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   横谷渓谷の滝たち  




乙女滝
落差30メートル。
とはいえ、夏場を見ていないので
よく分からないのだが、
遊歩道からはどうも滝の中間点くらいの
位置から見ているらしい。
はるか下方に渋川が流れていた。




ギリギリ画面の一番下の中央あたりに
虹が写っているのが
分かるだろうか?
午前10時の虹の位置である。




高い位置から見てみると、滝つぼというよりは
まだ下がありそうな穴が
氷にあいていた。
ずっと下の渋川の付近から滝を見上げる
観瀑台のようなものも見えたが、
道が危険そうなのでやめてしまった。
そこまで行けば滝の全体のスケールが
わかったかもしれない。






霧降の滝
見事に逆光だった。
ちょうどまん前に遊歩道の橋がかかっていて、
そこから撮影することができる。
左側の赤い岩盤はそこに温泉が流れているため。




霧降の滝のすぐそばの氷の塊。
むしろこっちのほうが氷瀑っぽい。




杉の葉っぱも氷の中。





屏風岩の氷瀑
と、案内看板にあった。
夏場はただの岩らしい。
一番右側の白い部分も全部氷。




やや上流を見てみる。
手前を流れているのが渋川。
規模はそれほど大きくはない。




渋川を挟んでダンナが立っている。





王滝
下段の下から見上げた図。
って、あまり二段の滝である感じがわからないか?



こっちの大きさ比較のほうが
二段であることは分かりやすい。
上段と下段の間のテラスが広いので
上段が小さく見えて、
50メートルの落差のある滝に見えない。




上段。
遊歩道の突き当りを上った場所から撮影。
小さく見えてしまうが、
迫力ある滝である。




下段の下から上段の氷を撮影。
厳冬期にはこれが滝を全部覆うのだろうか。




上段の滝つぼから下段に流れる水。




滝前にあった氷の紋様。



こちらは、氷の暖簾。



まだ残っていた赤い実が
滝を見ている。





こちらは、横谷観音から見た王滝。
上の段しか見えない。
かなりズームしての撮影である。




横谷観音のそばには白樺が。
青空に映える。
2006/2/11 横谷渓谷の滝たち  (乙女の滝 30M、霧降の滝 4M、王滝 50M)

先週に引き続き、今週も長野に行った。
2月に入ってもそれほど冷え込みが厳しくなく、今年は行くぞと決めていた袋田の滝がもういい姿で凍らないだろうと判断したので、先週に行くつもりで行けないでいた横谷渓谷に行くことにしたのだ。さすがに先週なみの大雪に出会うこともなく、今回はかなりスムーズに目的地に着くことができた。
と、言っても、横谷渓谷は新潟からだとかなり遠い。諏訪を過ぎると遠いなぁと感じるのだが、その諏訪で高速道路を下り、冬季は峠が通行止めである国道299号を小一時間進まなければならない。午前6時に出発して、午前10時に到着した。
この渓谷の滝たちが凍るのは、滝仲間の金さんのページで知ることができた。さすが長野、自動車で楽々行ける場所に凍る滝がたくさんある。
そこに至るまでの道で道路はアスファルトが出たままだし、遊歩道に入る入り口でも積雪はほとんど無かったので、とりあえず軽アイゼンをポケットに入れていくくらいの装備で出発。
ちょっと急な坂を下ると3分もしないで乙女滝が出現した。
    
  
入り口にあった氷瀑群のご案内。随所にある。右は乙女滝までの坂道。
あまりの近さと予想よりも大きかったことにちょっとびっくり。氷瀑具合がそれほどでなかったことにちょっとがっかりである。
すでに先客のカメラマンが滝に近寄ってかなり高い場所に登って撮影していた。
  
先にいたカメラマン。かなり高い場所にいる。
ダンナも滝前に出るために凍っている場所まで下りて行く。おいおい、そこは滝の真ん中じゃないんだろうな。私は危ないことはしたくないので、あっちウロウロこっちウロウロ。しまいにさっきまでカメラマンがいた上のほうまで登ってしまった。
あら、ここからだと滝の裾に虹が見えるじゃないの。これはいい。さっそくダンナも呼び寄せる。
  上まで行くと虹が見えた。
散々撮影して、さて、次の滝、ということになった。
ここから先は、わずかだが積雪している。
少し下って行ったら河原の岩場で数人が撮影しているので、行ってみた。上流はゆるやかなナメになっていて、ツボのような広い場所に氷が芸術的に凍っている。それを撮影しているらしかった。我々は氷よりも滝に興味があるので先を急ぐ。
  氷を撮影中の人々。

