根尾の滝 虹がかかっているのがわかるだろうか。 時間はだいたい午後2時半前後である。 落ち口のあたりで段になっているが、 あとはスカッと直線的に落ちる。 風で水しぶきが飛んで、豪快だ。 河原に下りた直後に見える根尾の滝。 やっとご対面である。 右欄の看板のあたりから見た滝。 手前の段差が美しくて、まるで 計算して作った庭のようにさえ 見えてしまう。 大きさ比較だが、わかるかなぁ。 滝つぼの手前やや下の中央あたりに 白いTシャツの私がいる。 これも大きさ比較。 滝つぼから一段下がった所から ダンナが滝を撮影中。 落ち口。 下から見上げた所なので、 段になっている部分は見えない。 とにかく空が青かった。 滝つぼの二重の虹。 虹が出ていると、滝に祝福されている 気分になって、嬉しい。 二重となると、さらに嬉しい。 三つ滝 どうせお手軽滝と思っていただけに 思った以上の美しさでびっくり。 この小坂川は水が綺麗で、 滝も全て綺麗。 滝前にかかる橋から撮影。 鉄製の遊歩道は向かって左側から 滝の脇を階段になっていて、 滝の上流まで続いている。 上の写真のもうひとつ上にある滝。 三本落ちているのだが、 木々が邪魔してクリアに見える場所が 無かった。 下の滝と合わせて3つとも見える 場所も無かった。 これは中段の滝のところにある名札。 丁寧に落差が書いてある。 チラっと一番上の滝も見えている。 根尾の滝の遊歩道にあった 草花たち。 **************** リンク 下呂市 |
2004/8/13 根尾の滝 岐阜県下呂市 落差63メートル 今回のメインイベントである根尾の滝の前にいい滝を見ることができた。こりゃあ、気分よく歩けるはずである。 唐谷滝の駐車スペースを出て、細い林道を20分ほどゆっくり走り、根尾の滝の遊歩道の駐車場に到着した。 さすがに夏休みである。すでに数台の自動車がとまっている。しかも、ボーイスカウトの子供たちが10人ほど休憩までしている。 まずい。彼らと一緒になってしまったら、滝の撮影どころではない。ただひたすら彼らが滝を見ての帰りだと願うばかりである。 手早く仕度をして、駐車場を出発したのは午後1時半頃であった。 駐車場から広い林道を少しだけ歩くと遊歩道の入り口が左側にあった。ここからは自動車の入れない遊歩道である。 駐車場。ちゃんとトイレもあった。 左手に遊歩道の入り口。赤い矢印までついている。 色々な人のホームページでとにかく根尾の滝は滝までアップダウンの激しい道であると聞いていた。まず、とにかく沢に向かって下るという知識もあった。 それにしても、下る。 谷底に向かってつづら折の道をひたすら下る。これ、転げ落ちたほうが速いだろうなぁ、痛いだろうけど、などと思う。15分ほど蝶などを撮影しつつ下りていくと、ついに沢にぶちあたった。 ただ、ただ下る道。 ようやく沢に到着。見えづらいが吊り橋がかかっている。 沢まで着いてしまえば、今までの滝の経験からすればあとは沢沿いにゆるやかに登るくらいのものである。 しかし、根尾は違った。 まず沢を吊り橋で渡る。そこからおおむね登りが始まる。アップダウンと聞いていたけど、ダウンだけだったねー、と話していたが、ここからアップが始まるというわけだ。 せっかく沢に出たと思ったらまた沢から離れ、木々の向こうに水音が聞こえるだけになる。 とにかく登る。 風景も見えない遊歩道をだらだら登って行く。 時々、根尾の滝まであと○○メートルという道しるべがあるのだが、あまり励みにはならない。 吊り橋から10分強登るとなにやら滝見台のようなものが見えて来た。遠望で根尾でも見えるのかしらん、と思ったら、「あまどり岩」とある。 対岸の山がざっくりと垂直に岩肌をみせていて、初夏には岩つばめが営巣するらしい。すごいんだかすごくないんだか、よく分からない風景だ。 滝も沢も見えないので、さっさとそこを後にした。 あまどり岩の展望台。 あまどり岩。ツタがからんでいて、所々赤かった。 あまどり岩から20分強でいよいよ沢に出た。いきなり山道がポン、と沢の前にほおり出される感じである。 あとは、大きな岩がゴロゴロしている河原を上流に向かって進む。やや進むと根尾の滝が遠くに見え、立派な名前を記した看板があった。その下に「増水時はここから先には行ってはいけない」と書いてある。