棚下不動滝(雄滝・雌滝)
棚下不動滝 (雌滝) これは雄滝に向かう坂道の途中から ズームで撮影したもの。 水量が少なく、途中で水は 散ってしまっていた。 上の写真の引き。 結局この場所が一番姿よく雌滝が 見える場所だった。 最も滝に近づいた場所で撮影。 手前に雑木があって、よく見えない。 棚下不動滝 (雄滝) 更衣室の対岸から撮影。 風に吹かれて流身が右に左にゆれる。 裏見できる場所である岩窟の暗闇が 滝の白さを引き立てている。 大きさ比較。 タバコ役は一緒に滝見することになった アベックの彼女。 この水の量に打たれたら 脳震盪おこしてしまいそうだ。 裏から。 空が真っ暗になってしまっているが、 まだ3時少し前。 これも裏から。 滝つぼを見下ろしてみた。 右側の小屋が更衣室。 この滝つぼに立つのか? やっぱり脳震盪を起こしそう。 落ち口。 細くなった場所から ぶわっと吹き出ている。 12月も後半なのに、 まだ紅葉が落ち残っていた。 風に乗って、落ち葉が舞う。 滝も左右に揺れる。 帰りの坂道から見下ろした利根川。 棚下不動滝が落ちる断崖は、 きっとこの大河が作ったものだろう。 |
2004/12/19 棚下不動滝 雄滝(落差37m)、雌滝(落差40m) 今年も残すところ10日あまり。今年の滝をしめくくる滝見をしたい。行きたい県内の滝は主だった所は10月にあった地震の影響を考えて近づかないほうがいいだろうし、さりとて遠い県外に行く時間もない。 だが、ちょうど東京に行かなくてはならない用事があり、その帰り道気楽に見ることができる百選の滝があった。 群馬県の棚下不動滝である。 この滝は関越自動車道のICからさほど離れていないし、駐車場からも遠くない。実にお手軽かつ百選の滝を見たという満足感も得られる滝である。夏の台風の影響で裏見の滝の裏側にはいけないという情報はあったが、行ってみてから判断すればよいだろう、と思っていた。 さらに、前回来た時はまだまだ滝素人(笑)だったため、雄滝で満足してしまい、雌滝を見てさえいない。これはいくらなんでも片手落ちである。ぜひとも雌滝もきっちり見ておかなくては。 そんなこんなで、東京を出発したのがお昼頃。滝の駐車場に着いたのは午後2時を回ったあたりだった。午前中までよく晴れていたのに、午後になって雲が出てきて、なんだか2時だというのに夕暮れのような感じになってしまっている。 駐車場には先客の自動車が3台もいたので、雄滝はあとまわしにして雌滝からにしようということになった。 雌滝への道はない。が、滝をめぐる仲間のえーちゃんのページで雌滝の滝下へも行けることがわかっていた。ページをコピーして参考にしている。 なになに、「雄滝駐車場入口から歩いて少し坂を下ると右に別の小さな沢があります。そこから竹林の中を沢から離れないように道を選んで10分程さまようと滝壺に出れます。道らしい道ではありませんが難しい道ではありません。」(えーちゃんのレポートより) その通りに小さな沢を発見して、沢沿いに歩きだした。沢のどちらの岸なのかわからなかったので、とりあえず歩きやすそうなほう、沢を右手に見ながらの岸を歩く。 県道からの進入点。橋になっているのですぐにわかる。 最初はものすごく楽だった。沢が護岸されているので、コンクリートの上を歩けばいいのだ。が、すぐにそれは終わって、目の前が倒れた竹でいっぱいになった。 沢は大きな石がゴロゴロするものに変わっている。こちらの岸は目の前が崖になってしまっていて、しかも、どうも最近崩れたらしく土がむき出しになっていた。仕方が無く対岸に渡る。沢は小さいので苦労しない。だが、対岸もけっこうな急斜面で上に登る必要がある。 おいおい、難しい道ではないって書いてなかったか? 幸い竹が林立しているので、急な斜面でも竹をつかみながら登ることができる。