![]() 雲上の滝 滝の本などを見ると、 滝つぼ゛付近まで行けて 飛沫を浴びることができるらしい。 我々は手前で撤退。 それにしても、綺麗な分岐瀑だ。 茶釜の滝が隠された魅力だとすれば、 雲上の滝はあけっぴろげな魅力満開である。 ![]() 見た角度が1つだけだったので、 クローズアップの写真しかない。 これは落ち口。 ![]() きゅっと狭まった部分。 この部分があるからこそ、 形のよい滝に見える。 ![]() 大きさ比較にはならないが、 かなりの距離からでも滝が はっきりと見てとれるのがわかるだろう。 ![]() 虎の尾滝 朝逆光なのでマトモな写真が撮れずに 帰りにまわした虎の尾滝。 帰りも意外にコントラストがきつくて マトモな写真がない。 虎の尾なんですってば。 ![]() モッコ滝 水の音がとにかくすごかったので、 絶対見落としてはならなと思った。 ちょっと小さく見えてしまうが、 10メートルほどの落差はあると思う。 ![]() 集められた水の勢いが強いためか、 滝つぼが広い。 ちょうど滝つぼの縁にあたる部分が 浅くなっていてまん前まで行けるが、 ここがめちゃくちゃ滑った。 ダンナの前に立っているのが流木で、 これは巻き道からも見えていた。 ![]() 勢いよくハネ出す二段目の水。 ![]() 広い滝つぼ。 でも、水はそんなに綺麗じゃない。 ![]() オオバミゾホウズキらしい。 ![]() これは、因縁の小滝の上で撮影。 この後キャーキャーわめくことになろうとは。 シロバナのハナニガナと手前はハナニガナ。 ![]() ソバナのてっぺんにトンボ。 茶釜の滝から駐車スペースまでの時間は以下の通り。
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2006/8/14 雲上の滝(落差60M) 秋田県鹿角市 茶釜の滝を見たという満足と、滝前カップラーメンの満腹とでいくぶん元気の出た我々は、これだけは見落としてはならない雲上の滝へ向かった。 昼食をとった茶釜の滝の下流の滝から雲上の滝への分岐までは5分とかからない。 ここから先は枝道だから、整備はされているのかどうか少し不安だった。 が、立派にロープもハーケンも用意されていた。 だが、茶釜に向かう沢よりもこちらのほうがかなり荒れている。流木が多い。こんなのどうやって流れて来たんだという感じの大木も横たわっている。 これがまた、皮がはがれて、つるつるの中身が出ていて、ちょっと間違うと見事にすべるのだ。 ![]() ![]() 流木だらけの荒れた沢。ロープを頼りに小滝を登る。 ![]() ついでに言えば、こっちの沢のほうが小滝の規模が大きい。小滝で片付けるには大きすぎやしないか、という滝がある。その脇を登って行く必要があるのだが、ここでもロープやハーケンが適切についているのでそれほど苦労はしない。 ![]() ![]() 支流に入って10分ほどで遠くに大きな滝が見えてきた。 雲上の滝だ。 大きい。 しかも開けた場所に綺麗に広がって落ちているので、よく目立つ。 これってば、もしかしたら茶釜の滝よりずっと見た目は綺麗じゃないかしらん。インパクトも強いし。 ところが、なかなかそばに近寄らせてくれない。 大きな岩の沢のなで、上手くたどれば滝の直下まで行けそうなものなのだが、流木がひどいのだ。 直下まで行きたいのはやまやまだが、それは諦めて、遠くから滝の全体を見るだけにした。 帰りの時間もあるので、そこそこにUターンする。 さて、いよいよ下りである。 色々なレポートで何度となく書いているが、私は下りが苦手である。登り以上に慎重にのたのたと進む。 ![]() こんな場所絶対に登っていないぞ、と心の中で叫びながら、いや、口に出しながら、ひいひい言いながらロープにしがみついて小滝を下って行った。が、ただ一箇所本気で悲鳴を上げた場所があった。 