2006年早春の滝めぐり
麻苧の滝、仙ケ滝




麻苧の滝
写真にすると小さく見えるが、
かなり落差のある滝である。
この日は風が強かったので、
流芯があちこちに揺れていた。



別の方向から見てみると、
まったく違った表情になる。



大きさ比較。
これは滝見橋から撮影。
赤い○野中に針が見えるかな〜。
それがダンナです。



流れがいったん集められる部分。
この模様も風のため常に変化していた。



見上げると青空。
岩盤が滝で丸くえぐられているのが
よくわかる。



滝つぼは意外に浅かった。



こちらは一番下流の小滝。


小滝の大きさはこんなもん。
孫滝かと思われる。



赤い矢印の先にチロっと見える
白いものが滝。
子滝かなぁ。



あずまやの少し上流にあった滝。
下流の滝よりもよほど立派なのだが、
案内図と照らし合わせると
行満水という流れなんじゃないかと
思われる。



たぶん、自行滝。
枯葉が舞っているのがわかりますか?



自行滝を撮影するダンナ。
自行滝の落差は、5メートルくらいか。






仙ケ滝
裏見の滝である。
滝の裏側にはたくさん石仏がある。



大きさ比較。
滝の裏で私が手を上げてます。



滝を含めた空間はこんな感じ。
岩盤が面白い具合に切れ込んでいて、
どうして天井が落ちてこないのか不思議になる。



滝が落ちてくる天井。


落ち口のアップ。


滝つぼ。
水はそこそこ綺麗なのだが、
どういうわけか石のまわりに白いものが
付着していた。
石灰分だろうか。



裏から滝を見上げてみる。


裏から滝つぼを見てみる。
2006/3/19 麻苧の滝(落差40m)群馬県安中市(旧松井田町)
          仙ケ滝(落差15m)群馬県安中市(旧松井田町)

なぜ早春に群馬か。
理由は、ただ単にダンナの実家の東京と我々の住む新潟の間に群馬県があるというだけのことである。
お彼岸に上京し、その帰り道に滝を見ることになった。できれば関越自動車道の途中で手軽に見ることのできる滝がよい。と、いうことは群馬の滝だろう。そういう発想で地図を見たり滝の本を見たりしているうちに、ここに行くかと決定したのが松井田町の麻苧の滝だった。おいおい、関越道からはだいぶ離れているぞ。でも、まあ、上信越道から近いし、駐車場からはそんなに歩かないというし、ちょっと大幅な寄り道になるが、それでもいいいか。
そんな適当な考えで決めてしまった。

さて、適当な考えのまま上信越道松井田妙義インターをおりて、峠の釜めしの看板を横目に麻苧の滝へやって来た。
国道18号から旧中山道に入り、細くて急な下りをおりると目の前につり橋が見える。つり橋の前の道を右に行くと駐車スペース。そこに自動車をおいて、つり橋を渡った。
つり橋の手前に案内看板があり、麻苧の滝のほかにもいくつか滝があるとあった。よく調べもせずに来ているので、たくさん滝があるのに感激して歩き出す。
  
つり橋。これを山の方へ渡っていく。

  
  
案内看板。クリックするとちょっと大きくなります。
つり橋を渡ってすぐの所に登山カードを出すポストがあった。そして、かなり大きく、「転落事故の危険のある岩場や鎖場があるので登山者やカメラマンは必ず登山カードを出すように」と書いてあった。
へー、滝の先の山はそんなに難所なのか、と、この時点ではそれほど気にはとめていなかった。
まず、つり橋からすぐ左前方にある銭洗い弁天に行ってみる。思いのほか水が綺麗で大きなニジマスが泳いでいた。
  
