2004年秋の福島浜通り滝めぐりその3
  その2 木戸川渓谷の滝たちへ 背戸峨廊滝オフ  





とっかけの滝
思っていた以上に大きくて
豪快な滝だった。
落差10メートルというが、
もっとあるだろう、と思わせられる。
この滝の高さをそのまんま梯子で登る。



落ち口。
なかなか複雑に岩が水を分岐させる。
黄色い葉っぱがアクセント。



長い梯子を登りきったあたりで
とっかけの滝を横から見て撮影。




釜ん淵の下流に落ちる滝。
ちゃんと名前が無いのが不思議。
水がきゅっと集まって、
いやでも迫力の水量になっている。



上の写真と同じみたいですが、
手前の木の幹の緑色が
私的に気にいっているんです〜。




順番めちゃくちゃですが、
とっかけの滝より下流の流れ。



私がジーンズを濡らした場所。
廻り淵というらしい。






籠場の滝
ろくでもない写真ですみません。
道路からではこれくらいしか
見えなかった。
道路から降りればもう少しマトモに
見えただろうが、雨だったのでやめてしまった。



これは籠場の滝の上流の滝である。
道路にある滝の看板の場所からは
こちらのほうが見えるだけで、
肝心の滝は落ち口の上なので
全く見えない。



で、やや下流にある少し路肩が広い
場所まで行くとかろうじて
これくらいが木々の間から見える。
河原の岩に降りればもう少し見えるかも。

2004/11/14 背戸峨廊 滝オフ いわき市 

いよいよ滝オフの朝である。
前日の土曜日はものすごくよく晴れていた。天気が下り傾向であるとは信じられなかった。目が覚めても晴れているものと思っていた。が、宿を出るとぽつぽつ雨。道路も濡れている。本当に雨になってしまった
予報では曇りのはずだったのに、もう降り出している。降雨確率30パーセントの予報でも、今降ってしまっていては100パーセントではないか。
それでも現地まで行けば晴れるかもしれないし。とにかく背戸峨廊までの道を急いだ。

県道35号、41号と進んで、夏井川を左に見ながら背戸峨廊を目指す。夏井川には白鳥が飛来している場所などもあった。いよいよ渓谷らしい雰囲気になったところで背戸峨廊と書かれた看板と駐車スペースを発見。ただし、背戸峨廊は夏井川にはなく、夏井川に注ぐ支流にある。県道41号から林道に入ることになる。
林道はそれほど自動車で走らない。ほとんどすぐに駐車場になる。かなりの台数とめられる駐車場だ。立派なトイレもある。
すでに金さんのキャンピングカーもあり、なんちゃんやはせやんさんも到着していた。唯一、初めてお会いする雪田爺さんもかなり早い時間に到着していたらしい。あいさつを済ませたが、空からは大粒の雨が降って来る。
少し遅れるから先に行っていてくれと連絡があったすぱ様を待ちながら空模様をながめることにした。

  
背戸峨廊の駐車場。

  
渓谷への入り口と背戸峨廊と書かれた碑。

雨が降るとさすがに東北である。寒くなってきた。
そんな時に「伴駈巣」は大活躍である。今いる6人を全員収容できて、暖かく待つことができる。車内で富士山の水でコーヒーを沸かし、滝談義をしながらすぱ様を待つこと小一時間。ちょっと寄り道して紅葉の滝を見て来たすぱ様がやって来た。我々に追いつくためにさっさと仕度をして歩き出す彼を窓から見ていたが、ほおっておくと本当に行ってしまいそうなので呼び止めた。
雨はまだ降っている。
ちょっとそこまでの滝であればなんてことはない雨なのだが、背戸峨廊は鎖場や梯子が多い場所で一周するのに3時間以上かかってしまう場所だそうなのだ。この雨では無理だろう。
そこで、一番近くでこの渓谷の主瀑とも言える「とっかけの滝」あたりまで行って引き返そうということになった。
とっかけの滝までなら傘があっても大丈夫という話なので、傘をさしてかなりの軽装で出発した。