幸い今日はどう考えても増水時ではなかった。 遊歩道から河原に下りた。岩を登ったりして滝前に行く。 滝前の少し開けた場所にある看板。 看板を過ぎるとハシゴがある。 さらにもう一つハシゴを登る。 2箇所金属製のハシゴがかかっていて、それを登り、もう一度河原に下りると根尾の滝の正面になる。ただし、正面と言っても滝つぼからはかなり遠いし、やや滝に向かって左がわから見るしか無い。 滝つぼに行くには、沢を渡る必要がある。が、沢の流れはけっこう速かった。ダンナがさっさと自分がジャンプして行ける場所をみつけて、対岸に渡ってしまった。こら、あんたがそっちに行ったら、滝前コーヒーは対岸ということになってしまうじゃないか。 だが、私は渡れない。私のどんくさい運動能力ではこの幅はジャンプできない。靴をぬいで濡れて行くつもりになったが、どうにも深いうえに、ぬるっとしていて滑りやすそうなのだ。水は綺麗なのだが、藻の類がだいぶ繁茂しているのである。 私が他に渡れそうな場所を探していると、ダンナが対岸で手ごろな石を探しては沢に投げ入れて、足場を作り始めた。 わずかに対岸との距離が縮まった。行けるかな。なんとか大丈夫かな。 とりあえず、カメラは先に手渡して、かなりの時間行きつ戻りつしつつ「きゃー、怖い、怖い、怖いよぅ」と叫びつつ、ついにジャンプした。なんとか足を濡らさずに渡れましたとさ。 あとは滝に向かって右側の岸を岩沿いに滝つぼに近づく。 近づけば近づくほど滝つぼ付近にかかっていた虹が鮮やかになった。 滝前に出ると、ちょうど一段下がっていて、胸の高さあたりが滝つぼの水面、という場所に出る。そこからみると水しぶきにかかる虹は二重に見えていた。 飛沫が粗い霧になってどんどんと降りかかって来る。すでに汗まみれになっていたので、とても気持ちよかった。 さんざん写真を撮影して、沢を渡った場所に戻ると後続の家族が到着していた。お父さんお母さんと小学生くらいの男の子2人である。さすがわ子供、親が無理だ無理だと言うなか、私たちの渡った場所をみつけてジャンプして来てしまった。それを見たらお父さんが渡らないわけにはいかない。子供よりかなりへっぴり腰でお父さんが渡る。あとはお母さんなのだが、まず「絶対無理」と本人が言っていたし、お父さんも「あんたは無理だ」と手助けもしないで滝つぼに行ってしまった。あらあら、お母さん可愛そう。 お母さんがポツンと取り残されて対岸にいる中、私たちはコーヒーの準備をして、コーヒーを飲みましたとさ。 なんとかお母さんを渡す手助けができないでもなかったが、そんな余計なことをして、お母さんを沢に落っことしてしまったらそれこそお話にならないではないか。自分でも思うことだが、本人がジャンプすると決断しない限り、ジャンプはできないのである。 滝つぼ付近で遊ぶ子供らをお母さんはじっと見ていた。 私たちもじっと見てコーヒーを飲んでいた。 わかるかなぁ。滝の一番下右端にに親子連れのお父さんが立っている。我々は渡った場所でコーヒーを飲み、写真の左端の川の対岸でお母さんは待っていた。 おニュウのアイテム。ソロテーブル『BAJA』組み立てて小さなテーブルになる。ゴロゴロした場所でも平らなスペースが作れる。スノーピーク製。 そうこうしているうちにさらにかなりお年を召したらしい男性がやってきて、我々が渡った場所とは別の所に木の枝の杖などを差し込んで、かえって水に流されそうになっている。見かねてダンナがここから渡るのだと教えてやると、おじいちゃんはしっかり渡って滝つぼへ行った。 仕度を終えて、まずダンナが戻るためにジャンプ。私も再び、「きゃー、ものすごく怖い、怖い」と連発しながら、行きよりは楽にジャンプ。見ていたお母さんに「すごいですー」と拍手してもらってしまった。 いや、たぶん、すごくないんですよ。お父さんが枝か何かで引っ張ってやるなりの手助けをしてあげれば、どんなにどんくさくても渡れる距離なんですよ。幸い水量は少ない日だったようだし。これは、お父さんがいけないな、などと話しながら滝前を離れた。 さすがに夏休みのいいお天気の日である。帰りには数組の見学者とすれ違った。それにしても、この長い遊歩道、みんな軽装で来ている。 