  こんな紋様を撮影してたのかしらん。
だが、雪がけっこう滑るので、ここで軽アイゼンをつけることにした。
川沿いの道はしっかりと踏み跡があり、雪にもぐることはないが、時々カチコチに凍っている。
3分ほど歩くと、横谷温泉の建物の裏手に出た。
右側に川を見て歩いていたのだが、ここで橋を渡る。それからほどなくして、もう一度橋を渡る。その橋から上流を見ると、霧降の滝があった。
この滝もそれほど凍っていない。
むしろ、橋の向こう側に見える岩盤の氷柱が見事である。近寄れないようにしてあったが、すぐそばまで行って触れてしまうので、春先などは危険なのだろう。
霧降の滝の落ち口に塩ビ管があって、水が流れていた。触れてみたらぬるくて、温泉のようだった。
  風情ある温泉旅館の裏を通る。

  
橋の上から霧降の滝を撮影。

  近くの氷の屏風。立ち入り禁止になっていた。
さて、ここから先は事前に調べておいた地図によると王滝までかなりの時間が必要ということになっている。王滝なら国道299号を自動車でさらに峠に向かって進んで、横谷観音の展望台から15分下りれば大滝の展望台に行くことができる。が、霧降の滝と王滝の間に屏風岩の氷瀑というのがあって、それもぜひ見てみたいものだ。屏風岩まで行ってしまえば、王滝はもう一息。そこで戻って自動車で展望台に向かうのもおかしなものだ。
と、いうことで、王滝まで歩いて行ってしまえ、ということになった。
10分も歩かずに鷲岩という岩に着き、さらに5分ほどで屏風岩に着いた。
案内にあった時間よりもかなり楽に行き着くことができる。これなら王滝もすぐそばだろう。
屏風岩の氷瀑は、思ったほど大きくなかった。
いや、大きいのかもしれない。ツララになっている部分は割合とこじんまりとしているのだが、右端に一枚、どろんとした形の氷が岩盤に貼り付いている。これを氷瀑と言っているとしたら、けっこうデカい。
全体がうす青い色をしていて、なかなか綺麗だ。
よし、次は本命の王滝だ。
と思って歩き出したら、いきなり足跡が減っていた。大部分の人がこの氷瀑で戻っているらしい。しかし、我々は滝が好きなのであって、氷の柱が好きなわけではない。この先に進まないでどうしよう。
ちょうど単独で携帯で氷を撮影しつつ歩いている若者が先に立って歩いていたので、物好きは他にもいると安心してついて行った。
  矢印の先に先行者。足跡がほとんど無い。
しかし、登る。屏風岩から先に足跡が少なくなるのに頷けるほど登る。
雪がけっこう深くなり、登山靴の上まで来るようになった。スパッツをつけてこなかったことを悔やんだ。自動車には乗せておいたのに。
この先、一枚岩という長大なナメがあるらしいのだが、その看板は出てこない。坂をひいひい言いながら登ると、分岐点に出た。
看板に上に向かって矢印があり、そちらが王滝の展望台だという。
え、展望台?いや、手持ちの地図では、展望台ではなくて、王滝のそばまで行ける道があるはずである。が、上への道には足跡があるが、下への道には、犬の足跡くらいしかない。(犬の散歩ルートらしく、犬の足跡がやたらたくさんあったのだ)それに、まだ一枚岩というのが出てきてないし。さらに、先行の若者はずんずん上に登って行っているし。
我々も坂を登った。げ、さらに登りがキツくなっている。
ふと、下の道を見ると、滝だの渓流だのがあるたびに看板があり、マイナスイオンの個数が書いてあったのだが、その看板があるではないか。っつうことは、あのあたりに、何かしらの景観地があるということか?やっぱりあったのルートが正しいのか?
ふと見上げると、まだまだキツい登りが続いている。これでは沢から離れすぎて、本当に展望台につれて行かれそうである。
下のルートをとってみよう。
坂を下って、分岐点から沢沿いのルートを歩いた。
  赤い矢印が滝下に行く道。青いほうは展望台へ。
人の足跡はない。
マイナスイオンの個数は15000だそうだ。だが、そこがなんという名称の場所なのか、看板が無い。で、沢を橋が渡っている。
この橋を渡って遊歩道が続いているのか。
ということで橋まで行ってみた。ほ、細い。しかも雪積もっているし。犬しか渡ってないし。いや、犬も途中でやめてるし。
とりあえず手すりはあるが、丸木橋みたいなもんじゃないの。丸木橋はとにかく苦手である。その苦手に雪が積もっているときたもんだ。もうイヤだったらありゃしない。
それでも、毎度のことながら、滝好きのニンジンは滝であり、その先に滝があるのならきゃーきゃー言いながらでも渡ってしまう。
まずダンナを行かせて、大丈夫なのを確認してからダンナの足跡をたどりつつ渡った。
  最初の橋。獣しか渡っていない。
渡った先には本当に獣の足跡しかなかった。どうも、犬より小さな動物らしい足跡が水辺に行って水を飲んだりしたらしい。そして、沢を左に見ながら上流に向かって続いている。
    