登るときは全く気にもとめずにスイスイ登ったはずの小滝である。下る時点になって、どうにも足場がみつからない。よし、ここだと思って足を出した場所がずるっとすべって、本当に手だけでロープにぶら下がるハメになった。 キャー。 ダンナが慌てて戻って来たが、ここでダンナに近寄られても事態が変化するわけではない。 「ダメ、ダメ、もう無理」と言いつつ、さらに足をジタバタさせて、なんとか足場を捕まえた。まだ滑るが、落ちてたまるか、という一念である。自分が濡れるのはこうなったら仕方ないが、カメラが濡れるのは絶対に困る。 ダンナが見守るなか、半泣きになってなんとか小滝の下まで下った。もう絶対に沢なんか来ないぞ。 恐らくその時にできたのだと思う。右の二の腕の内側にでっかい青アザがあるのをその日のシャワーで発見した。まるで暴力亭主につかまれてひきずりまわされたようなアザである。(おいおい) 半そでではモロに外に出る場所で、職場の人に突っ込まれるかと思ったが、だれも怖くて真相を聞けなかったらしい(こらこら) 無事に10日ほどで消えましたとさ。 ![]() その後はそれほど危険な場所もなく、午後の日差しに雪渓が崩れることもなく、むしろ気持ちよく水の中を歩いたりした。 ![]() ![]() 午前中に逆光だった虎の尾滝の虎の尻尾のような形を撮影し、順調に夫婦滝まで通過。 そして、巻き道らしい踏み跡のまま川から離れようとして、ものすごく後ろが気になった。 「あなたー、絶対に滝がある」 と上流を示す。上流はじゃぶじゃぶ歩くには快適そうな浅い川で、少しだけ遡上すれば大きな滝に出そうだった。 少しだけのわりに、けっこう上流に進んで、音だけゴウゴウと響いていた滝前に出ることができた。 モッコ滝だ。 川がきゅっと狭まって、水量が集中する形で落ちているだけに実に豪快である。 巻き道からずっと流木がズコンと1本落ちているのが見てとれていたが、その流木の意外にそばに滝は落ちていた。踏み跡からは、流木がひっかかった落ち口しか見えなかった滝がこれである。 わざわざ少し戻る形になったが、滝前まで来てよかった。忘れ物をしないで済んだ、といった感じである。 これでもう見落としはないな(いや、しっかりハネ滝を見落としているんだけど)と安心して帰り道を急いだ。 10分ほどで最後の大難関に辿り着いた。泊滝落ち口の渡渉である。行きも怖かったけど、帰りももちろん怖い。 ![]() ダンナが渡りきるまで何事もありませんようにとずっと神様に祈っていた。ダンナさえ渡りきってくれれば、私が落ちた場合でもだれかに連絡つけて後片付けしてくれるだろう。 祈りが通じてダンナがちゃんと渡り、私の番になった。 ハシゴは下りられたが、行きにどうやって渡ったか、さっぱり忘れてしまっていた。と、とにかくロープだ。こいつさえ放さなければ、足が滑ったってなんとかなる。ぐっとつかんで、せえのっ、でジャンプした。 怖い怖いと書いているが、実は我々が行った日の水量はかなり少ないほうである。本当であれば、一発ジャンプでは済まない場合だってありそうだ。草ぼうぼうで蒸し暑くて、アブがぶんぶんの真夏ではあるが、水に濡れるのがイヤな人間には実は最適な季節なのかもしれなかった。 これでほとんどの行程は終了した気分だ。 あとは、泊滝の滝前まで行きかけて、そちらに向かうロープに手をかけたが、やめておいた。滝前まで行くのと巻き道から見るのとではそれほど景観が違うわけではなさそうだったからだ。 ![]() 15分ほどで駐車スペースに到着。 いやはや、お疲れ様でした。 ![]() 汗で上半身、渡渉で下半身びっしょりである。 幸いこんな林道には誰も来ないだろうから、さっさと着替えてしまった。 アブがたくさんいたので、着替えも迅速である。 ちょうどキベリタテハが看板のあたりで遊んでいたので、ダンナはそれを撮影するのに夢中だし。 