2004年夏の滝めぐりその3
  その2 根尾の滝、三つ滝 に戻る 付知峡の滝、御岳の滝  



観音滝
20メートルの岩盤を水が簾状に
輝きながら落ちて行く。
すぐ横に遊歩道があるので、
その巨大さを間近に見ることができる。



岩盤は角のある岩。
滝つぼ近くの水は変化して
流れて行く。



不動滝
見下ろす感じでしか見えないのが惜しい。
もう少し遊歩道を先に延ばしてくれたらと、
無理なことを思ったりもした。
落差10メートル。



仙樽の滝
滝の手前にある岩は人が立つのに
ちょうどいい岩だ。
おかげで次から次に人が来て、
全く無人になる瞬間は少なかった。
落差10メートルだが、
水量が多く、それ以上に見える。



滝つぼは、滝の規模にしては狭い。
だが、深そう。
岩に囲まれた水面が滝の水で
大きくゆらゆら波打っていた。



竜神の滝
このすぐ近くでキャンプして
焼肉焼いているのが信じられないくらい
神秘的でおごそかな感じがする滝だ。
水がとびぬけて透明だった。



この滝つぼの青さを見よ。
竜神様が住んでいるに違いない。
落差8メートルというが、
それ以上に感じる。



小野の滝
これが国道のそばやらJRのそばでなければ、
かなり形のいい直瀑である。
岩盤の感じも綺麗なのだ。
場所が不運だなぁ、この滝は。


大きさ比較写真。
手前にダンナがいます。
落差は25メートルあるが、
そんなに高くは見えない。



滝つぼはごくごく浅い。



こもれびの滝
二段に落ちる姿のいい滝だ。
あまりに綺麗なので、最初は
こっちが不易の滝だとばかり
思っていた。



上段。幅広で美しい。


大きさ比較。
左側の端っこにダンナがいます。



流木にも緑が。


不易の滝
落差50メートルとある。
それほど大きく見えないだろうが、
実際に行ってみると、山そのもの一面が
滝になっているようにさえ思える。



右端に撮影中のダンナ
窪みの大きさと比較して、
全体の大きさを想像してください。



サラサラと浅い滝つぼに
水が吸い込まれていっていた。
2004/8/15 
下島温泉に一泊して、あとは新潟に戻りがてらこの付近の滝をめぐる計画をたてていた。と、いっても根尾の滝だけでヘロヘロになっているので、自動車からそれほど歩かない滝を考えてみる。
地図や滝の本を調べてみると、付知川の周辺にはきゅっと滝が集まっている。しかも、どの滝も駐車場から徒歩10分ほどで行けることになっている。決まりである。
とにかく付知峡に向かうことにした。
付知峡は下島温泉からそれほど遠くない。が、いったん入り口を通り越して、道の駅「花街道付知」に寄って情報収集するつもりだった。が、その前まで行って、駐車場が満車だったため断念。どうも道の駅で何やらイベントがあるらしい。夏休みのど真ん中はこういうことが時々あるから困る。
仕方なく、来た道を戻り、道路標識の示すままに付知峡へ。途中集落の間を通る細い道になったが、迷うことなく大きな駐車場のある付知峡花の森に到着した。
ここは、入場料がとられるんじゃないかと心配になるくらい整備された公園だった。いや、人工的に色々な建物があるというわけではなく、しっかりきっちり遊歩道がはりめぐらされているのだ。
お土産屋の間の入り口から順路の案内するとおりに進むと、まず観音滝が現れた。

  
入り口にある名水。このあたりから遊歩道に入って行く。

おおーーー。すごい。最初に真横から見る形になるのだが、巨大な岩盤一面から水がサラサラと落ちている。
こんな公園だからどうってことない滝だろうと予想していたのだが、大きく裏切られた。
ちょうど上手い具合に太陽が岩盤に当たって、水が輝いていて綺麗である。

  
吊り橋から見た「観音滝」ちょうど虹がかかっていた。

観音滝の流れ込む沢がきゅっと集まって落ちるのが不動滝で、観音滝から徒歩1分もかからない。
ただ遊歩道が滝のかなり上にあるので、どうしても見下ろす感じになってしまうのが惜しい。水が澄んでいて、滝つぼが青いのが印象的だ。
少し戻って、吊り橋などを渡り、観音滝を反対側からみつつ進むといきなりすこーんと開けた空間に出る。沢が大きくカーブして、岩を削りとったり崩したりしたような空間である。ここから岩場を少し歩いて奥を見ると仙樽の滝が見える。
こちらも川がいっきに落ち込む滝で、豪快である。

