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   三滝、八坂大滝  



大禅
とにかく薄いブルーが美しい。
これぞ氷瀑という感じだ。


滝に向かって右側にある
滝見台から見上げてみた。



松かさに接近。


さらに接近。


こちらは、滝に向かって左側の
石像などがあるあたりから撮影。



どうしてこんな凍り方をするのだろう。
触っても冷たくないんじゃないかと
思えるほどの凍り方だ。



小禅
大禅よりも雪の積もり方が多く、
氷の露出部分が少なかった。
どうしても大禅と比較されて
かわいそうな滝である。





八坂大滝
でろでろでろ〜。
ついに登場、クラゲ入道である。



近寄ると凍っているというよりは、
溶けているといった感じに見える。
これで青かったりすれば綺麗だが、
薄汚れた白である。

2006/2/4 三滝  長野県北相木村  (落差30m)
           八坂大滝  長野県大町市  (落差50m)

1月も後半にに入って、期待したほどの冷え込みが無いまま2月になってしまった。2月最初の土日、この前日に新潟でも道路がツルツルに凍結するほどの大寒気がやってきて、願ったり叶ったりの氷瀑日和になるはずだった。
が、寒気団、少し来るのが遅かった。2月に入ってすぐさま零下が続くくらいの元気がなければ、何年も期待している茨城県の袋田の滝の完全凍結はない。1月の前半に見事に凍りついたらしいのに、ここしばらくは3割くらいの結氷でしかないのだ。
いくら前日がとんでもなく寒くなっても、いきなり完全に凍るのは無理だろう。
さまざまな条件を考え合わせて、結局この日は長野県に行くことにした。長野であれば、寒気が続かなくてもある程度の氷瀑は期待できるはずである。
当日は午前6時に家を出た。
目的地は北相木村。松かさ状に凍ることで有名な三滝の大禅がターゲットだ。この滝には2003年に行ったことがある。その時は午前5時前に出発して午前8時半に到着できたので、そんなに早く出なくてもいいだろう、ということになったのである。
しかし、結果、三滝の駐車場に着いたのは午前11時。いったい何があったのか。
まず、高速道路に乗る段階で障害が発生していた。北陸道が柿崎から朝日まで吹雪のため通行止めになっていたのだ。なにお〜、この新潟で吹雪で高速道路が通れないだと〜?
我々の住んでいるあたりは、青空が広がっていて吹雪であることは想像できない。
北陸道から長野道に入ってそれから上信越道で北相木村に行くことにしていた我々はいきなり方向転換を迫られた。
ま、関越道から上信越道に入る手もあるので、困りはしなかったが。
困りはしなかったのだが、問題は関越道の雪である。
大寒気団は、上越の国境にどかっと雪を落としていた。さすがに普段から雪が降るのはあたりまえの関越道は通行止めにこそなっていないが、いたる所に除雪軍団がノロノロと作業をしていた。その作業車がいない場所は路肩を雪が埋め尽くし、2車線なんだか1車線なんだかわからない状態になっている。
いつもであれば2時間かからずに関越トンネルを通過できるはずが3時間でやっと通過。その先は青空だろうと期待していたのに、まだ雪が降っていた。
しかし、さすがに関東。赤城を通り過ぎると青空が広がり、あっという間に今までの雪はなんだったの、という状況になった。藤岡から上信越道に入ったあたりでは、正面に雪の塊をくっつけて走っているのが、ちょっと恥ずかしいくらいの状態である。
とにかく、なんて長い高速道路だったんだろう、と思いつつ、やっと佐久ICに到着。そこから子一時間で北相木村の三滝駐車場に着いた。
驚いたことに、広い駐車場には10台ほどの自動車が駐車していた。我々の後からも続々と自動車が来る。こんなに人気だったのか、三滝。
来る人をよく見ると、みんな普通の家族連れとかカップルである。リキ入れて軽アイゼンなんかつけているのは我々くらいのものだ。
なるほど、観光地だったのか、この三滝は。
そう思いつつ遊歩道を登る。登る、登る。
でぇぇぇぇ、こんなに登ったっけ、この遊歩道。
空気が冷たいので鼻だの肺だのが痛くなる。マフラーで鼻を覆って、ひいひい言いながら登った。
ややして、薄い水色に輝く松かさ状の滝が見えてきた。
大禅の前にはカメラマンが数人陣取っていた。彼らの邪魔にならないようにさっさと撮影しなくちゃ。
以前来た時には、上のほうからサラサラと水が流れていたのだが、今日はぽたぽた程度。落ち口からも氷がつながっていて、ほぼ98パーセント結氷している。なんか、松かさも立派な気がする。右から左から前から、とにかくあちこち動いて撮影した。
  滝前のカメラマンたち。ぞくぞくやって来ていた。

