2005年氷瀑を求めてA その1
   不動滝(綾織の滝) その2 瓶子の滝 へ 




不動滝
(綾織の滝)

凍っていない姿を見たことがないのだが、
たぶんこの写真の部分が滝だと思う。
この左右にも氷が貼り付いていて、
幅広に氷の屏風が出来上がっている。



右に滝、左につらら。


つらら部分はこんな感じ。
上方にポチっと赤い点がみえるのが
クライマーの一人である。



夏場は水流を変化させる美しい岩盤も
冬は凍りに埋もれている。



下流から見た滝。
沢の岩はすべて雪の帽子を被っている。



アイスクライマー、のぼる!



両手に鎌みたいなピッケル。
まさにかまきりのようだけど、
これがかなりのスピードで登れる。



あっという間にこんな所。


滝の全体像とクライマー。
赤い矢印の先にある黒い部分が
クライマーである。

2005/3/5 
全く出かける予定もつもりもなかった連休の土日。その土曜日の夜にダンナがネットで探しあててしまった。立派な氷瀑、綾織の滝。野村さんの滝のある風景というサイトである。
いや、だいたい、土曜日の夜に「氷瀑」で検索をかけているあたりがすでに確信犯なのであるが、その立派さに急遽明日は群馬だ、ということになってしまった。
例年であれば、さすがに3月も1週間過ぎてしまえば氷瀑も崩れてしまうのだろうが、この週末の気温はぐっと下がっていた。まさに氷瀑日和である。今年最後になるだろう、氷瀑めぐりドライブは始まってしまった。
群馬とはいえ、ターゲットの滝は比較的新潟に近い群馬である。いつもであればだらだらと起きてだらだら出発するところだが、今回は違った。高速道路のETC割引を適用するために午前9時までにICに入らなくてはならない。いつもより多少バタバタして高速道路に乗った。
今日は珍しく新潟もよく晴れている。ただ雪が多くて、中越地震の被災地の近くまで来てみると、今までに見たこともないほど道の両側に雪が高く積まれていた。真冬にも何度か関越自動車道を利用しているが、これほど雪が多かったのは初めてである。しかし、路面はドライだったので、通行はまったく楽ちん。10時過ぎには水上ICに着いてしまった。
  
高速道路である。右側にあるはずの下り車線が雪の壁で見えない。案内看板も雪に埋まっている。
そこからやや戻るような感じでわざわざ峠越えの県道270号を通り、猿ヶ京の手前で国道17号に合流。そこから「たくみの里」を通って道を間違えつつ(笑)県道53号に入り、とりあえずの目標の入須川温泉をめざした。
さすがに群馬で日があたる路面はまったくのドライなのに、ちょっと日陰の場所は雪が凍って残っている。気を許すとあっという間にスピンしそうな道路である。
あらかじめ調べていたので、綾織の滝の入り口はすぐに分かった。不動滝という案内看板が目印。あとは何箇所かある案内に沿って行けばたどり着ける。
たどり着けるが・・・。この日は数日前に関東でも雪が降ったという日だった。民家が途切れるところまでは路面が出ていたのだが、そこから先は雪にわだちがあるだけの状態だった。わだちといってもたった2本。対向車が来たら絶対にすれ違えないという状況である。車高の高い自動車なら安心だろうが、我が家の自動車は4WDであっても普通車。ちょっぴり不安になるくらいの積雪だった。
しかし、とにかくわだちがついているんだから行けるはずだ。滝○かの根拠のない確信のもと、先にぐいぐい進んで行った。
距離にして1キロ無いくらいで駐車場についてしまった。着いてびっくり、なんと先客が3台もいる。へぇ、人気のある氷瀑なんだなぁ。
それにしても、滝はどっちだ?
迷うことは無かった。足跡をたどればいいのである。
身支度をととのえて、出発。
先陣たちの足跡をたどって進む。けっこうな積雪で、ときどき足をとられるが、だいたい固くなっている足跡の上なので歩行は困難ではない。
  
ふみ跡があるから歩きやすい。

  
並木道らしき場所を歩く。
車道なんじゃないかなぁという雪の上をしばらく歩き、キャンプ場らしい場所の横を通り過ぎると山道のようになった。それからそれほど歩かずに正面に不動堂が見えてくる。不動堂の向こうにはでっかい氷の塊ももう見えている。
不動堂の裏にあずまやがあるので、そこに荷物を置き、カメラを持って滝に近づくことにした。
  
ここから先は遊歩道というよりは岩場を歩くといった感じである。だが、岩というより雪で、足跡をたどるだけなので、危険は感じなかった。もしかしたら夏場よりも歩きやすいかもしれない。足跡さえはずれなければ。
それにしても、駐車場にいた3台の自動車の持ち主はいったいどこ?遠くに見える滝の前にはだれもいな・・・あれ、なんだか大きな声が聞こえてきた。
さらに近づいてみると、あ、いた。滝下に一人、下ではない所、そう、滝の中間あたりに2人、そのずっと上にさらに一人。うわっ、登っているよ。
かなり引いた。
こんな場所でアイスクライマーに出会うとは思わなかった。
しかも、うーーーーっとか言う声までする。見ると、下にいる人が犬をおさえていた。マスチフの雑種とおぼしきけっこう大きな茶色い犬が我々を見て牙をむいている。怖いじゃないか。
おさえている人が犬を怒るので、こちらもすいませんとつい謝ってしまった。
「こら、エルフ!」
と氷の上の人物が犬を静止した。上からお座り!とか言っている。
こちらも「怖くないよー、いい子さんだねー」となだめながら近づいた。しばらく犬の好きなようにさせて、ニオイを嗅がせてやったりしたらなんとか落ち着いたようだ。犬が落ち着くのを見て、下にいた人も登り始めた。
なんでも、上に登るのはそれほど時間はかからないそうで、しかもこの巨大な氷瀑は彼らにしてみれば小さいほうなんだそうで。
見ている間にクライマーは両手に持った鎌のようなピッケル(正式名称わかりません)を交互にザクザクと氷につきたて、また、アイゼンを交互に氷につきたて、サクサクと登って行ってしまった。おお、本当に早い。
犬は、どうも私が危険人物であると認識したようで、私の前から動かない。ちょっと動いたり犬に手を伸ばそうとすればうーっと唸る。こらこら。そんなに危なく見えるか、この私。
  
