2005年夏の滝めぐり  その@ そのA善五郎の滝、番所大滝へ
三本滝



三本滝
これは本沢の滝。
ちょうどまん前に岩があって、
全体像が見えづらい滝である。
岩盤が赤茶色になっていて、
分岐して落ちる水の白さを
際立たせている。



大きさ比較。というか、状況写真。
手前の岩と右側の岩盤の間に
ダンナが立っている。



上のダンナの位置から見ると
岩と岩にはさまれて、
直瀑に見える。




こちらは、いちばん右側にある
黒い沢の滝。
緩やかな斜面を緩やかに落ちる。
赤い本沢の滝とは、
本当に対照的な滝である。
この写真は滝の前の小山の
頂上から撮影したもの。



これは滝の直下で撮影。
上の部分がよく見えなくなってしまう。
本当に触れる距離まで近づける。



苔が生えていて、
涼やかな感じだ。



小山の上からだと
本沢の滝と黒い沢の滝の
いいツーショットが見られる。



  
2005/8/13 三本滝 長野県松本市

この年の夏休み、新潟県は不安定な気象に終始して、毎日大雨洪水警報が出ていた。我々の住む地域も例にもれず、いつどこで土砂降りの雨になるかわからない状況である。せっかく4日間仕事から解放されるというのに。
ただ、我々にはどうしても日帰りでないと行動できないという制約が今年はあった。飼い猫が缶詰のごはんしか食べられない状態で、留守番させられないのである。そのおかげで宿を予約しているわけでもなく、いきなりその日の朝にどこに行くか決められる状況にあった。
さて、夏休み初日の8月13日。朝起きて、どんよりと曇った空を見上げて、今日は私の実家にお盆の挨拶に行こう、ということになった。で、電話もして、完全に滝を見る予定など入る余地はなかった。が、電話をしたあと、天気予報で長野県に晴れマークが出ているのをみつけてしまった。
あ、長野が晴れる。
ネットで調べると、降水確率も低い。
長野に行こう。お日様を見よう。
実家に電話した15分後にまた電話する羽目になった。「すみません、今日は行けなくなりました」
どうせ長野に行くんなら、長野でどういうわけか見ていない有名どころの滝がいい、ということで、番所大滝を見に行くことにした。起きて1時間後には高速道路上にいた。
さすがに大雨警報が出ている県内、呪われているとしか思えないほど土砂降りの雨に打たれながら長野を目指す。本当に長野は晴れているのか?
晴れていた。
いや、晴れ間のある空模様だった。
が、新潟よりもずっと空気が軽い。雨が落ちていないだけでもほっとする。いったい新潟と長野でどんな行いの違いがあるのかと思わせられるくらいだ。新潟は神様に疎まれているのかもしれない。
松本で高速道路をおりて、スイカの名産地の波田町で、ついスイカにひっかかって購入し(ものすごく甘くてさっくりした美味なスイカでした。)乗鞍高原へ。
今回は番所大滝が目的だったが、どうせここまで来たんだから百選の滝の三本滝も見て行きましょう、ということになった。本当に行き当たりばったりである。
三本滝に行ったのは2000年だから、もう5年も前のことだ。5年前には県道84号は全線通行が可能で夏スキーの渋滞にハマってしまった。
しかし、今は、この三本滝への入り口のレストハウスまでしか自家用車は通行できない。この先に行きたい場合はバスの利用になる。
  
レストハウスの向こう側から三本滝への遊歩道に行ける。

そんなわけでほとんど全く渋滞もせずにレストハウスに到着したのは午後1時近くだった。約15分、木道になっている遊歩道を歩くと、つり橋に出る。このつり橋の下にも立派な滝が落ちている。
    
  
遊歩道はこんな感じ。木道があるのだが、木道よりも脇の土の部分のほうが歩きやすい。

当初この滝が三本滝の一本だと思っていた。いや、実は行ったこの日もそう思っていた。色々な人のレポを読んで無名の沢の滝が三本目だと知っていたはずなのに、である。
それだけこの滝に名まえが無いのが可哀想ということで勘弁してください(笑)
  
