龍王の滝
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龍王の滝
これは滝見台の前の階段をさらに登った
所で撮影した。
滝つぼがよく見える。
雨がちだったせいでとにかく
あたりは薄暗かった。
そのせいで滝自身も幽玄に見える。



これは正面から撮影。
滝つぼに倒木がかかっている。
よく見たら他の写真集とは違う倒木の
ような気がする。
毎年滝つぼの上に木が倒れるのか、
それともアクセントでわざわざ
倒すのか?(まさかねぇ)




大きさ比較。
右端に青いジャンバーのダンナが立っている。
倒木の根元にいます。




この滝は意外と色々な角度から
楽しむことができる。
これは倒木の根元がわにある
人工の石組みの上から撮影。
滝つぼはそんなに深くはなさそうだった。


2004/5/2 龍王の滝(25m 高知県大豊町
  始まりは1年前
実は今回の四国行きは昨年から決まっていた。毎年1回は集まって旅行に出かける仲間と昨年のゴールデンウィークに次は四国と申し合わせていたのだ。この仲間と行く時は宿泊する場所は仲間に決めてもらう。なにせ我々が利用する宿は究極の安宿ばかりで普通の女性に満足できるものではない。そんなこんなで今回の四国2泊3日は、一泊目はかずら橋の近くにある祖谷渓温泉、二泊目は徳島駅のシティホテルに決定した。
そこから組み立てて見ることができる百選の滝はどこだろう。色々と前もって検討してみてはいた。いくらなんでも友人と泊まる場所だけ一緒というはマズイだろう、少しは観光もしなくちゃならないだろうと考えると四国の百選の滝を全て回るのは到底無理な話である。宿泊地が徳島なので、四国でも東よりの滝になる。しかし、近そうに見えて山一つ隔てていたり楽そうに見えてかなり歩く滝だったりとプランをたてるのはなかなか難しかった。それでもある程度数をこなせるプランをたてて、いざ四国に向かった。
  とても長い道のり
まずは前日5月1日の仕事終了後に出発してできるだけ四国に近づく。その日のうちに到着できるのは彦根あたりだろうということで前もって駅近くのビジネスホテルに予約していた。11時過ぎに到着。早々に就寝。翌日7時には高速道路に乗っていた。
が、その直後からすでに渋滞が始まっていた。こんなに朝早いのに何故と思うくらいに自動車の数が多い。なんとか京都までは止まらずに走れたが、大山崎のジャンクションに来たあたりで渋滞25キロの只中に突っ込んでしまった。あとはもう、各ジャンクションごとに25キロの渋滞だったと思ってください。大阪を通る時は多少渋滞するだろうなぁとは予想していたが、予想を上回ってあまりある渋滞だった。どこに行くのだ、関西人。
その行く先の大きい部分を占めるのが四国だと、四国の入り口で知ることになった。
我々は四国なんてただの田舎だと思っていたのだが(すいません、四国の人)関西の手軽なリゾート地であるとはあとで兵庫在住の友人に聞いた話である。大阪から最も近い四国の入り口明石海峡大橋は頭痛がするくらいの渋滞で、この橋を渡らない限り四国入りできないので一般道へ回避することさえできない。やっと淡路島入りしたのは11時前、淡路島を30分以上かけて進み四国入りしたのは11時半だった。
  
流れているみたいだけど快適に走れたのはほんの少しだけ。
所が難行苦行はここまでではなかった。なんと四国の高速道路は対面通行だったのだ。心底びっくりした。そんなもんが残っているのは長野道と磐越道くらいだと思っていた。それだけならいい。それを利用する人がマズイ。まず四国の人たちはたぶん高速道路なんてふだん利用しないのだろう(すいません、四国の人)ものすごく制限速度に忠実に走る。(ちなみに対面は70キロ規制です)次に本州の人は対面通行慣れしていない。おっかなびっくり走る。カーブでもトンネルでも恐ろしくスピードが鈍る。おかげでどこまで行ってもわけのわからない渋滞が生じていた。完全に高速道路は低速道路化していた。
この段階で我々は予定のうちの一番時間のかかる「雨乞いの滝」をあきらめる選択をせざるを得なかった。我々だけなら強行にそちらに向かい、深夜だろうが何だろうが適当に宿に入ればいい。しかし、今回は友人たちと宿で合流、楽しくお食事したいではないか。
四国の道路の状態が全てこの有様だとしたら、今回の滝めぐりは一から予定を組み立てなおさなくてはならない。とにかく、今日は宿にまともな時間に着かなければならないので、その前に寄れる滝といえば、どの滝だ?宿から一番近い龍王の滝に決定した。
  日本一の杉だって?
いやはや、長い前ふりだった。
すっかりへとへとになって高知自動車道大豊ICを降りた。とりあえず情報を仕入れるために道の駅「大杉」に寄ることにした。
ここには「日本一の杉」があるとうたっている。ちょっと待て、日本一は新潟にある「将軍杉」でしょう。ものすごく対抗意識が湧いてしまって、つい見にいってしまった。
将軍杉とこちらの「杉の大杉」の対決、我々の中では、「杉の大杉」に軍配が上がってしまった。どの部分が日本一なのかはさておき、大きさといい、枝の広がりといい、真ん中の幹が生きていることといい、同じ規模の杉が二本しっかり並んでいることといい、こっちが勝ちでしょう。
  
