鈴ケ滝  



鈴ケ滝
初秋のわりに水量多い時だった。
贅沢にも、鈴ケ滝は水が少ないほうが
綺麗に見える、などと思ったりした。
んがお家のの滝ナンバー1番の滝である。




小滝
現地の看板によると、鈴ケ滝(大滝)と
鈴ケ滝(小滝)であり、この小滝も
鈴ケ滝ということになってしまう。
それはいささか無理やりの感がある。
一緒にしなくても、充分に美しいよい滝だ。


右端に名前の入った杭がある。
手前はモミジの木だ。
紅葉時は、もしかしたら、鈴ケ滝より
綺麗かもしれない。


滝つぼ近くから撮影。
きれいに末広がりだ。


岩盤にあたる水も優美。




鈴ケ滝の横顔。
林道を駐車場の先まで進んで行くと
見ることができる。


大きさ比較写真なんだってば。
赤い矢印の米粒がダンナです。


滝つぼは青く深い。


滝の落ちる岩肌は荒々しい。
空は真っ青。


その岩肌を上から見るとこんな感じ。
滝が切り裂いたようだ。


岩を水がすべり落ちている。


落ち口はものすごい高度感だ。
水が変化してなだれ込んでいる。


2004/9/23  鈴ケ滝(落差55m)、小滝(落差38m) 
んがお家にとって、大切な滝がある。滝めぐりの発端になった滝であり、いうなれば、我が家の滝ナンバー1番の滝だ。
鈴ケ滝。
言わずと知れた新潟の百選の滝の一つである。
だというのに、発端の滝だったがために詳しいレポートもなく、小さな写真一枚で紹介を済まされてしまっていた滝である。
必ず再訪しなくてはならない、はずであった。
だが、敷居が高かった。
まず、県北は遠い。細長い新潟県の北のはずれ近くにあるのが朝日村なのだ。次に林道が怖い。すれ違い困難な絶壁の林道を恐る恐る走った記憶が生々しい。おいそれと行く気になれない滝でもあった。
が、他県の滝仲間が次々と鈴ケ滝を訪れ、新潟の滝をレポートしている身としては、再訪しないわけにはいかなくなってきた。ちょうど朝日村にまだ未訪の滝があったので、その滝(新潟の滝74布曳滝)とあわせて、さわやかに晴れた秋分の日に出かけてみた。

指折り数えてみると、なんと、初めて訪ねた時から6年の月日がたっている。生まれた子供が入学するくらいの年月である。これはご無沙汰しすぎた。
なんて考えながら自動車は林道に入って行った。
あれ、こんな感じの道だったかしらん。かなり走りやすく感じる。いや、こんなもんではないはずである。途中、鳴海ゴールドパークに向かう道から分岐した先が未舗装で絶壁で怖かったはずだ。
あれ、そんなでもない。
当時、路肩には確かガードレールは無かった。今回もきっちりとしたガードレールは無いものの、ポールが立てられ、その間にワイヤーが渡されて道路と路肩の場所がよく分かるようになっていた。これだけで安心感がまったく違う。かなり恐怖感が無くなっている。
しかも、記憶ではあまり樹木が茂っていずに、崖が丸見えだったはずだが、樹木で視界が遮られ、これまた恐怖感を少なくしてくれている。ありがたい。
運転しているダンナにしてみれば、道は変わりないのだから、同じ程度の苦労はあるはずだが、助手席の私は手に汗握ることもなかった。
考えれば、この7年間、あちこちの滝に行き、もっととんでもない林道も走って来た。その経験が林道初体験の6年前よりも我々を大人にしているのかもしれない。
さて、林道に入って、こんなに近かったか?というくらいあっけなく、鈴ケ滝の駐車場に到着した。すでに何台か自動車が止まっている。小さな子供づれもいた。
駐車場からすぐに鈴ケ滝の遊歩道に進む。少し下るともう小滝が見える。本によっては鈴の小滝と紹介しているものもあるが、滝の前に名前の杭があったので、ここは小滝にしておこう。
  
遊歩道に入ってすぐに小滝が見える。
おお、小滝って、こんなに大きな滝だったっけか?再訪のわりに、初対面のような感動があった。
ちょっと足元を気をつければ、滝つぼまでおりられる。もちろん降りて行って直下で滝を楽しんだ。
落ち口からふわーっと末広がりに落ちている様子がよくわかる。滝の前にモミジの枝がかかり、紅葉時には綺麗な絵になりそうだ。
鈴ケ滝のそばにあるばっかりに、小滝扱いされているが、1本で別の場所にあったら、立派に大滝である。何か別の名前をつけてあげればいいのになぁ。

さて、本命の鈴ケ滝だ。途中の吊り橋を渡り、(この吊り橋を渡る手前からすでに滝は見えているのだが)遊歩道を登る。登りきったあたりが滝の全体を見ることができるビューポイントである。左欄の一番上の写真はそこから撮影したものだ。
  
