その@松見の滝へ2006年夏の滝めぐり  そのAそのB茶釜の滝へ
泊滝






泊滝
夜明島渓谷に入って
一番最初に見える滝なので、
とにかく印象がいい。
ストーンと落ちる直瀑。
ただ、この滝は別の意味で
印象に残る滝でもある。


滝の写真が少ないので、
巻き道の写真もこちらの欄に。
左下に見えるのが泊滝。
ぐるーっと巻いて登る。



途中にソバナが咲いていて、
ずっと滝を見ていた。



巻き道の途中から見える
泊滝の丈夫。
赤丸の部分を下で拡大。




赤い↓の先にロープがあるのが
分かるだろうか。
つまり、あの部分を渡るんです。
きゃー。
2006/8/13 泊滝(落差40M)  秋田県鹿角市
         

秋田県大湯温泉に宿泊し、肌に沁み込むいいお湯で前日の松見の滝のだらだらと長い林道歩きの疲れを癒した我々。午前7時過ぎに宿を出発し、1区間だけ高速道路を利用。(この区間にガソリンが給油できるサービスエリアがあるのだ) 鹿角八幡平ICでおりて、国道282号線を南下。迷わないためにできるだけわかりやすいだろうルートを選び、夜明島林道へ。
(今回の茶釜の滝訪問に関しては「あじゅのカリスマ研究所」のレポートを全面的に参考にしています。あじゅさんに御礼申し上げます。)
この林道はめちゃくちゃ長いと事前に調べてあったので、長いこと未舗装の道に揺られても心配はなかった。
まだまだ乗るんだろうなぁと思っていたら、いきなりよく「茶釜の滝」を紹介するページに登場している夜明島渓谷の案内看板が出現した。思ったより近かった。とはいえ、30分ほど林道を走っている。
案内看板のそばには、先客の自動車が1台とまっていた。
事前の下調べによると、この冬の豪雪の影響で、夜明島渓谷にはまだ残雪が多く、入渓は8月下旬まで見合わせて欲しいとのこと。
我々は行ける範囲で行こうと決めてここまで来たが、先客の千葉ナンバーの自動車の人はどこまで行ったんだろうか。
  
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自動車を止めると、いきなり外が騒がしくなった。
げ、この凶悪な小さな生き物は、メ、メジロアブ!?自動車の熱に引き寄せられて、どんどん集まって来る。おいおいおいおい、このあたりにメジロアブがいるなんて、聞いてないよ。
メジロアブに混ざって3倍もデカいウシアブもわんわん集まって来た。これでは自動車のドアを開けられない。仕方がないので、自動車のエンジンが冷えるまで中で仕度をすることにした。と言っても夏なので、そうそう冷えない。いいかげんな所でドアを開けざるをえなかった。
ぶんぶん飛び回るアブにキャーキャーいいながら仕度をする。
自動車の中に2,3匹入ったかもしれないが、そのままドアを閉めた。
歩きはじめるとアブたちはいなくなった。羽虫は多かったけど。たっぷりと虫除けクリームを肌やら帽子やら衣服に塗りこんだが、どれほど威力があることやら。
まず、用水を飛び越えて、踏み跡を進む。すぐに夜明島川に出た。最初川を左に見ながら歩くのだが、5分もしないうちに渡渉する場所に出た。目印が対岸にあるので、渡渉しなくてはならないと分かる。
  
駐車場を出発。8時40分。

    
  
