2005年春、桜ついでの滝
見神の滝





見神の滝
そこに滝があるとは思わずに
ふと見上げたら滝だったものだから、
とにかくすごい滝に見えてしまった。
実際、お手軽さとはかけ離れた
素晴らしい滝である。



落ち口。
金があるという2段目の滝つぼは、
この上のほうだろうか、
それとも下のほうだろうか。




中央付近の岩盤に走る
特徴的な横じま。
これが日光に照らされると、
金色に光るのかもしれない。




滝つぼ。
意外と浅く、これほどの滝を受け止める
滝つぼとは思えなかった。




ちょうど桜の季節で、
滝を彩る花が美しかった。




水車の下から滝を見上げてみる。



水車小屋で公園のようになってしまって
残念でもあるが、
桜と滝はめったに重ならないので、
これはこれでいいのかもしれない。
2005/4/10 見神の滝 (落差42M)  早川町 

いつものことながら、直前の思いつきで山梨県に満開の桜を見に行くことになってしまった。しかも、日帰りではムリだろうというスケジュールの花見である。(桜についてはここでレポートしています。)
どう考えたって、滝まで見るのは無理というもの。とは、滝好きは考えないのである。せっかく県外に行くのだから、滝の一つも見ないでどうする。
だが、さすがに無茶な計画はたてられない。道すがら見られる滝、もしくは、駐車場からものすごく近い滝を1つだけに絞ることにした。
その中で選ばれたのが早川町の見神の滝である。
方向的には我々が向かう身延山久遠寺とほぼ重なるし、駐車場からすぐだと写真集に書いてあるし、しかも落差42メートルとなれば、かなり見ごたえのある滝のはずだ。
と、いうことで、久遠寺のしだれ桜、南部町の桜の古木2本を見たあとに早川町に向かった。
この滝を選んだのには、上の理由のほかにもう一つ理由があった。湧き水である。見神の滝へ向かう県道上に「南アルプス源流水」という湧き水マークがあったのである。「南アルプス源流水」、なんて魅力的な湧き水の名前だろう。こりゃあ汲まないわけにいかないではないか。
国道52号からそれて、県道37号に入る。早川沿いに進む道である。これが、意外に長い。見神の滝への入り口は早川町役場を通り過ぎてからだから、役場を目印にするつもりだった。が、役場はものすごくこじんまりした建物で目印にはならなかった。どちらかというと南アルプスプラザという建物のほうが目印になる。これを通り過ぎて少しするとちゃんと見神の滝や雨畑ダムの看板が出ている。
我々は滝前コーヒーを目論んでいたので、ここで左折せずにもう少し県道37号を走った。県道37号沿いに大金不動滝というのがあって、これの手前に「南アルプス源流水」はあるはずなのである。
直前にダンナがそこに行ったことのある人のHPの写真を印刷してあるのだと教えてくれた。地図にはさんであったそれを見てみると、あらまあ、「南アルプス源流水」ってば、ほとんどただの岩清水じゃないの。こりゃ、見落としかねないぞ、と思っている間もなくその見落としそうな岩清水が川とは反対側の岩盤に出現した。
「あ、あったあった。あれあれ」と私が言うのに反応してダンナが自動車を止める。幸い交通量が無い道なので、ほんのちょっとだけ先にある大金不動滝手前のスペースで楽にUターンできた。
滝○かなので大金不動滝も撮影したが、これは、どうも、形にならない滝である。落差はかなりあるのたが、右側の土砂崩れ防止用と思われる鉄骨が見事なまでに景観をぶち壊しにしている。
  
大金不動滝落差はかなりあるんだけど。

  ごらんのようなありさまです。

滝つぼは道路の下になっているし。このあたりには武田の隠し金山があって、滝の割れ目に金が詰まっている、なんて伝説のある滝らしいのだが、なんだかかわいそうな滝だ。
滝好きのわりにはさっさと見切りをつけて、湧き水を汲みに行った。
「南アルプス源流水」。ああ、看板もないのね。しかも、岩清水に塩ビ管を突っ込んでなんとか水を汲めるようにしてあるだけである。
もしあらかじめ写真を見ていなかったら、完全に見落としていた。どう見たって、大金不動滝と同類の水だぞ。
だが、その場で飲んでみたら、甘くておいしい清水だった。
どこをどう考えて「南アルプス源流水」なんて名まえがついたのかはわからないが、それはそれとしていい水だと思う。
  