  我々を先導した獣の足跡。イタチかテンだと思われる。右は足跡を追うダンナ。
こうなりゃついて行くしかないでしょう。
しばらく足跡について、上流に向かって進むと、立て看板が立っていた。いわく、「この道は王滝までで行き止まりです」
つまり、一応ここは王滝までの道で間違いないのだ。
  立て看板の立っていた場所。

  ダンナの左にあるのは二番目の橋。坂になっている。
どういうわけか獣はきっちり道に沿って歩いている。時折それたりするが、おおむね獣の足跡について行けば水の中に落ちたり、岩と岩の穴にハマったりしないですんだ。
そんなこんなで10分ほど雪の上を歩いた。くるぶしより少し深い雪だったので、登山靴の中にまで雪が入ってきた。ホントに長靴かスパッツにすりゃよかった。
最後は岩場に登る感じでぐいっと体を持ち上げると、ようやく王滝が見えた。
おお、すごい。巨大な台形の滝が迫って来る。こんなに近くにいきなり出るんだ。
しかし、待て、王滝ってば、確か2段なんじゃなかったか?
と、見ると足元から下流に向かって下の段が落ちていた。
つまり、最後の岩を登った部分が下の段だったわけだ。我々が立っているのは、上の段のつぼ付近なのである。
これでは王滝全体を見たとは言わないではないか。
だが、この岩に立つ前に、河原に下りるらしいトラロープがあったのを見落としていなかった。あれを使って行けば下の段の前に出られるはずである。
  ロープがわかるだろうか。矢印のようにおりていく。

  滝下からこれくらいの高さである。
これがまた、雪で下がどうなっているのかさっぱりわからないので、ロープがあっても下るのがちょっと怖かった。せいぜい3メートルもない下降なんだけど。
下の段の前に出たと思ったら、意外に河原はカーブしていて、そこからは滝全体はよく見えなかった。ダンナが意を決して、川の真ん中までジャンプして行き、そこから撮影をする。
さすがに私はやめといた。軽アイゼンつけてたり、靴の裏が雪まみれだったりで滑る危険性のほうが怖かった。
王滝のすぐ下は、色々な氷の造形が美しかった。
滝を撮影したり、氷を撮影したり。単独で渓谷を楽しんでいたあの青年はきっと高い位置からの王滝しか見ていないんだろうなぁ、などと思ったりして。
それからまた、帰りが大変だった。下りのほうが滑って怖いのである。私は2回ほどわざとお尻で滑ってクリアした。イエローフォールで覚えた技である(笑)もしこのあと我々の足跡をたどって王滝に行く人があったなら、なんじゃこのくぼんだ跡は?と思ったに違いない。
  気がつくと遊歩道のそばにも氷柱。
分岐点まで戻って、展望台まで行くかどうか、悩まなかった。滝の直下まで行ったら展望台はもういいだろう。それに、自動車で横谷観音まで行けばもう少し上からの滝が見られるというし。
帰りは最短コースで沢から離れて戻った。霧降の滝からまっすぐに横谷温泉旅館の前を通り入り口まで行くとかなり近かった。
自動車に戻り、国道299号をさらに登る。通り過ぎたかと思うくらい登った。いくらなんでも王滝はそんなに高い場所ではないだろう、と思うくらい自動車で走ったあたりに柏木博物館という恐竜の卵とか化石の展示してあるらしい建物があり、その角を右折すると横谷観音だという案内があった。
国道からはずれると、道は真っ白だった。
    
