船尾滝 正直、これほど大きな滝だとは思っていなかった。 落差72メートル。 ただし、現地の看板の図によると、 下の滝までも含めた落差らしい。 下の滝から見上げた船尾滝。 つり橋の真ん中からの撮影である。 この写真からもわかるように 船尾滝はもう一段上にあって、けっこう遠い。 下の滝とつり橋。 つり橋の上に人面が見えるが(笑) どういうわけかそういうふうに雪が岩に 残っていたのである。 春爛漫さんの真似をして、 観音様と船尾滝。 あずまやから対岸を見ると 堰堤が連続している。 その上流も滝になっているようだ。 ぐーっと近づいてみると、 立派な氷瀑。 こちらは船尾滝の左側にあった氷の柱。 船尾滝のほかにもいく筋か水の流れがあった。 これは九十九谷にあった氷柱。 青い光を放って見えた。 船尾滝から振り返ってみた。 たぶん赤城の山々だろう。 船尾滝もかなり標高が高い滝のようだ。 |
2005/3/5 つい今朝まで、この滝に来るつもりは全くなかった。たまたま時間があったので来てしまった滝である。が、結果的にこれが一番歩いた滝になってしまった。 船尾滝は、関越自動車道の東京新潟間を走る時目にする吉岡町の看板にイラストで書かれている滝である。一度は見てみたい滝ではあった。しかし、見るならもうちょっとよい季節のはずだった。まさか真冬に来るとは。 船尾滝についての資料は全く持って行っていなかったので、手持ちの群馬の地図が頼りだった。榛名神社の瓶子の滝を見終えて、もう一度榛名湖まで戻り、今度は伊香保温泉に向けて山を下る。途中で県道15号に入り、水沢うどんの店がたくさん並ぶ間を通り抜け、ハルナガラスのある県道153号に入る。そこまでは順調。だが、水沢方面から入ると、船尾滝への道は案内看板がほとんど見えずに通り過ぎる可能性がある。県道153号に入ってわりとすぐに右折する道があるが、そこだ。 幸い角にある看板を見落とさずにすんで、無事船尾滝への道へ入る。 しばらく進むと右側に公園のような駐車場が。あら、ここかしら、と思ったがどうも違うらしい。地図によればこの道のほとんど突端に船尾滝はあるのだ。 もう少し進んでみると道は行き止まりになり、左側に船尾滝駐車場というのがあった。ここも公園になっているらしく、ラブラブのカップルが雪遊びなどしていた。ラブラブだと寒くないんだねぇ。 駐車場に自動車を入れて、案内図を見る。徒歩20分とある。雪があることを考慮に入れても1時間で戻って来られる計算だ。 駐車場には我々の自動車のほかにカップルのものともう一台。滝に行ったのだろうか。 身支度をして歩き始める。 自動車が来た道をまっすぐかと思いきや、右折するような形で枝道があり、そちらに矢印があった。 矢印の方向が滝への道。駐車場は左手。道はPの文字の先に続いているが、行き止まりになっている。 積雪はだいたいこんなもん。 雪はくるぶしほどか。カーブによって綺麗にとけている場所もあれば深く残っている場所もある。明らかにうさぎと思われる足跡があちこちにあった。姿が見れたらいいのにとあたりを見回したが、うさぎはいなかった。 しばらく歩くと滝を見て来たらしい年配の女性が一人おりて来た。雪の中、女性一人で滝まで行くとは、かなりの滝好きかもしれない。 ずっと自動車も通れるだろう林道である。綺麗に舗装もされている。しかし、雪があろうが無かろうが、駐車場から先には自動車は入れないらしい。 理由は落石。 帰り道に知ったのだが、この道は本当に落石が多いらしい。実際、我々が登る時には落ちていなかった大きな石が帰りに道の真ん中に転がっていた。見上げればもうちょっとで落ちるぞ、というような石も斜面にいくつもある。これは怖い。 これが頭に落ちてきたら死にますぞ。 舗装道路を歩くこと15分ほどで船尾滝の下流にある堰堤前の広場に出る。滝に向かって右手の階段を上ると観音像がある。最初こちらの階段から行けば滝の下に行けると思っていたのだが、ただ観音様を拝んだだけだった。 春爛漫さんのサイトで見た観音越しの滝と同じ構図で撮影してみたりする。 階段で戻らなくても、先に進むと堰堤のたもとに到着する。そこにはあずまやがあり、一息つける。 しかし、ここからでは滝はかなり遠い。あずまやから堰堤を渡る感じで足跡が伸びていたので、それをトレースすることにした。 もともと遊歩道なのだろう。堰堤へは橋などが渡してあって歩きやすくなっているらしい。が、雪でよくわからない。 堰堤の上まで行ってみた。滝は遠い。どうもまっすぐ落ちる船尾滝と下流にも一段滝があるらしい。よく見ると下流の滝の手前につり橋のようなものがある。つり橋があるのならそこまで行く道もとうぜんあるはずだ。 実は雪でさっぱりわからず、頼りは足跡のみなのだが、滝○かの根拠のない確信はここでも発揮され、足跡の上をずんずん進んだ。 