私を睨み付けるエルちゃん

  
で、きっと彼がエルちゃんの飼い主
ダンナは犬の監視がないので、滝のすぐそばまで行き、色々な角度から撮影していたようだが、私は犬がかわいそうなので早々にあずまやに引き上げた。
その途中で「あーっ」と大きな声がした。
あーって何、あーって。
振り返ると、上の人が氷をおおきくはがしたようだ。大きな氷が落ちてくだけて雪煙になっている。
「大丈夫ですかー、下の人ー」
とクライマーが心配してくれた。ダンナと犬は大丈夫だったようだ。
ダンナの話によれば、氷が落ちて来た時に、犬は心配して滝にちかよって見上げていたそうだ。忠犬だ。
  
右側の雪煙は落ちてきた氷が砕けたもの
あずまやで待っているとダンナが戻ってきた。ちょうど屋根もあるし、コーヒーでも飲もうか。
青い氷の巨大なオブジェを見ながらのコーヒーである。今年に入って初めてお外で沸かしたコーヒーだ。うまい。
  
あずまやからも滝は見える。
「あーっ」
また滝から声がした。今度はどうもロープを1本落としてしまったようだ。
うーむ、楽しそうだぞ、アイスクライミング。いや、危険もいっぱいみたいだぞ。
クライマーたちがおりて来たらきっとこのあずまやで休息するのだろう。我々はその前に退散したほうがよさそうだ。ありがとう、アイスクライマー。あなたたちのおかげで、滝にもたどり着けたし、おもしろいものも見れた。
駐車場に戻ると、まだ12時前である。
いくらなんでもこれで戻ってしまうのは、もったいないなぁ。しかし、次にどこに行くか決めていない。
駐車場で群馬の地図を広げて、とりあえず有名な船尾滝なら見ることができるはずだと、そちら方面に行くことにした。
そっちに行くなら榛名湖を通る。榛名神社には滝があったはずだぞ。うろ覚えながら、あきらさんのサイトで榛名神社の滝は凍るというのを見た覚えがある。では、そちらにも寄ってみよう。
と、いうことで、これからのドライブの予定が決まった。
        
その2 瓶子の滝 へ

  駐車場から見えた遠くの真っ白い山並み。標高の高い場所だったらしい。
交通
不動滝(綾織の滝) 我々は新潟から行ったので、関越自動車道水上ICで降りたが、東京方面からだと月夜野ICがいいだろう。
国道17号線に出て、猿ヶ京方面に進む。
猿ヶ京に入る手前、湯宿温泉で県道53号に入る。ここから「たくみの里」までは比較的分かりやすい。
が、県道53号は2005年3月現在どうも道を新しく作り直しているらしく、「たくみの里」近辺で非常にわかりづらくなっている。下手をすると、知らないうちに国道17号に戻るコースに入ってしまう。要注意である。
とにかく正面はどう見ても「たくみの里」の駐車場だぞ、という変形T字路に出るので、そのまま「たくみの里」に向かって入っていってしまう。
「たくみの里」の情緒のある町並みの入り口に右折して入るが、入ってすぐに左折できる道がある。角に小さく中之条と案内が出ている。その道が県道53号なのである。ここは、本当に分かりづらい。
いっそ「たくみの里」の駐車場に一度入って、係りの人がいたら聞いてしまったほうが時間の短縮になる。
もしくは、国道17号から早々に新治村役場方面に行く道があるがこちらのほうが「たくみの里」をパスして県道53号につながっているらしいので、わかりやすいかも。
その後は迷うことなく道なりに進めばよい。
当面の目標は温泉施設「遊神館」だ。時々「遊神館」の案内看板が出ているので、それが目安になる。
しかし、滝の入り口は「遊神館」の手前なので注意が必要。もし「遊神館」が出てきてしまったら行きすぎだと思えばよい。
入須川温泉という文字が道路のあちこちに見えはじめたら、速度を落として道の左側を注意していよう。
「不動滝入り口」という木製の看板がある。
その看板にそって左折。
集落に入るので何度か道を曲がることになるが、そのつどちゃんと案内があるので、安心だ。
冬場は最後の民家のあとは除雪していない。4WD車なら様子をみて進んでも大丈夫だが、もし心配な場合は民家の人に一声かけてその場に駐車して徒歩で進んでもそれほど時間はかからない。
自動車で行った場合、駐車場は、うまくすれば5台ほどとめられるスペースがある。
そこから先は足跡をたどることになる。
おそらく凍っている時期にはアイスクライマーがいると思うので、足跡が無いということはないだろう。もし無かったら、行くのはあきらめたほうが無難。
雪道でも、駐車場から10分ほどで不動堂に着く。
不動堂からは岩場になるので、いっそうの注意が必要である。まちがっても足跡をふみはずさないように。

2005年氷瀑を求めてA その2 瓶子の滝 へ
2005年氷瀑を求めてA その3 船尾滝 へ

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