2005年春、桜ついでの滝
三階滝





三階滝
雪解け限定、爆発する滝だ。
とにかくドバドバと水が落ちる。
怖いくらいである。



大きさ比較。
赤い矢印の先がダンナ。




やや下流から撮影。
水がおだやかなら、
さぞ涼しげな滝であろうに。
左上に神社の社が見える。




噴出す落ち口。
よくもまあ、崩れてしまわないものだ。




まるで神社を飲み込むような
水の勢い。
2005/4/29 三階滝 (落差15M)  山形県長井市 

山形方面のの三階滝というと、宮城蔵王の三階滝を連想しがちだが、こちらは長井市の山間に落ちる三階滝である。
この滝に行こうと思ったのには理由がある。
まず、置賜さくら回廊の桜を見に行く、というのが今回の山形行きの一番の目的だった。しかし、いくらなんでも桜だけでは、滝好きが県外に出るというのにもったいない。
だが、さくら回廊の桜は半端じゃない数がある。そうそう滝に浮気もしていられないのだ。そこで、長井市にある長井あやめ温泉桜湯に入りに行くのを理由にその先にある三階滝に寄るという計画をたてた。
調べたところによると、三階滝のすぐそばには湧き水まである。これは幸いだ。温泉と滝と湧き水が一挙に取材できてしまう。
さくら回廊の桜をいくつか見たあと(さくら回廊のレポートはこちらから)長井あやめ温泉に向かい(温泉のレポートはこちらから)その前を通り過ぎて滝までの林道に入る。
実は長井あやめ温泉よりも道案内的には三階滝のほうが立派な看板が立っていて分かりやすかった。
結局同じ道なので温泉は迷うことなくいけたのだが。
林道に入ると、あらら、なんだか落石が多い。
春先の林道にありがちな、まだ雪がとけたばかりで整備していない状態だ。
イヤな予感が脳裏を走る。
まさか、雪で行けない、なんてことはないだろうな。温泉のあたりにも三階滝の林道は除雪していないので通行止めです、なんてことは一言も書いてなかったし。
道がだんだん細くなり、いくつかのカーブを曲がった所で、予感は的中してしまった。
おおおおーーーー。道が雪で埋まっている。
こりゃあ、雪崩のあとだ。
今まで全く雪が無かったというのに、いきなり雪だらけになってしまった。
くそう、ここで引き返すしか無いのか。
いったい滝はどこなんだ。どれほど歩いたら滝に着くくらいの距離なんだ。
と、考えている時点ですでに雪山に上りかかっている我々がいる。
だいぶ自動車で走ったあとだったので、滝まではわずかであろうと予測できたのだ。
幸い今の雪は固くしまっていて、上に立ってももぐることはない。
ピークまで登ってみたら、その先は道路が出ていた。
本当にほんの一部分だけが雪崩のため埋まってしまったらしい。
ならば、行くか。
自動車に戻って、トレッキングシューズに履き替えた。
水・・・。湧き水はあきらめた。約3リットルのペットボトルを抱えて歩くのは無理だと思われた。
  
雪崩だ〜。道が無い。

  
その上を行く滝○か。
道路が雪で覆われた部分はほんのわずかで、全く苦もなく越えることができた。あとは林道を歩くだけである。
どれほど歩くのか心配なのだが、道にはちゃんと三階滝と矢印がついている案内看板がある。
と、10分も歩かないうちに、下に下る階段があった。看板もあるが、矢印が消えていてよく分からない。どうもこの階段の奥に三階滝はあるようだ。
階段はそれほど長くなかったが、雪が残っていて、やや下りるのに難儀した。
  
滝へ向かう階段。

  
階段にも雪が残っている。
階段をおりた先にびっくりするような光景が待っていた。
大爆発である。
滝が雪解けの水を集めて、とんでもない勢いで落ちている。
落ち口の岩が砕けてしまうんじゃないかと思うくらいの勢いである。
かなり離れている場所でも飛沫が飛んできた。
落差は15メートルというから、それほど大きな滝ではないはずだ。だが、この水量。なんだか怪物が襲い掛かってくるような迫力がある。
滝前まで行ってカメラを構えると、あっという間に濡れてしまう。
これを見られただけでも、雪を乗り越えてやって来た甲斐があるというものである。
滝つぼからやや下ったところにちゃんと湧き水もあった。
滝の水はやや濁っていたが、この湧き水はとても綺麗でしっかりと湧き水とわかった。甘いよい水でした。ちなみに、この水は冷たくされて長井あやめ温泉で自由に飲むことができる。
  
滝の下流にある湧き水。上の貼り紙は短歌がしたためてある。
滝の脇に三階滝神社という小さな社があるのだが、そこまで行ってみると、後ろの滝が飲み込むんじゃないかというくらいの迫力だで迫っていた。
恐らく、多分この季節だけだと思うのだ、このとんでもない迫力の三階滝は。写真集を見たりすると、岩盤に当たって分岐する水流がさわやかな滝らしい。
その姿も見たかった気もするが、大爆発する滝を見るのもめったにない機会である。雪解けの季節よ、ありがとう、と思いながら滝を後にして、またもや雪崩の雪をよじのぼったのだった。
交通
三階滝  
最寄の高速道路が無い(こらこら) フラワー長井線長井駅から説明する。まず、長井駅から最上川沿いに走っている国道287号に出る。
国道を白鷹町方面に少し走ると、右に行くと長井橋、左に行くと県道253号谷地橋という交差点になる。これを谷地橋方面へと左折。このまま県道を走って線路を渡り、谷地橋を渡る。道なりに進むと県道11号と交差する交差点に出る。
ここに案内看板が出ている。木製の立派な看板で、三階滝、三渕登山道、とある。また、別の場所に「長井あやめ温泉桜湯」の看板も出ている。当面この温泉の案内に従って進めばよい。
ビニールハウスの向こうに温泉施設が見えてくる。右手に温泉の建物を見ながらさらに進む。ここにも三階滝の案内看板はある。
ここから先は林道になるので、道は細く、所々未舗装である。すれちがい困難な場所もあるので注意しよう。
この林道を10分ほど走ると(時間は推測です)ちょっと広い空き地のような場所に出る。自動車はここにとめるとよいだろう。ここから5分も歩かずに下に向かう階段がある。階段を下ってすぐが三階滝。


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