  
いきなり開ける場所。この左奥に仙樽の滝がある。

しかも、滝つぼ付近まで行けるので、その水しぶきも浴びられる。
ただ、この仙樽の滝は涼を求める人たちの格好の場所らしく、シートを持参した家族連れがたくさんいた。
滝のすぐ前の岩にも次から次へと人がよじ登り、人のいない写真を撮影できる瞬間が少ないくらいである。
それでも、手軽に3つの異なるタイプの滝を楽しめるとは、なかなかいい場所である。
次に付知峡のさらに奥にある『高樽の滝』と渡合温泉にあるという『渡合三滝』に向かった。
ところが、なんと、目の前にゲートが。
土砂崩れのために通行止めになっていた。あらあら、なんてこと。せめて落差40メートルあるという高樽の滝だけでも見たかったのに。

  
と、いうことです。宿の自動車だけが通れるのか、別の道へ迂回するのかは不明。工事期間も不明。

だが、行けないのなら仕方ない、時間があった場合行くことにしていた、川上村の滝に行くことにした。
付知峡から少しだけ長野寄りに走った所に竜神の滝というものすごく水の綺麗な滝があるのだ。写真集で見ただけで、ぜひ行きたいと思わせる滝である。
目標である夕森公園に近づくと、意外にもものすごい数の自動車が止まっていた。こんなめちゃくちゃ山奥の田舎になんだろう、と思ったら、川遊びやキャンプの自動車である。
川上川はとにかく水がきれいな川で、周辺はキャンプ場所として整備されているらしい。竜神の滝のあるあたりに近づいても自動車がたくさん駐車している。と、いうよりも、そのままキャンプ場になってしまった。
どうもキャンプ場の敷地かキャンプ場の駐車場らしいのだが、竜神の滝という看板があったのでそのまま駐車。看板の案内するまま歩いて行った。
まず川上川を渡る吊り橋に出た。すると、見事な滝が目の入る。だが、遊歩道らしきものが滝の前を横切っている。吊り橋を渡って少し登ってまた下って、ということをすると滝の前に出られそうだが、渡らずに滝の近くまで行くと反対側から滝前に出られる場所があった。
観瀑台から見る滝は、見事なまでに青い滝つぼをたたえていた。
本当に青い。
こりゃあ、竜神様がいてもおかしくない。
ちょうど日光がさしかかっていたので、虹が見える場所はないかしらん、と、遊歩道をあちこち行ってみたが、虹は見えなかった。
駐車した場所が滝のための駐車スペースというわけではなさそうなので、やや急ぎぎみに自動車に戻り、この上流にあるという『銅穴の滝』へ向かうことにした。が、ここから先もキャンプ場のまんなかみたいな道である。
バンガローやらキャンピングカーやらを横に見ながら進むと、あれれ、道いっぱいに自動車が止められていて、そこでキャンプする人々が。
その向こうはゲートが閉められているらしい。
道でキャンプするな、こら。
ゲートの閉鎖理由を読むこともできないじゃないか。
まさかすっかりアウトドアでくつろいでいる人々をかきわけてその先に行くわけにもいかないので、大人しく引き返してしまった。
こんな所でも林道の閉鎖にあたってしまうとは。
思った以上に時間があまってしまった。
ここまで来れば、長野県は目と鼻の先である。
実は百選の滝である『田立の滝』もものすごく近いのだが、根尾の滝で疲れた足に田立の滝は少しハードすぎる。
行けば何かあるだろう、と、中山道を塩尻TCまで北上することにした。
とりあえず、何かあった。
小野の滝
中山道沿いにある。ほんとうに沿いにある。
それほど立派な滝というわけではないが、木曽八景の一つなんだそうだ。
これが中山道沿いにある上に、JR中央本線の鉄橋のすぐ下にある。ちょうど撮影している時に電車が通り、岩盤に反響してとんでもない轟音に襲われた。本気で悲鳴をあげた。

