2004年秋の福島浜通り滝めぐりその2
  行司ケ滝へ 木戸川渓谷の滝たち滝 その3背戸峨廊へ 




雄滝・雌滝
一応、雌滝も流れてます(笑)
右側にちょろっとだけですが。
水量の多い時期なら出現しそうだが、
今後、上流のダムの具合では
本当になくなってしまう可能性もある。



雄滝のアップ。
男滝と紹介されているものもあるが、
現地の錆ついた案内看板の表記に
雄滝とあったので、それに準じた。
落差は15メートルほど。



紅葉はこのくらい。
落ちてしまったものも、まだ緑のものも。
川に落ち葉がたくさん浮いていた。





布滝
木戸川の対岸に落ちている。
落差は20メートルほど。
岩盤をするっと流れ、本当に布を連想させる。



赤いもみじのかんざし。




九竜の滝
いやはや、本当に真っ暗でして。
ダンナのカメラで5秒というシャッタースピード。
見た目よりずっと明るく撮れているのだ、これで。
落差50メートルというが、
上のほうは見えなかった。



私のカメラの限界。(笑)
滝が木戸川に落ちる部分。

2004/11/13 木戸川渓谷の滝たち 楢葉町 

さて、午後3時頃葛尾村と浪江町の境にある行司ケ滝の入り口を出発した私たち。日没前には木戸川渓谷に着きたいと道を急いだ。
紅葉の美しい高瀬川沿いを下り、県道35号に出てひたすら南下する。ちょうど左側に常磐自動車道の高架が見え、手持ちの地図ではまだ建設中であるはずの高速道路にしっかり自動車が走っているのも見えた。高速道路を利用すれば少しは早く着けたかもしれないが、幸い県道35号も信号のない快適な道路だったので、古い地図に文句は言わない。
木戸川渓谷への入り口は少し不安があったが、木戸川ダムの建設用の自動車を案内する看板があったので、すぐに分かった。
とにかくダムに向かえばいんだろう。と、山を登る道を行く。が、途中で川をさかのぼる道とダム工事の道が分かれてしまう場所に出た。ありゃりゃ、どっちに向かえばいいんだ?ちょうど草刈をしていた地元のおばちゃんがいたので道を尋ねると、今は工事のために大滝神社までしか行けないとの答え。神社までいけるのならそれでいい。とにかく示された方向に向かった。

すると、いきなりトンネルが出て来た。このトンネル、まだ建造途中のようでなんだか照明が少ない。コンクリートもむき出しである。我々の前を走る自動車のおじさんがいきなり車内でヘルメットを装着するのが見えた。おや、工事関係者か?とにかくついて行ってみよう。もしダメならば止められるだろう。
照明もまばらなトンネルをぬけ、しばらく走る。もちろん工事関係者とおぼしき自動車はゆっくりのペースだったが、追い越さない。しかし、車両がたくさん止めてある場所でその自動車は止まってしまった。
まだ大滝神社も出てきていないし、その人に止められることもない。我々は先に進むことにした。
そこから何分も走らずにいよいよ本当に通行止めの場所に来た。ふと左を見ると大滝神社の鳥居がある。通行止めの場所に立っているおじさんが駐車場所を指示し、さらに、
「神社を参拝するだけですよ。その上流には絶対に行かないでください。今上流で工事をしていて、発破する可能性があるんです。危険です」としつこいくらい言われた。
発破とは怖い。
だが4時少し前で薄暗くなっている参道や錆ほうだい錆びている案内看板のほうがもっと怖い。
こんなに薄暗いのに、どういうわけか家族連れ一組ともう一台の若者が大滝神社に向かおうとしている。急がなくちゃ。

  
通行止め箇所。おじさんが本気で静止する。

  
神社の鳥居と錆びた案内図。

鳥居から山道を3分も下ればもう大滝神社だ。木々に囲まれて、建物は薄暗く不気味だ。不気味なので無視して(こらこら)その裏に回って上流の方を見た。
おお、立派な滝である。大きな岩に滝が二条になって落ちている。なるほど夫婦滝か、と納得した。左が雄滝、右の細いのが雌滝だろう。
あとで金さんにうかがった話によると、上流の工事の関係からか、右側の雌滝はめったに出現しないらしい。一筋しか見えなくてもあっただけラッキーかもしれない。

発破の危険があるといわれたが、この上流には明神滝という滝がかかっているはずである。こんなに暗くて発破もないだろうし、もしするにしてもサイレンの一つも鳴るはずだ、と、少し上流まで歩いてみた。が、少し歩いても滝が見えなかったのでやめておいた。工事関係者に見つかって怒鳴られても気分が悪いじゃないですか。いや、行っちゃいけない所に行くほうが悪いのだが。