  落ち口はこんな感じだった。ポタポタと水が落ちている。

  大きさ比較。右下に私が立っている。観瀑台から下におりて、滝にもっとも近づいた、

さんざん大禅を撮影して、次は小禅へ。これもまた結構な登りでヘロヘロになってしまった。とにかく息ができない。冷たすぎる。
ちょうど一緒に登った男性が「なんだ、こんなもんか」と言っていて、なんだか小禅が可哀想になった。大禅と比べちゃいけませんってば。
まず、凍り方のタイプが違うんだから。
よくよく見れば、細長いツララが繊細に下がっているじゃないの。
  滝のすぐそばまで行くと姿が撮影できなくなるので、かなり下流から撮影した。
でも、あまりに空気が冷たくて、上まで上がって見る気力がなくなってしまっていた。
そそくさと駐車スペースに戻る。
駐車場でコンビニおにぎりの昼食を取り、次の目的地に向かうことにした。

さて、予定より1時間以上遅れて到着してしまったし、帰り道もいったいどんな状況になっているのかわからないので、本日の予定を変更しなければならなくなっていた。
実はこのあと横谷渓谷を見ようなんて思っていたのだが、断念。では比較的近い湯川の氷柱を見ようかとも思っていたのだが、それも割愛。もともと長野の氷瀑で見たい筆頭が残っているのである。
それは、愛嬌いっぱいの「たこ坊主」八坂大滝だ。
北相木村から旧八坂村までは下道で行くつもりだったが、これも時間の都合上高速道路を利用した。高速料金よりも時間が惜しい。
長野道麻績ICでおりて、八坂に向かった。
以前来た時はまだ八坂村だったのだが、合併により大町市になったばかりである。もっとも、市町村合併などは滝には関係ない。
県道55号の八坂橋のたもとに自動車を入れ、旧道を少し進むと、沢のずっと奥にご存知タコ坊主が鎮座していた。
  旧道の大滝橋から沢の上流を見上げると巨大な崖と白く輝いた氷瀑が見える。
  いや、ちょっと待て、なんかデカいぞ。タコみたいに丸い感じじゃないぞ。
旧道の橋から少し戻って山を登る道に入る。やや雪が積もっているが、長靴でなくても歩くのに困ることはなかった。
山を登って、杉の林の中から白い姿が見えて来ると、わはははとダンナが笑った。
タコ坊主ではなくなっている。
かなり成長して、クラゲのオバケみたいになっているではないか。
それにしても、あいかわらず汚い色の氷である。氷になってもなお汚いって、どういうことだろう。いや、汚いというのは言いすぎだ。むしろこんなふうに凍るほうが珍しいではないか。
とにかく氷がグズグズなのである。
一応ツララにはなっているのだが、そのツララもピンとした綺麗なツララではなく、泡だったような、デコボコしたツララだ。そんなツララが集まって、オバケになっている。
  ツララのアップ。縮れたツララである。
ちょうど前日に「風の谷のナウシカ」が放送されていたもんだから、「腐ってやがる・・・」とつぶやきたくなるくらいの姿だ。腐った巨神兵か、もしくは「千と千尋の神隠し」のおくされ様を彷彿とさせる。
そう書くとニオイまでしてきそうだが、氷なので匂わない。そのへんは安心してほしい。それに、水が汚いというわけでも無いのだ。凍り方がグズグズなだけである。
近寄ってみると、以前来たときよりも数倍大きいのがわかった。
今回もすぐそばまで下りて行って、その見ただけで楽しい姿を堪能した。
が、落ち口にくっついている氷がガラガラと落ちて来た。
私はちょうど遊歩道に戻っていたので、危なくなかったのだが、まだ滝のすぐ下にいたダンナに砕けた氷が当たりそうな勢いだった。楽しいからと言って、危なくない滝ではないのである。
それに、どう見てもこいつの氷は脆い。崩れるのもあっという間に違いない。
これから先まだ高さを築いて行くのか、それともこれくらいがマックスなのかは分からないが、おそらく10メートルくらいはあったんじゃなかろうか。
  大きさ比較1。後ろの遊歩道の上に私が立っている。