樹齢3000年ともいわれる。手前の南の杉は20メートルもの根周りがある。

  
見上げると空いっぱい杉の枝。
  いよいよ四国の百選の滝へ
いらん所で時間を使ったが、とりあえず龍王の滝へ向かって走り出した。ちなみに、一般道はものすごく快適だった。
国道32号線を右に吉野川の美しい流れを見ながら進み、豊中駅の手前で国道439号に入る。この439号に入って我々は四国のケタの多い国道のとんでもなさを垣間見ることになる。いきなり民家の私道くらい細くなってしまうのだ。
ものすごく心配になるが、とりあえず目指すべき梶ケ森への表示はきちんと出ているので間違ってはいない。国道439号から梶ケ森への道に入るとさらにすさまじくなる。完全に林道である。私たちの感覚ではこの道の先は峠を越えて別の平場に出ないかぎり集落など存在しないくらいの林道だ。が、四国ってそういう土地なのかと今回の旅で痛感することになるのだが、ものすごく細い林道の途中にいきなり集落が出現するのだ。道は林道から民家の私道に変貌する。山の途中、ほとんど道もない場所に住む人たちはどんな暮らしをしているのか。まるで天空民族じゃないか、と思ってしまった。
そこからまた林道になって、細い道を慎重に走り、いきなり広い駐車場に出た。
滝しか知識が無い我々は知らなかったのだが、この駐車場にある看板によると梶ケ森には歴史的な建物やキャンプ場などがあって、色々楽しめる場所らしい。しかし、たどり着くにこんなに苦労する場所ではそうそう人も来ないだろう。と、思う。
駐車場はかなり広く、30台くらいはとめられると思う。
滝へは一番最初に目に付く木組みの展望台の下、奥から伸びている遊歩道から行ける。10分も歩かずに滝に到着すが、後半やや急な自然の岩を利用した階段状の坂になるので、できれば軍手を用意したほうが安心だろう。
龍王の滝に出るまでにも沢の脇を通り下流の滝がいくつもあるのが音でわかるのだが、生い茂る木々のためよく見えない。がんばって道のない所を下におりる余裕もなかった。
龍王の滝は薄暗い森の中をスッと潔く落ちていく滝である。水量も多くなにやら幽玄な感じもする。
どの写真集にも必ず滝つぼの上に倒木があったのだが、私たちが行った時にもまだこの倒木はあった。いったいいつからあるのやら。倒木の上は磨り減っていたので、もしかしたら悪童どもが上に乗って遊んでいるのかもしれない。
なんとかもっていた雨が少しずつ降りだしてきてしまった。
名残惜しいが退散だ。
帰り道、山の上の集落の守り神かもしれない乳銀杏に挨拶してから、また慎重に林道を下った。
  
八畝の乳銀杏。樹齢500年。たくさん乳胴が垂れ下がっている。
この時点ですでに16時半になっている。集合の祖谷渓温泉にはどのくらいかかるのやら。かずら橋から帰る長い渋滞の列を見ながら道の駅に隣接している宿に着いたのは17時過ぎ。ようやく友人たちと1年ぶりの再会ができた。
この日に宿泊した宿やかずら橋のレポートはここへ
交通
本文にも書いたが、とにかく道は細いので注意が必要である。我々は夕方近くに行ったために、帰りの自動車とすれ違うことが多かった。すれ違いポイントも無いためにかなり苦労した。
龍王の滝を目指すには、滝そのものではなく、『梶ケ森』を目指すとよい。
国道からの交通案内もすべて梶ケ森になっている。
高知自動車道大豊ICから国道32号に出る。国道32号を祖谷渓、かずら橋方面に向かって左折。ここからけっこう国道を走る。やがて国道439号の分岐になる。曲がってすぐに踏み切りなので注意。踏み切りを渡ると川沿いを走る。トンネルをくぐり終えると道はごくごく細くなるので注意。
しばらく走ると右折すると「梶ケ森」という案内があるので右折。あとはもう林道だと思ったほうがいい。
いきなり八畝の集落に出る。
八畝の乳銀杏でカーブして、さらに山奥へ。分岐分岐にちゃんと「梶ケ森」への矢印が出ているので安心である。
途中左側に喫茶店が出てきたらあと一息である。絶対に見落とさない大きな駐車場が出て来る。
滝へはここから徒歩で10分弱。
ちなみに駐車場にある木組みの展望台からは木々の茂る時期には何も見えない。
リンク 高知県大豊町


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