銭洗い弁天。ニジマスが見えるかな。
確か遊歩道のほうに行ってしまっては見れない滝があるように案内看板にあったので、銭洗い弁天を通り過ぎて、川に合流している沢に出てみる。うーむ、涸れている。なんだか滝っぽいシミはあったのだが、ほとんど水か流れていない。
だが、その上のほうに階段らしきものを発見したので、とりあえず登ってみることにした。
階段を登ってみると、小さな滝があった。滝つぼだけがばかデカイ滝である。よくよく見るとその上流にもチラっと滝の姿が見える。ふーむ、これがたぶん孫滝と子滝だな。
実はこの小さな滝を見て、麻苧の滝への期待はすーっと引いてしまっている。たぶんこのクラスの滝のちょっと立派なくらいなんだな、こりゃ。
もう一度銭洗い弁天の前を通って遊歩道に入った。
おいおい、結構登るじゃないか。
ちなみにこの日私はダンナの実家を訪問した帰りなので、スプリングコートにハンドバッグといったおおよそ滝を見るのにふさわしくない格好をしている。さすがにスカートではなかったのが救いである。麻苧の滝は駐車場から徒歩8分とあったから、登山は全く想定していない。
  
左端の銭洗い弁天から遊歩道の階段へ。

意外と登ってあずまやのある場所に出た。ここから子滝や孫滝が見られるかと思ったが見えない。
もう少し進むと、幅広の滝が見えた。
水量がある時は見事かもしれない滝である。これは、えーと、案内版からすると、行満水という流れかもしれない。
遊歩道を歩いて行くと、安産岩という岩があり、胎内くぐりの形になっている。その脇にも細いが勢いのいい直瀑があった。これはたぶん自行滝なんじゃないかな。
見所には必ず七福神の像があるのだが、肝心の滝の名まえが書いていないのが難点だ。
  
遊歩道はこんな橋などもあって整備されている。

  
胎内くぐりのある安産岩。

    

    

    
  
順不同だが、七福神。釜飯の釜が前に置かれている。ちなみに、弁財天は銭洗い弁天にいらっしゃいます。

この日は朝から風が強かったのだが、滝の周りの落ち葉が竜巻のように舞っていた。
そこからそれほど歩かずに、滝見橋という橋が出てきて、その橋から上流に麻苧の滝が落ちていた。
あ、すごい。
今までのこぢんまりとした滝から、ほとんど麻苧の滝への期待を捨てていた身には、ものすごく巨大に見えた。
この季節は水が少ないと懸念されたが、そこそこ水量もあった。
橋を渡り、滝に近づく。おっと、その前に滝見橋のすぐそばに麻苧の滝とは別の沢があり、垂直の岩盤からちょろちょろと水が落ちていた。これも滝だ。案内版からすると、母滝ということなるのだろうか。
でも、ちょろちょろとしか水がないので、ここは簡単にすませて麻苧の滝の前に。
すぐ直下まで行ける。
水が少ないので、対岸にも行けるし、あちこちから滝の表情を撮影できるのがいい。
しぱらく滝を撮影していたら、いきなりわっというダンナの声がした。滝つぼあたりでうろたえている。あらら、片足が水の中ではないか。
どうも落ち葉で水面と石がわからなくなって、水の中に足を突っ込んでしまったらしかった。まだまだ水は冷たいのに、気の毒な。
幸い靴も靴下も自動車の中に替えがあるので、戻ることにした。
だが、待てよ。入り口の案内版によれば、麻苧の滝の上流にもう何本か滝が無かったか?おそらく多分、この滝にはもう来ないだろうので、見ることができる滝がそばにあるとしたら、見ておきたいものではないか。
デジカメに収めた案内板を見てみたら、滝見橋のすぐそばのちょろちょろの滝あたりに登山道があるらしかった。
よくよく見てみたら、あった。鎖。おいおい、滝のすぐそばまで岩盤にへばりついて行って、垂直の岩盤を鎖を頼りによじのぼるようなコースじゃないか。
これは、行けない。
ダンナは片足びしょびしょだし、私はスプリングコートにハンドバッグである。軍手も用意していない。ダンナが試しにちょっとチャレンジしてみたが、やめたほうがよいということになった。
案内版によると祖滝、曽瀧という滝があるらしいのだが、ここは断念。自動車に戻ることにした。