  これが一番大きさ比較できるかなぁ。遊歩道にダンナが立っている。

  滝のすぐそばに行って撮影中のダンナ。
タコ坊主がクラゲ入道になったのを確認できて、大満足だった。

ふと時計を見ると、もう4時近い。これから先、大雪の信越国境を越えなければならないかと思うと、のんびりもしていられない。
今度は更埴ICで上信越道に乗り、遠目でもはっきりわかる雪雲に向かって自動車を急がせた。
ちなみに、朝、吹雪のため通行止めになっていた場所は通行止め解除されていたので、それほど怖い思いをせずに帰宅することができた。
急いでいたので、不本意ながら信州の温泉を堪能できなかったのが心残りだったけど。
午後8時過ぎに帰宅して、留守番の猫どもに平謝りしたのだった。


2003年の三滝はこちらへ

2004年の八坂大滝はこちらへ
交通
  三滝  一番近いICは、上信越自動車道の佐久IC。ICをおりて右折して国道141号バイパスに出る。あとは清里方面に向かってしばらく走る。国道299号線の交差点を過ぎて、もう少し走ると、小海駅に向かう馬流という信号になる。ここで左の橋を渡って、県道2号に入る。トンネルをぬけて、道なりに進んで行く。しばらく走ると北相木村に入る。そこで県道124号北相木村方面に進む。124号をしばらく進むと、箱瀬の滝がある橋などを通る。しっかり看板があるので、たぶん見落とさない。
  
  
滝よりも大きなつぼが特徴の箱瀬の滝。橋から見下ろす。
その橋を渡り、少しすると(三滝何キロという看板が随所にある)、右手にでっかい看板で三滝と書かれた矢印がある。ところが看板に見合わず左折する道は細い。細いうえに民家と民家の真ん中にあるので、道であるかどうか分からなくなったりする。とにかくこの看板のすぐそばの道に入るのである。
この道は林道で、すれ違いに困難な箇所のある道をしばらく走る。しばらく走ると50台ほど駐車できる広い駐車スペースに出る。トイレあり。
この駐車スペースから徒歩で10分も登らずに大禅に出る。小禅は、この遊歩道の途中から行くことができる。登るが分岐からはすぐである。
ちなみに、三滝のあと一つ浅間の滝は駐車スペースの少し手前に小さな看板があり、ここから徒歩で結構歩かなければならないらしい道がついていた。
  八坂大滝  一番近いICは、長野自動車道の麻績ICである。ここから国道403号を明科方面に進み、坂北村に入る少し手前で県道55号へと右折する。分かりづらいかもしれないが、403号を走っていて上信越道をくぐってしまったら行きすぎである。県道55号は、2006年2月現在災害復旧のため2トン以上の自動車は通行止めである。
国道19号を変則的に横切り(工事の関係で、今回は細い橋を通らせられたので、国道を出て左折、すぐ右折という感じだった)旧八坂村に入る。すると大滝洞門というスノーシェッドがある。これをくぐるとすぐに新大滝橋という橋と弘法橋という橋が連続て出てくる。この橋の間、左側に目立たない看板で「八坂大滝」とあり、右側には駐車スペースらしい広場がある。ここからでも滝は遠望できる。
滝に近づくには、弘法橋を渡ってすぐ右側の細い道を入る。突き当たりは行き止まりで、使われていない橋のあたりに滝についての説明看板がある。
そこからかなり手前に県道を背にして左側の山に登る道がある。足跡があるので、見つけられると思う。登りだが5分もすると崖下に氷のオバケが出現する。


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