ただこれだけの水汲み場。
水も手に入れて、さあ見神の滝だ。
来る時に確認した道に入り、雨畑ダムに向かう。けっこう細い道である。しばらくすると雨畑ダムの青緑色の水面が見えてきた。そんなに大きなダムではない。釣り人が所々で竿をたらしている。
この道、かなり細いわりには、意外に民家が多い。硯と書いた看板が目立つので、このあたりで硯の石が取れるのだろう。
雨畑ダムを通りすぎ、まだしばらく走るんだろうなぁ、と思ってたところにいきなり左側に見神の滝入り口という看板が出てきた。ここから入って林道でも走るのかしらん、と思ったら、目の前に滝があった。
げ、あまりにも唐突すぎる。
入り口と書いてある場所を曲がるとまん前に水車のついた建物があり、その奥すぐそこに42メートルの滝が落ちているのである。道から本当にすぐそばにあったので、にわかにはそれが見神の滝だとは信じられなかった。が、現実、滝だ。
  
水車小屋と滝。道からすぐの場所だ。
とにかく自動車からおりて・・・と思ったら、大きな犬がいた。ダンナ側のドアの前にデンと立っている。おいおい、お前は門番か?
首輪もしているし、いきなり噛み付くこともなかろうと自動車をおりた。
とりあえず犬にタロという名まえをつけて(笑)いい子いい子と言うと、尻尾を振るでもなく、唸るでもなく、我々を黙認してくれた。
  
タロ(仮)。滝の向かいにある家の犬かも。
見神の滝の前には研修施設らしい小屋があるのだが、その裏から楽に滝つぼまで行ける。落石のため近寄らないように、とあったが、危険のない範囲で滝つぼまで近寄った。
意外と浅い滝つぼだ。
滝つぼまで行くと人工物である水車が見えなくなるので、いかにも山奥の滝といった風情になる。が、金があると伝説で言われている段が見えなくなる。
水車小屋まで離れると上の段が見えるのだが、この建物のおかげで、滝がものすごくお手軽なものに見えてしまう。いや、実際お手軽なんだけど。
どうして滝のまん前にこんなもの作ってしまったかなぁ。滝のそばがいいというのは分からないでもないが、もうちょっと離れた場所にできなかったかなぁ。
しかも、水車だなんて。うーむ。
ただ、この季節限定で言えば、水車小屋建造と一緒に植えられただろう桜が満開になって、滝に文字どおり花を添えていた。桜と滝が一緒に見られる場所は少ない。ましてソメイヨシノとなるとほとんど無いだろう。そういう意味で貴重な滝ではある。
ああ、滝自体は素晴らしいのになぁ。
ちなみに、トイレもあって、これは近所の方がとても綺麗に管理されていました。タロの飼い主の方かもしれない。
水車小屋にはちょっと困ったが、素晴らしい滝と桜が見れて気分的には満足だった。
「南アルプス源流水」でコーヒーを沸かして飲む。やっぱり滝前コーヒーは最高である。
  
この写真、滝がやたらに小さくみえてしまっている。が、ちゃんと見神の滝ですよ。
交通
南アルプス源流水 
看板も何も無いので、注意していないと見落とす可能性がある。
国道52号から県道37号線に入り、左側に南アルプスプラザという建物、もう少し走ると右側に早川町役場がある。それらを通り過ぎて少し走ると早川を渡る橋がある。これを渡ると草塩温泉という案内がある橋である。この橋を渡らずに通り過ぎてすぐの川とは反対側の岩盤を注意して見ていよう。
本文に貼った写真のように岩盤に塩ビ管を割ったものを突き刺して水を汲みやすくした場所がある。そこである。
  
@  A
  
写真@は、源流水から振り返った目印の橋の角。早川を渡る橋で、たもとにバス停だの南アルプス故郷活性化財団の看板などがある。
写真Aは、その橋の先あたりから道を含めて源流水のありかを撮影したもの。赤い矢印の先が源流水。道はこのまま右にややカーブして、大金不動滝の前に出る。

見神の滝
 案内がしっかりしているので分かりやすい。国道52号線から県道37号線に入り、早川沿いにさかのぼる。早川町役場を通り過ぎて少しすると左側に案内看板がある。雨畑ダムを目指して進む。途中集落内部やダムサイドあたりが少し込み入るが、県道37号からはずれなければ大丈夫だ。ダムを通り過ぎてやや走ると、右側に見神の滝入り口という縦書きの小さめの看板がある。そこがもう滝の前だ。


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