なんとか沢のかなり上に出た。 雌滝は見える。だが、滝の下まで来た気はしない。 滝の下まで行こうと思うと、さらに急な斜面をまだまだ登る必要がある。 ちょっと待て、今日はお気楽な滝見じゃなかったのか。この上を登るとなると、軍手が必要だし、ジーンズも泥だらけになるだろう。(それほど垂直に近い小山状の竹やぶなのだ) やめよう。あっさり決定してしまった。 我々の立っている場所は沢から垂直に10メートルくらいはある崖の上である。土と竹の崖なのであまり危険は感じなかったが、さらに上に行けば行くほど危険になるだろう。 そこで何枚か雌滝の写真を撮影した。 雌滝の前には何かの取水口のパイプなのか、コンクリートの橋のようなものがあり、その下も滝になっていた。ただ、竹が多くて、視界が開けていない。こりゃあ遠望のほうがずっといいぞ。 上の切れ込みが不動の雌滝。真ん中に横に直線が入っているが、コンクリートの人造物。その下を滝状の沢が落ちる。 帰り道は沢のそばではなくできるだけなだらかな場所を選んで竹やぶを下りて行ったが、決して簡単な道のりではありませんでした。恨みます、えーちゃん(笑) だが、考えてみれば一見しただけでかなり高い位置から滝が落ちているのが分かるのだ。その滝つぼまで行こうと思うならかなり登る必要があることくらい予想できる。ちょっと我々が甘かったと言えよう。 駐車場の近くにあった案内図。雄滝と雌滝の間には岩山があるのだ。 気をとりなおして駐車場に戻る。ちょうど滝から降りて来た一家のお父さんが「今行くとこれがいますよ」と言って両の掌を胸の前で合わせて教えてくれた。 え、信者が来ているのか。と、いうことは滝行が行われているのか?それってものすごくラッキーではないのか? 正面から写真撮影ははばかられるが、こっそり撮影したいものだ。 駐車場から坂道を登り、不動堂が建つ所まで来た。以前来たときにはなかった立派なトイレができていた。もしかしたら不動堂より立派かもしれない。 このあたりに「台風8号の影響のため危険なので滝つぼには近づかないように」という旨の看板があった。滝つぼには行けないのだな。いや、待て。滝行の人たちがいるんじゃないのか?信者なら危険じゃないのか? 木に隠れそうだが、不動堂の右上に滝が見える。 妙に不自然な柵が不動堂の前にあったがあまり気にも留めずに階段を登り始めた。この階段が長い。途中で休憩でもしないと登りきることができない。 階段。そのまた上も階段。 階段を登りきると10人ほどの人たちが焚き火を囲んでいた。髪が濡れているのを見ると本当に滝行をしたらしい。みんな若い女の子だ。 ふと滝前の更衣室を見ると横にたった今滝行を終えたらしい男性が着替え終わって髪を拭いていた。あ、惜しい。どうも彼が最後だったらしい。雌滝を先に見に行かなかったら、滝行を見れたかもしれないのに。いや、真剣な信仰の場を興味本位で見物してはいけない。むしろ終わった所だったのがよかったのかもしれない。 男性は滝つぼまで下りる階段の途中につんである大きな木片を2つ持って行き、他の人のあたる火にくべた。そういうしきたりらしかった。 滝行の人がいるのだから、滝つぼに近づくなというのは、はっきり言って無視していいと判断した。サクサク滝つぼまで下りて行く。 我々のあとから来たカップルも我々を見習って降りて来てしまった。 カップルにシャッターを頼まれたりしながら写真を撮影。 ふと見ると信者の一人の女の子が滝の裏側に走って行く。裏側から反対側にまわり、向こう側に降りて行ってそこに立っている不動様の像に祈りを捧げていた。 あ、行けるんだ。 滝好きは裏に行ってもだれも怒らないことを見てしまった。 もとより、滝の裏に行ってはいけないというような貼り紙は無い。 焚き火を囲む信者の横をこそこそ通って、滝の裏に出た。 裏見の滝の裏側に行かない手は無いではないか。 