出発地点では道は沢から少し離れているが、すぐに沢沿いになる。そしてすぐに小さな滝に出る。廻り淵じゃないかと思われる。
さっそく滝好きが撮影モードに入った。こりゃすごいや。テキパキと三脚を仕立てていく。
傘を持ったダンナの代わりに私が三脚を運んでいたので、ダンナにも三脚を渡そうと岩の上を歩いていたら・・・・。あとは全てを書きますまい。想像におまかせします。

  

  
滝を撮影する面々。上の写真川の中にいる黄色いのは雪田爺さん。

尻を打つわジーンズは濡れるわで散々な格好になってしまったが、とにかく上流のとっかけの滝を目指して歩いた。写真を撮影しながらなので、滝と滝の間の時間はさっぱりわからないが、それほど距離は無かったと思う。途中で一般の人コースと滝登りコースの分岐があって、迷わず滝登りコースに進む。
金さんの話では、一般コースからはとっかけの滝やその上流の滝などほとんど見えないらしいのだ。
背戸峨廊にはあまり大きな滝は無いと聞いていたので、豪快な滝は期待していなかったのだが、目の前に現れたとっかけの滝は豪快そのものだった。
幅広い川がそのままザバザバ落ちている。
しかし、岩肌にぶつかって分岐し、豪快ながら美しい模様も描いている。こんなにすごい滝だったとは。
ふと気付くと滝好きはまたしても撮影モード。おお、すごいぞ。川に躊躇無く入っていってベストポジションを探している。やっぱり納得する写真を撮影するには、川に入ることをためらってはいけないのだ。
もっとも私は普通のトレッキングシューズなので、脇で見ていたけれど(笑)

  
滝つぼど真ん中まで入って撮影中、はせやんさん。

ふと気がつくと、あとから追いついて来た熟年女性の一団がとっかけの滝前で記念撮影をしている。ありがとうございました、との声をかけているのでよく見たら、ちゃっかり金さんが撮影係りになっていた。

このまま戻れば渓流沿いの今来た道を戻ることになる。滝の横にある梯子を登って、釜ん淵に行けば、一般道と合流しているので、それで下山できる。当初の予定通り、背戸峨廊の気分をちょっと味わうために梯子を登って上流に行くことにした。
この梯子、ちょっと見はキツそうに見えるが、存外楽に登れる。両手が自由に使えたら簡単だろうが、この日は三脚を片手に持っていたので、ちょっと難儀した。

梯子をいくつか登って釜ん淵の下に。これが立派な滝になっている。
岩と岩できゅっと狭められた場所を水が駆け抜けて行く。とっかけの滝とは違った変化のある美しい滝である。
ただし、この滝を見るのは、登山道の真ん中しか場所がない。
この日はトレッキングツアーがごっそり終結した日らしくて、次から次に熟年から老年に達したであろうハイカーたちが細い登山道を登って来た。
邪魔にならずに三脚を立てるのは至難のわざである。
私たちはこの場所でとっかけの滝を撮影中の滝好きを待っていたのだが、道の横にそれて立って、ハイカーたちが通り過ぎるのを待たなくてはならなかった。ハイカーが通るたびに「こんにちわ」とにこやかに声をかける。なにせ、とっかけの滝のわきの梯子をひいこら言って登って来た人たちである。冷たい態度はとれない。
いったい何回「こんにちわ」と言っただろう。100回くらいは言ったと思う。それでもまだ下を覗くとたくさんのハイカーが続いて来る。
なんなんだ、この状態は。
こんな雨だというのに。ハイカーたちはきっちりと雨仕様の装備に身を固め、もくもくと登る。付け加えると目の前に落ちているとても美しい釜ん淵の滝には目もくれない。どんどんと歩いて行く。せめて、綺麗だとか言ったり、スナップでいいから写真を撮ったりしてくれないもんかなぁ。この人たちは、ただ歩きに来たんだろうか?ものすごく不思議である。

