2005年氷瀑を求めて その3
  その2白川氷柱群へ 御岳の滝たち、冬 その4 清滝 へ 



こもれびの滝
雪と雑木で何が何だかわからない
画像になってしまった。



岩が綿帽子をかぶっていて、
かわいらしい。



滝前は氷の芸術。


宝石のような氷と水。



不易の滝
細かいツララがまるでハリセンボンである。


右端中央くらいにダンナがいるのが
わかるだろうか。
滝の上部がハリセンボンだ。



最大限滝に近づいたダンナ。
水流のある場所には緑の苔もある。




松尾滝
直瀑がそのままカチンと凍ってしまった。
瞬間冷凍のようでおもしろい。
2005/2/12 
その3については、昨年7月に行った御岳の滝の追跡である。あの滝たちが冬場にはどんな表情に変貌するのか。近くに来たからには見てみないと気がおさまらない。
あらかじめ三岳村のHPで調べて真冬でも行けることを確認してある。
だが、県道473号に入るとさすがに路面に凍った雪などが残る場所もあり少々不安になった。御岳信仰独特のものなのか、平らな形の墓石の並ぶ道をぐんぐんと登って行く。
途中、石材店が並ぶあたりで御岳がものすごく綺麗に見える場所があったので、路肩に自動車をとめて撮影。あたりの山々とは違った、真っ白な雪をかぶった姿は本当に綺麗だった。
  
さらに上って行くとバス停名で百間滝入り口という場所に油木美林遊歩道の駐車場があり、そこまできっちり道は除雪されていた。が、そこから先は除雪されていずに通行止めとなっていた。
こもれびの滝、不易の滝へはここから徒歩で10分ほどだ。雪の上を歩くが、ちゃんと踏み跡があるので心配はない。しかも、雪の上が凍ってカチカチになっていて、乗ってももぐらない。表面はざらめ状なのですべりもしない。楽に歩ける。
丁度駐車場で一緒になった人が新潟からなのかとびっくりして滝はどっちだろうと聞くので、この足跡の先でしょうと答えて歩きだした。
こもれびの滝の正面にあるあずまやに到着。滝を見ると先客がいる。駐車場に2台あった自動車のうちの1台の所有者だろう。
あずまやからの写真を撮影しようにも彼が入ってしまうので、先に近くから撮影することにした。
近づいてみると、岩にあたった水が凍って、面白い模様を作ったりしている。が、先客が一番いいポジションにじっくり居座ってしまっていて、我々は別の角度から彼を入れないように撮影するしか無い状況だった。
これでは仕方がないので、先に不易の滝に行こうということになった。こもれびの滝から坂道を登って行く。ちょっと足元がすべりぎみなので軽アイゼンがあれば楽だったかもしれない。
不易の滝は細かいツララになっていた。
もともと伏流の滝なので、凍らないんじゃないか、と予想していた。たしかに岩盤の途中から染み出た水は凍らずに滝つぼに滑り込んでいる。湧き水の温度が一定なので、苔なども緑色をしている。
が、それでも岩盤を離れた湧き水は急速に御岳の冷気に冷やされて凍ってしまうのだろう。ハリセンボンといった感じのツララが岩盤いっぱいに下がっていた。
この滝は雪がなければ滝見台の下から岩を伝って滝のすぐ横に出ることができる。しかし、先陣の足跡はそちらまで延びていなかった。固くしまった雪なので、気をつければ行けないこともないだろうが、足をとられて転んだらそのまま滝つぼである。ダンナがなんとか滝のすぐ前まで行ったがそれ以上はやめておいた。
さんざん不易の滝を楽しんで、もういい頃だろうとこもれびの滝の滝前に行くと、まだ先客が粘っていた。うーむ、このおっさんの飽くなき探究心には恐れ入る。滝前のあらゆる角度から、あの岩の上、この岩の上、滝つぼに長靴のきく場所であればどこでも入り込んで滝やら氷やらを狙っている。だけど、滝つぼのど真ん中に立たれたら、どうやってもおっさんが写真に入ってしまうんですけど・・・。
こんな人も来ないような滝で人が邪魔で撮影できない事態になるとは思わなかった。
我々はおっさんほどにこの滝にも氷にもこだわってはいない。そこそこ撮影して引き上げた。
おっさんほどの粘りが無くてはいい写真が撮れないのかもしれない、とも思うが、人の迷惑になってまでいい写真は撮りたくない。ほんの数秒ポジションを譲ったり、滝前から退いたりするくらいの気配りは、どんなに探究心のあるカメラマンだって持ち合わせてしかるべきである。
白川氷柱群にしても、このおっさんにしても、なんだか今回はカメラを趣味にしている人ってろくでもない人しかいないような印象しか残らなかった。
さて、駐車場に戻ってみると、もう一台自動車が到着していた。アイゼンなどを装着して、戻って来た我々に滝の凍り具合を尋ねて来た。
どうも立派な氷瀑を撮影したくて仕方がないらいしのだが、だとするとこもれびの滝も不易の滝もきっと期待はずれだろう。少しだけ凍っていたと答えておいた。
夏の滝めぐりの時についに発見できなかった松尾滝と日の出滝の場所もチェックしておいたので帰り道に寄ってみた。
松尾滝はびっくりするくらいの氷柱になっていた。直瀑が一瞬にして時を止められた感じで凍っている。なかなか見事な氷瀑である。
この滝は滝行のための人工の滝なのだそうだ。そうは見えないみごとな岩盤である。
けれど、やっぱり信仰の滝であると思うのは、まず入り口。墓場のど真ん中ですぅ。鳥居の向こうに滝があり、急な階段を上って行く。息がきれるほど上る。ずんずん上るといつの間にやらおおきな○○家の墓のまん前に出てしまうというトラップもある。○○家の墓の手前でそれて、さらに登ると滝前に出られる。
で、この滝の前に、紙でできた人型(「千と千尋の神隠し」で竜になったハクが襲われていたアレです)が貼られていたりする。
とにかく雰囲気がなんとも言えません。
お墓なもんで、入り口の写真撮影は控えました。
普通ならこれくらいの階段を上ったくらいでは息はきれないものなのだが、標高が高いせいか、雰囲気のせいか、ぜいぜい言いながら滝を見上げた。
さっきの氷瀑を撮影したい人はこっちに来ればいいのに、と思ったりした。もっとも、落差はそれほどない。12メートルというが、氷柱になっている部分は8メートルほどだろう。後は下部で氷が山になっている。
松尾滝の少し下に日の出滝がある。こちらは滝ごと墓の中にあって、凍っていなかった。やはり墓場なので、滝自体も撮影は控えた。人工の滝というだけあって、どうしてここにどわっと水が落ちているのか、という場所にある。が、人工には見えない。ちょっと打たれたくないくらいの水量の滝だった。
さすがに御岳。山自体が信仰の対象である。松尾滝で圧力にも似た霊気を感じさせられて、さっさと下山することにした。