それにしても、渡渉は、ジーンズでは困難だといことがわかった。 水を含むと、ジーンズはものすごく重くなる。で、歩いたことで多少ウェストが細くなって、重くなってしまうものだからずるずる落ちる。私もダンナもまるで松の廊下の袴みたいにひきずりながら歩くハメになってしまった。危険なことこの上ない。 やはり、茶釜の滝チャレンジは沢登りであるのだと諦めて、それなりの装備でもって行かなければならないのだと痛感した。 時刻は3時を回っていた。 予定では2時くらいには戻って来ているはずだったが、やはり慣れない沢歩き、時間がかかってしまった。 あとは新潟に帰るだけである。 東北自動車道は行きの大渋滞でうんざりしてしまったので、主に下道を通って、日帰り温泉に浸かって深夜に戻るつもりだった。 が、百名水なんかを汲もうと思ったあたりから計画がズレだして、結局日帰り温泉の時間に間に合わずに汗くさいまま帰宅。午前2時だった。(名水百選「力水」のレポはこちら) いやはや、本当にご苦労様でした。 |
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2006年夏の滝めぐりを振り返って 限られた時間の中でとにかく百選の滝を1つは押さえたいと思っていた。だが、できれば東北で見残している『難所』の滝をどちらも見てしまいたい。そんなわけで計画としては2つの滝に絞ったピンポイントにした。 東北といえば名だたる滝がそこいらじゅうにあるのだが、いかに途中にあってもそれは見ないで通り過ぎた。 結果的にどちらの滝も見ることができて、今回の滝めぐりは満点と言える。欲張ったのか、欲張らなかったのかは、よく分からないところではあるが。 真夏の松見の滝、茶釜の滝を歩いての留意点を以下に並べてみる。 ○水は多く持って行こう。[沢の水は飲めない。あまり綺麗ではない。汗は大量にかくので、スポーツ飲料がよいだろう] ○虫除けは必ず用意しよう。[アブも羽虫もものすごい。虫刺されの薬もあるとよい] ○軍手は必携。[茶釜の滝は当然として、松見の滝も最後はほとんどヤブ漕ぎである] ○茶釜の滝は、沢登りだと思うべし。[装備も沢用の装備であれば、疲労も時間も少なくてすむはず] ○どちらの滝も事前の入念なルート調査が必要である。迷ったら遭難しかねない。 こんなもんです。 とにかく、どちらも行程が長いので水分とエネルギーの補給には気を使ったほうがいいだろう。 また、軽い気持ちでチャレンジしないほうがいいということだけは確かである。連絡のとれる携帯電話は必ず持って行くべし。 運動オンチでいいかげん中年の域に達している私が松見の滝や茶釜の滝に行けたのは、今年に入っていくつかの山を登り、それなりに体力をつけていたからである。また、今までの滝めぐりの経験もかなり役にたっている。茶釜の滝への遡行は、新潟の滝の割引沢の滝たちを思いおこさせたり、道なき小沢を遡行した柏崎の屏風滝を連想させられたりした。行き詰まった時にどうすればいいのか、我々にはそれなりの経験があったというわけだ。 つまり、本当に初心者であったり、本当にただ単に興味があっただけだったりする人は近づかないほうがいい場所とも言えるだろう。 素晴らしい滝であり、ぜひ見て欲しい滝でもあるのだが、事故の危険を考えると万人にお勧めできる滝ではないということだ。 ああ、それにしても、東北の百選の滝、全部見たよ〜。感無量である。百選の滝以外にも素晴らしい滝があるのは知っているが、とりあえずポイントはおさえたという気分だ。 次は、中部の滝を終わらせることを狙っています。 |
2006年夏の滝めぐり その@松見の滝へ
2006年夏の滝めぐり そのA泊滝へ
2006年夏の滝めぐり そのB茶釜の滝へ
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