  
上を走るJR。よりにもよって、こんな所に電車が走るとは。不運な滝である。

小野の滝に行く前に道の駅『大桑』でお昼を食べ、中山道の地図を入手していた。とりあえず小野の滝は見たし、あとはどうする?
お、ここに滝のマークがごっそりある場所があるではないか。この地図でいけば、一箇所で5本は見られるぞ。
数がものを言ってしまった。
行く先は、御岳の麓に決定。御岳神社の道案内に導かれて、三岳村に入った。
あれれ、なんだか、風景がすごい。
道の両側が墓場のようになってしまった。しかし、墓というには四角い墓石ではない。どうも神道の墓のようだ。
この御岳は信仰の山だとはなんとなく知っていたが、この墓石の数はどうだろう。道の両側、延々と続いている。山道をどんどん先に進むのだが、どれほど登っても続いている。
途中、道が分かれている場所があり、手持ちの地図では「御岳山天昇殿」の向こうに不易の滝があるように書かれていたので、そちらに向かった。
ところが、天昇殿の前の駐車場で道が極端に細くなってしまっている。
ダンナが調べに行って、社務所の人に聞いたら、もう片一方の道だった。天昇殿の先にも『かんまん滝』という修行の滝があるのだが、人工の滝だということだ。(あとで「日本の滝1000」を調べたら、しっかり載ってました。人工の修行の滝だそうですが、社務所の人は行ってもかまわないと言ってくださったそうです)
人工の滝よりもやっぱり自然の滝である。自動車をUターンさせ、教えられた道を進んだ。やはり、墓の間の道である。
まず、バス停で日の出滝という場所を発見。でも、墓ばかりで、滝の姿は見えない。そのまま自動車を走らすと、またバス停が松尾の滝となっている。ここも墓しか見えない。もっと先かと自動車を進めると、百間滝というバス停になり、広々とした駐車場に出た。とりあえず、自動車を降りて、バス停のそばにあった案内図を見た。
ここから下りていけば、10分ほどで不易の滝こもれびの滝にたどり着けるらしい。百間滝へは2時間。そっちにはいけないなぁ。
と、いうわけで、気楽なかっこうで不易の滝に向かった。
さすがに墓の間を進むわけではなく、整備された遊歩道で自然の只中に踏み入って行く。

  
滝も綺麗だが、苔むした清流がほんとうに美しかった。

まず、苔の生えた美しい流れが左側に見え、それが綺麗だ綺麗だと言って歩いているうちに右側に大きな滝が見えた。『こもれびの滝』と書かれている。入り口には『不易の滝』の案内しかなかったので、二段の滝の下がこもれびで奥が不易の滝なのかと思い、ちょうど撮影を終えたらしい人があずまやで休憩していたので、きいてみた。
「いえ、不易の滝はこのずっと上」とのこと。
こもれびの滝の全体を撮影しようとすると、もう少し奥の場所がいいと教えてくれた。さらに不易の滝は立ち入り禁止になっているが、道がついているので滝のすぐ横まで行って撮影すると綺麗だとも教えてくれた。
こもれびの滝はあずまやから全体が見えるが、さらに近づいて1段目の滝つぼまで行くことができる。
ここから見た滝も綺麗だ。縦長の滝に見えていたが、むしろ幅広の滝である。滝つぼがとても青いのもわかる。
  下の段の滝つぼ。深く、青い。近くに寄って見下ろすまで、これほどの滝つぼがあるとはわからなかった。
こもれびの滝から5分ほど遊歩道を登るとまたあずまやがあった。さて、不易の滝はどこ?と思ってあずまやの先を見ると、うわぁ、目の前の岩盤全部から簾状にチョロチョロ、シタシタとみずが落ちている。これが不易の滝か。
山の絶壁全部が滝、といった感じである。
水量が少ない時だったらしく、すだれの隙間がやや広いのが惜しい。
時間によっては日光が当たり、虹がかかるにちがいない。そうすると、ものすごく綺麗なスクリーンになるはずである。
この日は雲っていて、午後のこの時間に日光が当たるのかどうかも確認できなかった。
おじさんの言っていたとおりに滝の横まで行ってみたら、どでかいヒキガエルがいて、さすがに私はへっぴり腰になってしまった。
  横側から撮影。苔が美しい。
さんざん撮影して、駐車場に戻ると教えてくれたおじさんがいたのでお礼を言う。全国どこでも滝好きはいますなぁ。
まだ日没には早いが、帰路の渋滞が無いとも限らない。数に惹かれて来た場所だが、あとは滝を欲張らずに新潟に帰ることにした。
今回は、本当に水の綺麗な場所にばかり行った。結果的に御嶽山のまわりをぐるりと滝をつまみ食いして回った形になる。御嶽山はかなり水を豊富に抱いた山であることがわかった。しかも、どの川もみな透明な水だ。
今回、林道が閉鎖されていて行けなかった滝もきっと綺麗な滝だったのだろう。
2時間歩くことで断念した百間滝も気になる存在だし。
御岳というキーワードで地図を開くと、まだまだたくさん滝があるし。
この夏の滝めぐりは、色々な勉強ができたし、色々な宿題も出されてしまったようである。
交通