リュックしょって、トレッキングシューズ履いて、なんて重装備は我々と滝前ですれ違ったおじいちゃんくらいである。キツイと思うんだけどなぁ、スニーカーでは。 さて、吊り橋まではいいとして、長い長いつづら折の谷底に下りる道、帰りはひたすら登ることになる。下りながらかなり心配していたのだが、思ったより苦痛ではなかった。どちらかと言えば、砂利を敷いたように落石がうっすら積もっている下りのほうが怖かった。 植物などを撮影しつつ戻ったので、帰りもきっちり1時間かかった。 駐車場について思い出した。あのボーイスカウトの子供たちはどうやら滝を見終わった後らしかった。それでも、夕方近いのに駐車場には数台の自動車が。根尾の滝、大繁盛である。 まだ日も高かったので、宿に戻る前に巌立峡に寄ることにした。ここにも滝があるのは調べ済みである。 お土産もの屋もある広い駐車場から250メートルでその滝に着く。が、その前に巌立を。駐車場から丸々と見える。小坂川の対岸にある山をスパッと垂直に切ったような岩盤である。あれ、『あまどり岩』と同じだ。 形としては『あまどり岩』のほうがカッコいいんじゃないか? 巌立。柱状節理の岩盤がむき出しになっている。 そんなことを言いつつ、「滝の遊歩道」へ進んだ。この遊歩道はほとんど全て鉄製の橋とハシゴがつないでいて、まったく苦労なく滝に行くことができる。 滝前の橋で対岸に渡り、滝の横を階段で登る形になる。三段の滝を下から登って行く。 三つ滝というのは三段だから三つ滝かと思っていたが、一番上の滝が三条になって落ちていた。これで三つ滝なのか?パンフレットなどを後で見てみたら、一番上だけの写真のものもいくつかあった。 滝の脇を階段で登ってさらに上流に進み、吊り橋を渡ってさらに歩いて『唐谷滝』や『あかがねとよ』まで行くコースもあるらしいがそれはパスした。 駐車場に戻ると5時半前である。まだ少し早いが宿に行くことにした。なんと言っても汗まみれだ。おなかも空いた。 温泉で疲れた筋肉をほぐそう。宿が近くてよかった、よかった。(宿についてのレポートはここへ) 2004年夏の滝めぐりその3へつづく |
交通 根尾の滝 主な幹線道路は国道41号線である。しかし、ここから県道に入る際に根尾の滝という表示はないので、注意したほうがいい。国道41号から何を目当てに進めばいいか。とりあえず、濁河温泉が妥当だ。 国道41号線から県道437号に入り、少し進むと右側に道の駅奥飛騨小坂「はなもも」がある。これを通り越して、小坂の集落に入り、そのまま鈴蘭高原や濁河温泉にむけてまっすぐ走って(途中で鈴蘭高原とは道が分かれるが)「ひめしゃがの湯」まで行くのが一番わかりやすい道だと思う。 別の道で、小坂の集落の落合という場所で右に行くと「湯屋温泉」という場所が出てくるが、ここで右に進んで、小坂川を渡ってすぐに左折して川沿いに上流に進む道もある。ただし、大きな道が今工事中で、細い集落内の道に案内されて戸惑うことになる。この細い道は「一の鳥居公園」に突き当たる。工事が完成したら、大きな道をまっすぐ進めば「巌立峡」に行けるようになると思う。 「ひめしゃがの湯」から行った場合は、すぐ前にある橋で小坂川を渡ると、左手に「一の鳥居公園」があるので、これの向こう側の道を坂を登りつつ左折して、「巌立峡」に向かう道に合流しよう。 「巌立峡」までは舗装されている道だが、「巌立峡」から先は未舗装ですれ違い困難な林道になるので注意して欲しい。 途中、『唐谷滝』や『あかがねとよ』の入り口などを通り過ぎ、傍らに立っている案内を見ながら進むと、かなり立派な駐車場に出る。そこが根尾の滝の遊歩道の駐車場である。 滝は遊歩道からまず15分ほど下り、それから45分ほど登る。滝前までは軍手は必要ないが、滝前で岩によじ登ったり、ハシゴを登ったりするので、軍手はあるといいだろう。また、滝つぼまで行くには沢を一度渡る必要があるので、防水の靴、もしくは濡れてもいい覚悟が必要である。 三つ滝 「がんだて公園」の中にある。上記の「巌立峡」の公園で、林道より下にすぐに見える立派な駐車場がある。お土産屋、トイレなどもある。鉄製の橋で構成された遊歩道なので、がんばればハイヒールでも大丈夫である。 |
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