       2005年氷瀑を求めて その4 清滝 へ  
交通
こもれびの滝、不易の滝、松尾滝
 国道19号『元橋』交差点で県道20号に入る。『元橋』交差点は意外に小さな交差点なので注意すること。県道20号に入り少し走ると左に道の駅みたけがある。さらに走ると『黒沢』交差点になる。ここは右。御嶽神社里宮、「太陽の広場」(トイレ、百草丸の売店あり)の横を通り、さらにのぼって行く。
すると、右に行くとロープウェイであるという場所に出るが、ここは直進、御嶽山方面に行く。この道は県道473号である。
473号に入ると、いよいよ霊場らしくなる。石材店と墓場の間をのぼって行く感じだ。ここからはバス停に注意しよう。
まず「かんまん滝」というバス停があり、一見道は左にカーブしているように見える。が、このまま左にカーブして進むと天昇殿という建物になってしまう。カーブしないで墓場の真ん中にある細い道へと直進していくのである。
道はさらに墓場の真ん中をのぼって行く。
まず「日の出滝」というバス停になる。ほんのちょっと進んで、右手の墓場を見てみよう。鳥居の向こうすぐに日の出滝が落ちているのが見えるはずだ。
さらに九十九折の道をのぼると「松尾滝」のバス停になる。ここはバス停のすぐ向かいくらいを見上げてみる。
鳥居の奥に階段が続いている場所である。
墓場の向こうに滝が落ちているのが見えるはずである。冬場は青い氷の柱が道からも見える。滝前に行くには日の出滝も松尾滝も道路に駐車することになる。夏場は墓参りの人もいるので、邪魔にならないようにすること。
とにかく墓場のまんなかであることは確かなので、節度のある見学をしてほしい。
松尾滝のバス停の次が「百間滝」バス停である。が、ここからは「百間滝」はもちろん見えない。ここに大きな駐車場があるので、駐車。油美林遊歩道が延びているので、これを利用してこもれびの滝、不易の滝まで行く。徒歩で10分ほど。冬場は、雪質によってはアイゼンやかんじきがあったほうがいい場合もある。

 

2005年氷瀑を求めて その1 塩原すっかん沢の氷柱

2005年氷瀑を求めて その2 白川氷柱群
2005年氷瀑を求めて その4 清滝
2005年氷瀑を求めて その5 新滝

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