  横谷観音駐車場から振り返った道。空が綺麗。右は横谷観音。
横谷観音の駐車場にも自動車一台止まっていなかった。
もし案内に徒歩3分と書いていなかったら戻るところだったが、徒歩3分なら見に行こうか、ということになった。この時点で私は徒歩3分が王滝展望台だと思っていた。
3分というので、思いっきり軽装で軽アイゼンもつけずにひょいひょい行ってしまった。
どう考えても3分じゃない。近道が右側から分かれているのだが、それは、ぐっと下ってぐっと登る道なのだ。ひいひい言いながら神社に着いた。
一番奥にベンチがあり、どうやらそこから滝が見えるらしい。行ってみると、おお、すごい。はるか下方にちっちゃく王滝が見える。でも、上の段しか見えない。
よくよくあたりを見回すと、展望台へはここからさらに15分ほど下に下る、と看板があった。そこまで行けば2段の姿が見られるのかどうかは謎である。なにせ我々は面倒くさくなって展望台まで行っていないのである。(おいおい)
ちょうどあずまやもあるし、ここで昼食にしよう、ということになった。コンビニで調達したカップラーメンとおにぎり。パンとコーヒー。
ものすごく寒いなか、素晴らしいご馳走に感じた。
ところで、我々が昼食にしている間に展望台から上がってきたらしい男女2人がいた。ものすごく軽装である。ものすごく消耗しているということは、どうやら横谷温泉旅館のほうからトレッキングコースをたどってここに到着したらしい。
え、ちょっと待て、横谷観音の駐車場には自動車はなかったし。あの軽装でまた戻るのか?と思ったら、バスがあるはずだとか言いながら駐車場へ向かって歩いて行った。
恐れ入った。自動車でイヤっていうほど登った道である。徒歩だって、ものすごく登るはずだ。ばかというより無謀としか思えなかった。が、彼らが選んだルートだろうので、自動車に乗らないかとは誘いませんでした。だって、まだラーメンができあがっていなかったし。
お腹が満たされて、気がついたらかなり時間が押していた。
実は、まだもう一つ氷瀑になるらしい滝を見るつもりだったのだが、ちょっと王滝で遊びすぎた。が、遊んだおかげで充分満足いった。この渓谷にはさらに奥に「おしどり隠しの滝」というのがあるが、そちらに行く時間もないだろう。
このまま温泉に入って戻ることにした。(温泉のレポートはこちら
教訓として感じたこと。
諏訪から先はやっぱり遠い。
積雪が少なくてもスパッツはつけましょう。
おかげで、温泉から出ても冷たい靴下履きましたとさ。
交通
  横谷渓谷  一番近いICは、中央自動車道の諏訪IC。インターを出てすぐ右折。国道20号のバイパスに乗る。次のインターというよりむしろ大きなY字交差点といった場所で国道152号方面へと左がわに進む道を選ぶ。すぐに左折。国道152号に乗る。手持ちの地図では、トンネルが有料になっていたが、我々が通った時には無料になっていた。そのまま蓼科方面に向かって直進する。やがて道は国道299号と合流する。
途中、ビーナスラインに向かう道などが分けるが、とにかく国道299号からはずれないように、蓼科、麦草峠方面へと向かって進めばよい。
かなり進んだあたりで横谷渓谷という大きな看板が出て来るので、入り口で迷うことはない。
国道から右折すると随所に乙女滝の案内がある。その通りに進むと、やや路肩が広い場所があってそこから徒歩で下るとすぐに乙女滝である。
自動車はその入り口に路駐してもいいと思うが、もう少し先の横谷温泉旅館の駐車場に駐車してもとがめられないと思う。
ちなみに我々は路肩があいていたので、そこに駐車した。
さらにちなみに、横谷温泉旅館を右に見ながら旅館の前を通り過ぎ、自動車で行ける場所まで行くと、霧降の滝である。
我々がとったルートは、横谷渓谷遊歩道で、入り口の案内看板には王滝まで45分とあった。
我々は写真を撮影しつつ、途中で行き過ぎて戻ったり、獣の足跡をたどったりで、1時間30分かけて王滝の滝下までたどりついている。
冬場は、遊歩道を歩くつもりであれば、長靴かスパッツ、軽アイゼンが必須。


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