参道に入ってすぐの所に布滝へ行く分岐があったので、そこまで戻り、布滝へ向かう。薄暗いので近寄らなかった大滝神社の建物の反対側に行けば、実は布滝には簡単に出られたらしい。そんなこと知らないので、戻ってさらに下るまねをしてしまった。ぐるっと回ってしまったが途中に「じい杉、ばあ杉」という大きな杉を見ることができた。

  
推定1000歳のじい杉、ばあ杉。

  
その間を歩いてみる。

  
布滝前。あの階段が神社から伸びているのだろう。

川に出ると正面に布滝が落ちていた。川の本流ではなく、対岸の岩から落ちる滝である。するするっとまっすぐに岩をすべり落ちていて、なかなか綺麗だ。
もし明るければ、赤く色づいたもみじがポイントになってもっと綺麗に見えただろうが、いかんせん薄暗い。とにかく薄暗い
そこそこに撮影して、次に向かわなくては。

ひいひい言って駐車スペースまで戻り、自動車を下流に向けて発進。自動車の中で他の滝の場所を確認すると、九竜の滝というのがあるはずである。落差50メートルというから見逃せない。ゆっくりと走っていると、九竜橋という橋を発見。そのたもとに滝への道の看板も見えた。
が、工事関係の資材運搬ようの仮設レールと運搬車がデンと上にはってあって、それをくぐらないと滝への道に出られないようになっていた。ふと前方を見ると工事関係の自動車の数がかなり減っているので、工事は終了した模様。運搬車も動いていない。
むしろ夕刻であったのが幸いしたのだ、と、勝手に判断して、そのレールをくぐった。

  
九竜橋。この橋の両端から九竜の滝に降りられる。

  
上流側の端にあった滝の名前の看板。その向こうのオレンジ色のやつが工事運搬用のトロッコみたいなもの。
日没までは秒読みである。
転げるようにして道を急いだ。
いきなり鉄製の階段が出現したが、これが怖い。やや前方にむかって斜頚していて、段が水平ではないのである。暗い上に急いでいるので転びそうになる。そこから先がまた林になっていて、足元がわからない。
とにかくなんとか川に出た。
おお、あったあった。対岸に滝が落ちている。
人の目ではしっかり見える。見えるが、上のほうは木々に隠れてよくわからない。
さて、カメラを構えてみるが、こんな真っ暗では写るもんか。一応撮影してみたが、これが限界といった感じだった。

九竜の滝の入り口に芦げの滝という案内もあった。まず入り口で道が分岐しているが、その道はしっかりと進入禁止のロープが張ってあった。九竜の滝から川沿いに遊歩道が伸びていて、そこからなら芦げの滝まで行けるかと少し進んでみたが、遊歩道が完全に崩落していて行けなかった。
ダム建設もいいが、この遊歩道や階段も直して欲しいものである。

滝を見終えて自動車に着いたのは5時少し前。日没の早い山間部ではほとんど真っ暗である。ふと気付くと工事関係車両が全くない。もしかして、閉じ込められたらマズイ。慌てて自動車で下ると、なんと入り口で戸惑った照明が少ないトンネルは、今度は照明が全部消されていた。真っ暗である。まあ、自動車なのでライトがあるが、これはちょっと怖い。それでも閉じ込められることもなく、無事木戸川ダムの工事現場を脱出。あとは、明日の滝オフのために前泊する人が集まる「道の駅ならは」に向かうだけだ。

早めの夕食をとって、道の駅に到着すると、すでに今回の滝オフ幹事の金さんのキャンピングカー「伴駈巣」は到着していた。なんちゃんやはせやんさんも来ている。「伴駈巣」の中で今日の成果やら滝談義をして盛り上がったのだが、我々はそこそこに宿に向かった。
今日のお宿は、道の駅からは目と鼻の先の広野町にある旅館である。道の駅ならはの温泉には入らずに、こちらのラジウム温泉に浸かり、明日のために早々に就寝した。

                   その3 背戸峨廊滝オフへ
交通
木戸川渓谷
 最寄ICは、常磐自動車道広野ICになると思う。ここから県道35号に出て、楢葉町方面に進む。あとはひたすら「木戸川ダム」の案内が出て来るのを注意するしかない。案内を左折して山を登ると木戸川ダムである。
県道35号で木戸川を渡る橋が目印にならないでもないが、意外と小さな橋なので見落とす可能性もある。この橋は右がわが田んぼで開けていて、高い位置に常磐自動車道が走っているのが見えるので、それも目印になるかも。
あとは大滝神社を目指せばよい。大滝神社の道案内はしっかりある。
ただし、木戸川ダムの工事中なので、場合によっては通行止めなっている可能性も大きい。あらかじめ確認してから行ったほうが無難だろう。
各滝は駐車スペースからそんなに歩かないので、気楽な格好で充分だ。


  
   明るければ、紅葉も綺麗だっただろう。

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