夏場なので、草がとにかくすごい。何度も渡渉を繰り返すが、必ず対岸に目印のリボンや赤いペイントがあるので大丈夫。
渡渉か。さっそく靴を履き替えなくちゃ。
「茶釜の滝」に至るまでは何度も渡渉しなくてはならないことは調査済みだ。
が、我々は実は沢登りはしたことがないし、これからもする予定もない。ということで、沢靴など買う余裕はなかった。では、足回りをどうすればよいか。さんざんネットで検索し、簡単でかつ滑らないのは、靴底が生ゴムの地下足袋だという結論に達した。
だが、地下足袋だってなれていない。先っぽが割れているし、足首はこはぜといとう金具で留める形になるし、素人さんにはかえって邪魔くさい代物である。が、そういうものを売っているコーナーにスニーカー仕様の地下足袋も売っていた。しかもリーズナブルで千円未満。喜んで購入。これなら軽いので水の場所では地下足袋、水のない場所ではトレッキングシューズと履き替えるのも楽だろう。
そんなわけで、さっそく地下足袋に履き替えた。
が、これから先トレッキングシューズに履き替えることはなかった。なにせ、次から次へと渡渉箇所が出てくるのである。ほとんどもう水の中を歩きっぱなしと言っても過言ではない。
あとで後悔した。トレッキングシューズはただの無駄なお荷物にしかならなかった。
さて、地下足袋(正式には地下足袋じゃないんですが)の仕様加減はといえば、中の下くらいだろうか。絶対滑らないという安心感は全く無いのである。
かといって、登山靴等で水に入った場合よりは足の裏の感覚が素足に近いので、いきなり滑ってしまうという危険性は回避できる。ついでに言えば、軽い。水の抜けも意外にいい。
むしろ水の中よりも水際の丸く磨かれた石に不用意に乗るとつるっと滑るようなシーンが多かった。
10分ほど歩くと前方に綺麗な直瀑が見えてきた。
泊滝である。
なんだ、案外近くにあるんじゃないの。
これまで渡渉意外にとりたてて困難がなかったので、実に気分よく泊滝を見ることができた。
だが、これから先が長いので、わざわざ滝の前までは下りて行かずに、滝を巻く道へと進む。
落差40メートルの滝の高さをそのまま登るのでけっこう急な巻き道である。トラロープが設置されていて、手助けしてくれる。
途中で泊滝を見下ろせる箇所があるのだが、そこからイヤ〜なものも目に入った。
これからの行程での最初の難関である。
泊滝の落ち口のすぐ上流をロープを頼りに渡らなければならない。そのロープが40メートルの滝の上に実に心細く見えていた。あれ、渡るのか。冗談だろう。
その場に行けば冗談ですと誰かが言ってくれるわけもなく、我々は泊滝の落ち口まで来た。
どひゃ〜。対岸にこれまた心細いハシゴが見える。つまり、なんだな、あれと同じだけハシゴで川まで下って行って、ロープを頼りに川を渡り、あのハシゴをまた登るだな。
だれが、つり橋かけろ。
  
泊滝、8時54分。泊滝落ち口、9時2分。

  
途中でなくなっているように見えるハシゴだが、しっかり下まであるので心配しないで。
とにかく、我々は第一の難関にとりかかった。
まずダンナである。
ハシゴったって、こちら側のハシゴはとりかかり部分しか見えない。ダンナの頭がどんどん見えなくなる。と、途中で止まった。ぎえー、リュックにくくりつけている三脚がロープにひっかかってるじゃないの。ハシゴの途中で三脚をロープからはずすダンナを身を乗り出してみてヒヤヒヤする。とりあえずハシゴをおりて、ロープにつかまり、ほぼ一ジャンプで対岸に出た。
あ、ジャンプできるくらいの距離なんだ。
    
  
ダンナ、見ているほうがコワイです。右は滝の落ち口。はるか下方に地面が見える。
さて、私の番だ。
私は手が使える場所ならたいてい大丈夫なのでハシゴはとりたてて怖くない。だが、この滝上の渡渉はどーも怖い。
ちょっと間違ったら40メートル下に落下じゃないのよ。これは、運動オンチの身には、ある意味自殺行為に等しい。
で、また、ロープの高さが中途半端なのだ。ちょうど肩の辺りにロープがある。どう持ったら安全なんだかさっぱりわからない。
仕方がないので片方をわきの下に無理やり入れて、片方はがっちりつかんで、でいやっ、とばかりにジャンプした。まあ、一跨ぎの距離でしかないんだけれど、かなりの恐怖でした。
あとで振り返ってよくよく見てみると、ロープは2つあって、かなり高い位置に滑車がついているロープがある。あの滑車からたれているロープを体に巻きつけて行けばとりあえずまかり間違っても滝下に落下することだけは免れるんじゃなかろうか。とはいえ、その滑車を利用する気にもなれないのだが。
なんとか滝上を渡りきり、お世辞にも丈夫とは言いがたいハシゴを登って踏み跡に復帰。そこから先も崖にへばりついたような道をロープを手がかりに進み、次なる難関を目指すのである。
    
  
無事渡り終える。その後もロープをつかみながら前進。
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交通
最寄ICは、東北自動車道鹿角・八幡平IC。われわれは初めてなので、わかりやすいだろう道を選んだ。国道282号を八幡平方面に南下。長瀬の交差点のT字で国道341号方面に右折し、すぐに県道22号に右折。しばらく走って県道191号に左折。長牛地区の道へと右折。夜明島川の小さな橋を渡って桃枝の集落で夜明島林道に入った。
桃枝の集落から左に夜明島川を見ながら林道を進むと、右欄の上のほうにある林道起点の橋に出る。
そこから約30分で夜明島渓谷の案内看板のある駐車スペースに出る。

林道はわかりやすいが、何箇所か分岐した道があり、1箇所だけ迷いかけた。下の写真が迷いかけた場所。
おおむね、川のそばから離れないように進めば大丈夫で、分岐になったらカーブミラーの目に付く道を進めばよい。

林道起点の橋。
  

我々が迷いかけた場所。
右の杉林の向こうに川が流れている。分岐の股の部分に鳥居があるので、鳥居の正面に回るように、坂を登らないように進めばよい。
途中ほかにも分岐はあるが、川に沿って進めば間違いない。
駐車スペースから2度ほど渡渉をして徒歩15分で泊滝である。


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