それにしても、裏から見ると滝つぼに注ぎ込む滝の水の量はとんでもない。これに打たれたら、人生の見方が変わるかもしれない、などと思う。 さっき女の子が下りて行った場所から更衣室のある場所の対岸まで降りてみた。 こちらからは滝の前にあるまだ散りきっていない紅葉した木が滝にかかって、実に美しい。信者さんの邪魔におもっいっきりなっているな、とは感じたが、かなりゆっくり写真を撮影してしまった。 さて、充分堪能したし、帰ることにしよう。また信者たちの横をこそこそ通って階段を下りる。階段を下りきって、ふと見ると、あらあら?何これは?階段の横にロープがわだかまっている。不動堂の前にあった不自然な柵からロープは伸びて階段の前を横切るように取り付けられていたらしい。しかも、「ここから先に入るな」という旨の貼り紙もあったらしい。 あらいやだ。気がつかなかった。(本当です) どうも信者が滝行するために立ち入り禁止のロープは取り外されていたらしいのだ。 だれもいなければたぶんこのロープがはってあっても跨いで階段を登ったとは思うが、偶然にせよ堂々と滝つぼまで行ってしまった。いやはや、信者の人たちが注意しないのが不思議なくらいであった。 もっとも貼り紙の貼り主は氏子になっていたので、行政が危険と判断したものでもない。貼り紙を貼った氏子自体が滝そのものに打たれたりしているのだから、危険の度合いはしれたものだ。 ただ、裏見をする岩窟の天井は確かにごっそり崩れている箇所があった。近寄る場合は、単独では避けたほうがいいだろう。 階段の途中に洞窟のような場所があり、ここから雌滝に向かうのかしらん、と思ったが怖いので探索はやめた。また、階段が終わり駐車場までの道に雌滝に向かう方向に階段がつけられていたので、登ってみた。階段は祠のようなものの場所まで続いていたが、さらに雌滝にむかって道もついていた。が、崖にへばりつくようなとても危険な道で、しかもどこまで続いているのかさっぱり分からない状況だったので、先に行くことはやめた。 駐車場までの道に戻り、坂を下りて行くと、正面がスコーンと開けて雌滝がよく見えた。ここからが一番よく見える。苦労して滝下まで行く必要もないのかも、とその風景を見ながら思ってしまった。 階段脇の洞窟。小さく見えるが、人の背丈の2倍以上の高さはあった。 矢印の先に雌滝が見える。道は広く見えるが、幅は30センチそこそこだろう。 冬の日は短い。3時を過ぎたばかりだというのにほとんど夕暮れである。このあと、日本百名水である箱島湧水で水を汲む予定でいる。真っ暗になっても困るので、先を急いだ。(湧水のレポートはここへ) |
交通 最も近いICは、関越自動車道赤城IC。ICを出たら国道17号線方面へと左折する。いくつか交差点を通るが、「西原」という交差点で右折。県道255号に入る。県道255号は集落の中を通る細い道だ。やがて左に利根川やJR上越線を見ながら崖沿いのような道を走るようになる。時々すれ違い困難な細い箇所もあるので注意が必要である。だいぶ走ったな、というあたりで右側に大きな看板があり棚下不動滝雄滝の駐車場になる。10台くらいとめられそうな駐車場だ。小さな赤い鳥居が目印である。 ここに自動車をとめて、歩いて坂道を進むとまず不動堂とトイレがある。不動堂の向こう側遠くに滝が落ちているのが見える。 滝つぼへは不動堂の脇の階段をひたすら登る。200段あるらしい。 看板は大きいので見落とさないだろう。 駐車場からも雌滝が見える。 自動車も通れそうな坂道を歩いて登る。 雌滝の滝下(途中まで)への行き方は本文中を参考にしてほしい。竹やぶなので、いらぬ疑いをさけるために筍の季節は行かないほうが無難。また、かなり急な斜面なので、足回りはしっかりしたほうがよい。沢の近くは転落したら危険なので充分に注意すること。 |