
  
駐車スペース。自動車の陰にある百葉箱のようなものの中にパンフレットがある。

  
ここから先が林道。ガチガチにガードされ、自動車は入れない。自転車ならオッケーかも。
最初少し斜度がきつい。ちょうど新しい道の先にトンネルがあるのだが、その上まで一気に登る感じだ。昔林道で、紹介されているパンフレットには舗装されている道のような写真があったのだが、未舗装で、しかも前日の雨でグチャグチャだった。
  
空模様はこんなもの。
私たちはトレッキングシューズを履いていたが、友人夫妻は普通の靴。けっこう辛かったかもしれない。それもこれもパンフレットの写真が悪い。
道幅は広いのだが、足場が悪い中、ぶつぶつ言いながら歩いて行くと、上り口1.5km、天空滝1.9kmの案内板が現れた。大体入り口から20分である。
あら、もうほぼ半分歩いたのかしらん。
  
滝まであと1.9キロ。
もともと林道なので、息が切れるような坂道ではないのである。友人夫妻もそれほど疲れていない様子。
この看板を過ぎて少し歩くと、道が舗装になった。ものすごく歩きやすい。が、時々水が川になって流れたり、石が流されてゴロゴロしている場所もあった。路肩はほとんどが崩れている状態で、一部ガードレールが落ちている場所もあった。これでは自動車は通せないか。
先ほどの看板からまた20分ほど歩くと大空滝まで0.4キロの標識。この標識から歩いてほどなく、遠くの沢の音がやけに大きく聞こえるようになり、ふと遠方に目をやると、白い滝の姿が見えるようになる。滝が見えたら展望スペースはすぐそこだ。
  
もうちょっとで滝。

  
木々の奥に白い滝が見えた。
展望スペースと言っても林道のまんまである。ベンチがあるわけでも望遠鏡があるわけでもない。ただの林道。
しかし、滝に至るまでの林がちょうどその部分だけ伐採されて滝が見えるようにしたらしく、左右に分かれた木々の彼方にスッと大空滝が落ちている図はなんだかものすごい。手前の木々が額縁のように見える。
  
ここから林道を外れて滝の直下に行くことができる。
私たちはもちろん行く気でいたが、友人夫妻はここで待つことになった。
  
大空の滝と書いて、あとからわざわざ『の』の字を消してある。こだわりがあるらしい。ガードレールの切れ目から階段がおりている。

  
遊歩道はこんなもの。
友人夫妻をおいて遊歩道におりて行く。この遊歩道、最初は20段ほどの階段で、きっとこのあとも親切に整備された道なんだろうと思わせるのだが、とんでもなかった。あっと言う間に山道になり、転げるような下りになる。しまいには滝の手前の沢を渡り、ロープをつかんで必死でへつらなければならない場所まである。手前の沢なんか、滑って落ちるとそのまま2メートルほど滝の沢にストンと落ち込んでいる沢なのである。
  
この沢を渡った。
し、素人の友人夫妻をむりやり連れてこなくてよかった・・・。
サクサク進んでしまうダンナに追いつくのにかなり必死になった。おまけに、手をつこうとした先に足の長い蜘蛛までいたもんだから、ついキャーと叫んでしまった。
だが、直下に来ると、滝の上部が殆ど見えなくなってしまう。遊歩道の途中からも林が邪魔をして、全体をつかむいい場所が全くない。
苦労したわりに直下はあまりいい感じではなかった。何段にもなる段瀑なので滝つぼという滝つぼがあるわけでもないのである。
だいたい15分かからずに滝下に着くのだが、滝見スペースほどの感動は得られないだろう。

今度は登りでひいひい言いながら滝見スペースに着くと、友人夫妻が凍えていた。この日はどんよりとした天候で、気温は低いが湿度が高い状態だった。動いた我々は汗まみれだが、友人夫妻は寒くて仕方なかったはずだ。
と、いうことで、ガードレールの上にバーナーをセットして、滝前コーヒータイム。かなり遠い滝前ではあるが。
友人が「一度ダンナを呼んだが聞こえたか?」ときくので、「聞こえなかった。一度私が悲鳴をあげたが、聞こえたか?」とききかえすと、「その声が聞こえたから呼んだんだ」と言われた。女性の悲鳴はよく通ります。
冷えた体にコーヒーで、ちょっと我慢できなくなることがありそうだったので、急いで戻ることにした。
  
滝がケトルに吸い込まれて・・・
10時半に遊歩道に入って、滝の下まで行って、コーヒーを飲んで戻って来たのが12時半である。ちょうど2時間。初心者の友人夫妻をつれても滝見スペースまでは45分ほどで行けた。滝の直下までが1時間という所だろう。

行きにも寄って用を足した花巻野外活動センターでトイレタイム。花巻市街に戻って昼食をとってから、早々に友人に別れを告げて新潟に戻ることにした。
台風であんなに雨に祟られたというのに、帰り道の東北自動車道は晴れて来て、ちょうど西日が目にまぶしくなってしまう状態だった。いらない時だけ顔を出すな、太陽。

ともあれ、『松見の滝』にはフラれてしまったが、結果的には奥入瀬の滝の殆どを路駐で見て回れてしまったし、滝の水量も多かったと思う。台風の時にしか体験することができない滝を見れたんじゃないか。そう思って今年の秋の東北も満足することにした。
待ってろよ、『松見の滝』。あと、『茶釜の滝』〜。
交通
大空滝  
 実は友人の自動車に乗せて行ってもらったため、行き方はさっぱり気をつけていなかった。
地図によると、東北自動車道花巻南ICをおりて、県道12号にでる。市街とは逆の方向に走って行く。志戸平温泉、大沢温泉、鉛温泉などを通り越し、豊沢ダムに出る。
県道12号はまだまだ続いている。ダムを左手に見ながらさらに先に進むと、右手に野外活動センターの門が見える。下の写真のような看板が目印だ。

  
 建物が敷地のずっと奥にあるので、門と看板しか分からないが、駐車スペースは門の反対がわにある。ここに自動車をとめ、門を通って右手にだれでも使えるトイレがあるので、滝に行く前にここでトイレを済ませるといいだろう。
やがてトンネルが出てくる。中山1号トンネルと中山2号トンネルの間に大空滝へ行く人たちのための駐車スペースがある。
 そこからは徒歩で行くことになる。
 駐車スペースに百葉箱のようなものがあり、その中にパンフレットがあるので、もらっておくといいだろう。
 昔林道だったという大空滝への道は、最初未舗装で歩きづらいが、途中から舗装道路になり、ほとんど平らな道なので、軽く汗をかく程度で滝見スペースに着くことができる。
 普通の大人なら、45分くらいで着くだろう。
 滝見スペースから滝下へ行く道があるが、こちらを利用する人は、しっかりした足まわりと軍手は必需である。一部ロープを使わないと通れない場所があるのだ。
 この遊歩道は、15分ほどで滝下まで行けるが、そこからは滝の全貌は見ることができない。

 2004年秋の東北滝めぐりその1(不動の滝)へ
2004年秋の東北滝めぐりその2(小根津都の滝)へ
2004年秋の東北滝めぐりその3(十和田湖周辺の滝)へ
2004年秋の東北滝めぐりその4(奥入瀬の滝)へ


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