  
一瞬水が赤茶色に濁っているのかと思ったが、川の底が赤茶色の岩盤なのだ。
  
すぐ上をつり橋が渡されている。

つり橋を渡るとすぐに木々の向こうに滝が見える。落差のある滝のスクリーンだ。これは、黒い沢の滝。高い位置からゆるやかに分岐しながら落ちてくる優美な滝だ。
黒い沢の滝の前にある小山をぐるっと回る感じでちょっと登ると本沢の滝が見える。
スパーンと豪快に落ちる滝だ。
岩盤の白みがかった茶色が透けて見える。
ちょうど滝の方向から風がふいていて、飛沫がどんどん飛んで来る。
夏休みであるため、滝前には10人近く人がいた。
岩を少し下りていくと、右側に落ちる黒い沢の滝のまん前に出ることができる。じかに触ることができる距離である。
間近に見ると太陽の光を浴びて水がキラキラ光ってとても綺麗である。
この滝の水は小山を挟んで本沢に二手に分かれて流れこんでいる。一方は本沢の滝の近くで、もう一方はつり橋の近くで本沢に合流する。この滝に近いほうの流れを跨ぐと、本沢の滝に近づける。
が、ちょっと勇気が必要でなかなかそれが跨げない。
ダンナがひょいひょい行くのを指をくわえてみていたら、私よりも確実に年齢の高そうなオバサンがおっかなびっくりといった風体で沢を渡り始めた。こら、そんなに怖そうに渡るな。いっそ濡れてしまえば楽だろう。
なんて思っているうちに、楽に渡れそうな気がしてきた。
よいしょ。
かなり楽に渡れてしまった。
渡ったからには、行く場所がある。
本沢の滝の前には、小さな松の木が一本立っている岩が立ちはだかっている。こいつのせいで本沢の滝の全貌がよく見えない。
この岩の松のもとに何人もの人が登っているらしく、ちゃんと道ができている。そこに行ってやろうじゃないか。
意気込んだわりに、簡単に登れた。
本沢の滝の滝つぼが見える。
思っていたより滝つぼは深くなかった。
ギャラリーが多いので、それほど松の近くにいられない。とりあえずダンナにピースサインを出して岩を下りた。
  
観光客がたくさん見ていて、こっぱずかしい。

さて、撮影も終えて戻ろうとした時、滝前に来るときに使った道から分岐している踏みあとをみつけた。
黒い沢の前にある小山に登る踏み跡らしい。
もちろんそちらにも行ってみた。
  
  
青い矢印が本沢の滝の前にいく道。赤い矢印が黒い沢の滝のそばを通って、小山に登る道。案外こちらには観光客は来ない。

小山の上まで行くと、黒い沢の滝がいい形で見える。それに、うまい具合に本沢の滝とツーショットが撮れる。他の観光客もいないので、ゆっくり撮影ができた。
それにしても、三本滝の残りのもう一本無名沢の滝はどこにあったんだろう。どうも本沢の滝の左側の木立の中に落ちているらしいのだが、気がつかなかった。
三本滝だというのに、二本しか見ていない。滝好きとしては、ちょっと失敗した気分である。でも、きっと追加取材はしないと思う。今回も思い立ってついでに来ただけだったりするのだ。
それでも、あっちこっちから撮影できる三本滝は、これだけで一日過ごしてもいいほど楽しい滝である。乗鞍に行ったら、かならず寄るのをオススメする。
交通
長野自動車道松本ICをおりて、国道158号線で上高地方面に進む。スイカの名産地波田町を通り過ぎると、道の駅「風穴の里」があるので、そこで情報収集をするとよい。
途中、トンネルとトンネルの間に左折して乗鞍高原に向かう道に入る。県道84号である。乗鞍高原、と必ず道案内があるので、見落とさないようにすれば間違わない。
この高原の道のマイカーで行ける行き止まりが三本滝である。


      

      
  三本滝への遊歩道にはたくさんの花や蝶がいた。(蝶はレストハウスの周りにたくさんいた)

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