  
とっかけの滝の上から下をのぞくと、ハイカーが登って来るのが見える。

  
釜ん淵の下の滝を撮影中の黄色い雪田爺さんと青いはせやんさん。上からでもよくわかります。

少しだけ待って、もう少し上流の釜ん淵に出た。やや川の流れがゆるやかに広くなっている場所で全員が合流する。
ここで協議だ。これから先どうするか。
雨は小雨から小康状態になっていた。行こうと思えば充分に行ける天候である。
だが、とっかけの滝で戻るつもりだった私たちは水も食料もタオルも持たず、しまいにゃあ傘は持っているわ三脚は手持ちだわのコースをバカにしきった格好である。
空腹を我慢してでも先に進める、と判断した(笑)はせやんさん、雪田爺さん、なんちゃん、すぱ様の4人が先に進み、それは無理だろうと判断した金さんと私たち夫婦が戻ることにした。

と、いうことで、我々の背戸峨廊オフはこれまでである。ここから先の伝説は、各参加者のレポートに詳しいはずである。
釜ん淵のあたりで滝登りコースと一般コースの道が合流している。我々と金さんは一般コースを利用して下山した。おかげで極彩色の装備をしたハイカーとすれ違うことは殆ど無かった。

  
帰りの道からは釜ん淵の下の滝もこんなもんしか見えない。

駐車場に戻っても続々とハイカーがやって来ていた。下の駐車場やら駅から徒歩でどんどんとやって来る。どうも紅葉の背戸峨廊はもっとも混雑するシーズンだったらしい。知らないで来てしまった我々がいけないのかもしれない。雨だったからこそ、こんなものですんだのかも。もしかしたら、朝から駐車場難民をさせられたかもしれない。
もっとも、背戸峨廊の紅葉状態は、まばらだった。緑のものもあれば、黄色のものもある。赤く色づいたモミジはほとんどなかった。むしろ夏井川のほうが見事だったようだ。
  
紅葉はいまひとつだった。

駐車場で金さんとも分かれ、かなり早くに出発することになったので、夏井川にかかる「籠場の滝」も見ることにした。が、こちらは、よく見えないうえに、発泡スチロールのゴミが浮いていて、あまり気持ちのいい滝ではなかった。
そのまま夏井川をさかのぼる形で県道41号を進み、小野ICで磐越自動車道に乗った。阿武隈高原SAで背戸峨廊で食べるはずだったおにぎりを食べて、あとはひたすら帰るのみである。
それまで曇りがちだった空が、高速道路で青空になってしまった。
ああ、背戸峨廊も晴れているんだろうか。こんなことなら無理しても行けばよかった、などと後悔する。
しかし、後悔したって仕方のないこと。なに、そんなに遠くない隣の県だもの。また来る口実ができたというものだ。と、前向きに考えることにした。

まだ時間が早かったので、新潟の滝を一つ見て福島のお土産を実家に持っていって、と、かなりゆっくりと滝オフ後の時間をすごしてしまった。

福島浜通りの1泊2日、滝オフ自体はかなり消化不良だったが、意外に楽しめた2日間だった。オフに参加のみなさま、途中で戻りましたが、色々とお世話になりました。また呼んでくださいまし。
                  2004年秋の福島浜通り滝めぐり  終
交通
背戸峨廊
 最寄ICは、磐越自動車道の場合は小野ICが都合がよいだろう。県道66号を経て41号となる磐城街道をそのままいわき市に向かって進めば到着する。
背戸峨廊に出る前に籠場の滝もある。
常磐道を利用する場合はいわき中央ICが近いんじゃないかと思うが、我々は利用していないので、わからない(こらこら)
いわき四倉ICから県道41号を利用する道はほとんど交通量もなく、快適であった。
県道41号沿いに大きく『背戸峨廊』と看板が出ている駐車スペースがあるので、まず迷わない。
最も近い駐車スペースは県道から夏井川とは反対側の林道に入って少し登った場所にある。ここの入り口にも看板があるので大丈夫だろうが、小野ICから来る場合は看板が裏の可能性もあるので、とにかく注意して左側を見ていよう。背戸峨廊の県道沿いの駐車場が見えてしまったら行きすぎである。


背戸峨廊オフ参加者
金さんはせやんさん雪田爺さんなんちゃん、すぱ様、んがお工房。(計7名)

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