付知峡 
  一番近いICは、中央自動車道中津川ICである。
中津川ICを下りて、国道257号を下呂温泉方面に進む。かなり進んで、左側に道の駅『花街道付知』が出てくるが、これも通り越して先に「付知峡入り口」という信号がある。ここを右折。あとは案内板に従って進めばいい。案内板の表示は「不動滝」方面である。
途中で道が分かれている場所があるが、必ず道案内が出ているので探してみよう。
時々道がとても細くなるので注意が必要である。
滝は大きな駐車場(お土産屋、旅館、公衆トイレなどがある)に自動車をとめ、整備された遊歩道を下って行って、10分とかからない場所にある。
仙樽の滝の滝つぼまで行くには、大きな岩をジャンプしたりする場所もあるので、足回りはきちんとしていたほうが安心だ。

竜神の滝
  川上(かわうえ)村の夕森公園というかキャンプ場の中にあると言ってよい。
川上村には上記の国道257号の福岡町と付知町の境あたりにある「田瀬」という交差点から県道3号に入って行く。
県道3号をやや走ると大きな看板で夕森と出ているので、滝への入り口はすぐに分かる。この看板の道へと左折する。
そのままずんずんと右手に川を見ながら坂を上って行くと左側に温泉施設が、さらに上って行くといつのまにかキャンプ場になっている。
キャンプ場の管理棟らしい場所のすぐそばに「竜神の滝」の看板が出ている。
ここから、遊歩道で3分もかからずに滝である。

小野の滝
  こちらは長野県の滝である。
中津川ICから国道19号(中山道もしくは木曽路)に出て、塩尻に向かって進む。目印は寝覚めの床という景勝地であるが、この景勝地よりも手前にあるのでもし寝覚めの床という文字が出てきてしまったら行きすぎである。
国道19号の本当にすぐそばにあるがややひっこんでいる上にJRの鉄橋が上を通っているので、自動車でいいスピードを出して走っていると見落とす可能性が大である。
中津川から行った場合は右側に滝があり、滝の対面の左側に案内の看板が出ている。ただ、この看板もスキー場の案内などと一緒になっている木曽路の案内看板と一緒なのでよく見ていないと見落とすかもしれない。

御岳の滝
  御岳霊場付近の滝、というのが正しいのかもしれない。御岳には数多くの滝があるので、そのごくごく一部の滝である。
上記の中山道国道19号の景勝地寝覚めの床を通り過ぎ、少しすると「元橋」という信号に出る。ここを左折すると県道20号になる。意外に小さな交差点なので注意が必要だ。県道20号に入ってややすると左側に道の駅「三岳」があるが、この道の駅も情報を得るのにあまり役にたたない。
道の駅を通り過ぎ、しばらく進むと百草丸のお土産屋さんのほうが先に目に入ってくるが、「太陽の丘公園」という大きな駐車場やトイレのある公園に着く。あとで地図をよく見たらこのあたりが御嶽神社の若宮らしいが気がつかなかった。その公園を右に見ながらさらに進んで行くと、だんだんあたりが霊場らしくなってくる。途中、ロープウェイ乗り場へは右折するように案内があるがそこは直進。墓と石材店の間の道を山を登るように走って行く。
注意するのは、バス停の文字。
最初に左折(と、いうか、道なりに左にカーブ)すると「天昇殿」という場所に出るが、ここのバス停には「かんまん滝」とも書いてある。ここではむしろ細く見える直進の道を選ぶ。墓場に入っていくような道である。さらにつづら折で山を登って行く。「日の出滝」「松尾滝」というバス停がある。これはどうも山側にかかる滝らしい。「松尾滝」をすぎてやや開けた場所に出ると「百間滝」というバス停と駐車場がある。ここに自動車をとめて、遊歩道に入ろう。バス停のそばに案内図もある。
最初にこもれびの滝が、つづいてやや登るが不易の滝がある。不易の滝まで10分とかからないだろう。
不易の滝の横まで行く場合には軍手などがあったほうが安心かもしれない。

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