堰堤の上を渡り、対岸をつり橋に向かって突き進む。やがて、なんとかつり橋まで来た。 つり橋を途中まで渡り、下流の滝と船尾滝を撮影する。ここまで来ると船尾滝も近く見える。 それにしてもダンナがなかなか先に進まない。では、私が先行しましょうと足を踏み出したら、あらまぁ、橋の半分から向こうには足跡がなかった。 おお、先人は、ここで断念したのか。 誰も通っていないつり橋。左手が滝、右手があずまや。 しかし、つり橋の途中から船尾滝を見上げた時に、もっと近づけそうな道があるように見えたのだ。これは行かずばなるまい。 まだ撮影中のダンナをおいて、足跡のない雪の上を踏み出した。 といっても、積雪はさほどではない。せいぜい足首程度である。長靴で充分だ。 つり橋を渡り、滝に近づくように伸びている道がたぶんあるんじゃないか、というほうに歩きだした。 あら、小さな貼り紙がある。何々、ここから先は落石の危険があるので立ち入り禁止?いや、こんなに小さな貼り紙では見落とすのが普通である。私は、見落とした。と、いうことにした。 さすがに立ち入り禁止なのか雑木が刈られていない状態だった。少し進むと木で作った欄干のある小さな橋のような場所に出た。ここが下のつり橋から見えたのだ。 よし、渡る、と思って踏み出したら、その橋の途中にでっかい岩がデンと落ちていた。わははは、きっちり落石がある。 それでも、それをよけて先に進んでみたが、5歩と進めなかった。撤退である。かなり道が狭くなるうえに岩場のような状態になっているのが雪を被っていてもわかる。これは、足跡が無い場合は自殺行為である。それでなくても初めての場所で形状がさっぱりわからないのだ。ここから先は、さすがの滝○かでも進めない。 あっさり戻って、あとから追ってきたダンナにバツサインを出した。 つり橋を渡った場所からもとに戻らなくてもあずまやまで戻れる。つまり、一周できる遊歩道のようになっているようだ。どうして先人は先に進まずに後戻りしたのかわからないが、きっと初めて来た人だったんだろう。もしかしたら、林道ですれ違った女性かもしれない。 あずまやに戻って、本日2度目のコーヒータイムにした。 お湯を沸かしていると、男性が一人で滝のほうから降りて来た。我々がつけた足跡を利用して、楽勝の様子である。 こんにちわと声をかけると、「もっと凍っているかと思って来てみたんだけどねぇ」と、軽々と林道に戻って行った。 へえ、凍るのか、この船尾滝も。 JAの帽子を被った地元のじいさん、といった感じの男性だったから、駐車場から往復でざっと1時間かかるこの滝は散歩道なのかもしれない。 そう思いながら見てみると、滝の周辺は見事な氷の柱が並んでいた。これで、船尾滝も凍ってしまったら、ものすごい景色になるだろう。 帰り道に沢の対岸の九十九谷にできた氷の柱を撮影しなが駐車場に戻ると、まだあつあつのカップルが雪遊びをしていた。おいおい、雪を全部溶かさないでくれよ。 もう時間も午後4時をまわっていた。 あとは冷えた体を温泉で温めて家に帰るだけである。(この日の温泉についてはここへ) 思いがけず、日帰りで素晴らしい冬の滝を堪能できた。 ETC割引ありがとう、とちょっぴり日本道路公団に感謝した一日だった。 |
交通 船尾滝 本文にあるとおり、ハルナガラスのある県道153号に林道の入り口がある。しかし、水沢がわから入ると少しわかりづらい。 たが、どう考えても関越自動車道渋川伊香保ICが最寄ICなので、船尾滝の案内表示の向きは一考してもらいたいものだ。 渋川伊香保ICをおりたら、とにかく伊香保温泉を目指そう。伊香保温泉に入る少し手前、ビジターセンターが左にある角で県道15号に入る。水沢観音を目指せばよい。 うどん店がならぶ水沢観音を通り過ぎて少しすると右折すると県道153号という表示がある。ここの目印はハルナグラスである。ハルナグラスのあるほうに右折すればよい。 しかし、右折したら、注意して右に曲がる道があるかないか探していたほうがよい。角に船尾滝と書かれた看板があるので入り口は迷わないとは思うが、少し分かりづらいのだ。ここは要注意である。 林道に入ったらまっすぐひたすら進む。途中に公園のようなものがあるが、それは滝ではない。ずっと進むと道が行き止まりになり、左側に駐車場がある。 そこから、駐車場の向かいがわになる道に進む。 林道はまっすぐ伸びているらしいが、滝に行く道は駐車場の向かいの道なのでここでも注意が必要。矢印があるので、よほどおっちょこちょいでもなければまちがった方向には行かないと思うが。 徒歩で15分から20分で堰堤前のスペースに着く。そこからあずまやはすぐだ。 あずまやから堰堤の上を通ってつり橋を渡りあずまやに戻ることができる。 |