吊り橋。これがけっこう怖い。

  
吊り橋のたもとのネームプレート。
ここからもう少し遊歩道を歩いて滝つぼまで行く。
おや、このあたりの感じも7年前とは違うぞ。あの時は、もっとカサカサしていて、草木はほとんど無かった。炎天下で遮るものもなくて、うんざりしながら歩いたはずである。が、6年たった今、けっこう豊かに木々が茂り、日陰も作ってくれている。あの時はもしかして、遊歩道ができて間もない頃だったんだろうか。途中にご意見を聞かせてください、なんて箱があったが、今はもう無かった。
前日の雨で少しぬかるんでいる急坂を滑らないように注意しながら降りて、滝のすぐ前に出た。
うわーーーっ。飛沫が粒の粗い霧状になって降ってくる。雨と言ってもいいくらいだ。カメラがびしょぬれになってしまう。今日は水量が多いぞ。
風によって降ったり降らなかったりする飛沫を避けながら写真を撮影。先客がいなくなったので、滝前の大岩の上に陣取り、昼食にした。ついでに、高根の集落をはずれたところでパイプ管から出ていた無名の湧水(たぶん、湧水だろう、きっと)でお湯を沸かし、コーヒーも飲んだ。うーん、幸せ。ナンバー1の滝に乾杯。
  
百選の滝前コーヒー
なんやかんや言って、滝前でかなりの時間を過ごしてしまった。まだこれから布曳滝を探さなくちゃならないのに。
次の予定がなければ、いつまでも滝の前で時々降ってくる飛沫を浴びながらぼーっとしていたかった。
滝前が人でいっぱいになることは無かったが、この秘境の滝に何組も訪れていた。駐車場から先の森林整備事業なども始まっているらしい。道路が整備されたら、もっとメジャーになってしまうんだろうな、と、少し寂しくもあった。

帰りぎわ、駐車場から先の道は通行止めになっていたが、上流に滝が存在することがわかっていたので、歩いて行ける範囲かどうか偵察してみることにした。まず小滝の上にかかる橋があり、小滝の落ち口を上から見ることができる。
そこから少し歩くと谷に突き出した形で祠があり、そのカーブを曲がると、おお、鈴ケ滝が見えた。
これが、滝下から見る鈴ケ滝とまったく表情が違う。斜度50度のある意味ナメ滝なのだとこの角度から見ると実感することができる。山の風景を斜めに切った、雄大な滝だとわかる。
さらに進むと滝の落ち口を見ることができる。写真では高度感が分からないが、ものすごく高い。岩盤をえぐって落ちていく水の勢いはすさまじいものがあった。
さらに先にも林道は続いていたが、上流には滝らしいものが出現する雰囲気はなかった。どうやら、歩いて行くのは大変な距離らしい。諦めて戻ることにした。
が、この偵察で鈴ケ滝の横顔を見ることができた。
さすが百選の滝。正面の顔も横顔も端整な滝だった。

  林道にはダイモンジソウがたくさん咲いていた。

交通
最も近いICは、今現在は日本海東北自動車道の中条ICである。将来山形に向かって伸びるので、もう少し近いICができることだろう。
中条ICを降りて左折、県道をしばらく走ると国道7号線に突き当たる。ここも左折。山形方面に向かう。
村上市に入って、ジャスコを通り過ぎたあたりに鈴ケ滝など名所の案内矢印の書いてある交差点に出る。そこから入ればわかりやすい。あとは、高根方面に向かって進めばよい。

 未知の滝がてんこ盛りの看板。

 橋を渡ってすぐに左折。
高根集落に入ると、上の写真のような案内図が目に入る。すぐ右に橋がある。この橋を渡ってすぐ左折。川沿いに走る感じの小道に入って行く。鈴ケ滝という看板もあるがとても小さいので見落としがちである。
高根案内図で鈴ケ滝の位置など確認するといいだろう。


 赤い矢印の方向ヘ。

 林立する看板はむしろイジメにも思える(笑)
舗装された林道をひたすら進む。狭く、すれ違いが困難な場所もあるので注意が必要である。しばらく進むと、上の写真のような分岐に出る。まっすぐに進むと鳴海ゴールドパークである。が、鈴ケ滝は右折。未舗装の道を行く。
ところが、この分岐、小さい文字ばかりの看板が大きな鈴ケ滝という文字をすっかり隠していて、ワケがかわらなくなっている。ドライバーが確認できる文字の矢印が欲しいものである。


 遊歩道の案内が出ている。
未舗装の林道をしばらく進むと鈴ケ滝の看板が出てくる。この看板の前が駐車スペース。
ここに自動車をとめて、徒歩ですぐが小滝、さらに15分くらいで鈴ケ滝だ。遊歩道といっても、少しぬかるんだ登山道なみの場所もあるので、足回りはきっちりしたほうがよいだろう。
 


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