  
滝見橋のそばの滝。ってか、シミ。右端の上から三分の一あたりの所にポチっと赤い点があると思うが、それが下の写真の赤い矢印である。

  
このまま左がわに見えるちょろちょろ滝の近くまで行って、鎖を頼りに登るらしい。危険きわまりない。

駐車スペースに戻ると、ちょうどお昼だった。
峠の釜飯のドライブインに入っておぎのやさんの釜飯をいただく。1つ900円なり。おいしゅうございました。

お腹もふくれて、さて、次である。
同じ旧松井田町にもう一つお手軽な滝がある。仙ケ滝である。この滝も駐車場から5分。手軽な格好でも充分な滝のはずだ。
国道18号から県道33号に入って九十九川上流に向かうのだが、この入り口がわからなかった。完全に県道33号を通り越し、仕方がないので県道216号から向かうことにする。どこをどう走ったのか、いつの間にか県道33号に合流して、道の端っこにある「仙ケ滝」の看板を発見してわき道に入った。
すれ違いが困難な集落の細い道を走り、仙ケ滝駐車場と書かれたスペースに出た。多少遠回りはしたけれど、そこまでは順調だった。
問題はそこから先だ。
徒歩5分となれば、ごくごく楽な道のりのはずだった。
が、駐車場と書かれた看板のすぐそばにあった道に入って絶句する。なんか、あちこちから木の枝だの草だのが伸び放題で、ちっとも整備されていないのである。
季節はずれだからなのかなぁ、と思いながら、蛇でも出てきそうな道を進む。道というよりは踏み跡みたいになってきた。
  

  
  
えー、踏み跡です。獣道と化してました。
確か仙ケ滝は信仰の滝で、石仏なんかがある滝だから、こんなに荒れた道を進まなくちゃならないのかなぁ、と不安になってきたあたりで道が無くなった。
おいおいおいおいおい。滝はどこだよぉ。
ふと見ると、右手に川を見ながら歩いてきたのだが、その川の対岸にトイレらしき建物と、立派なコンクリートの道が見える。あっちが正解じゃないのよぉぉぉ。
我々は完全に道を間違えていたのである。
駐車場からすぐの仙ケ滝橋を渡って、もう少し坂を登って行けばちゃんと普通の舗装された道があったのである。その道なら5分どころか3分で滝だった。
対岸に道が見えている。川を渡れば滝はすぐだろう。
と、いうことで戻らずに川を渡ることにした。ちょっと滑るが、ダンナは飛び石で川を渡って行った。しかし、私。私は苦手なんだってば、こういう滑りそうな飛び石は。絶対に無理だ。
と、いうことで下流のもうちょっと渡りやすそうな場所を探すことにした。
考えてみれば、駐車場まで戻ってしまえばよかったのである。それほどロスがあったわけではないだろう。だが、その場ではそこで川を渡ることしか頭になかった。
ちょうど倒木があり、川を丸木橋状態で倒れていた。丸木橋も苦手な私だが、飛び石よりは幾分渡りやすそうな感じがした。うまい具合に手すり状になっている枝もあるし。
それを利用して対岸まで渡った。つもりだった。
最後の詰めで、何がどうなったのか、ズルっと足が滑った。
あ、落ちる。
こりゃあ、確実に頭、もしくは背中から川の中だな。
カメラがダメになるな。バッグの中の携帯もダメだな。と、落ちるまでの間に考えた。と、同時にぎゃーーーーっと火曜サスペンスで殺される女性のような悲鳴をあげた。そりゃもう、ダンナもびっくりだったでしょうよ。
次の瞬間、自分でも何が起きたのかわからなかったのだが、私は水の中にはいなかった。奇跡かもしれないと後で思ったのだが、枝と枝の間におさまって、丸木橋の幹の上に仰向けに転がっていたのである。
したたか腿を打ち付けてあざになってしまったのだが、それでも全く濡れることはなかった。よかったのか、悪かったのか、とにかく対岸に行き着くことができた。
大丈夫かとダンナにきかれたが、大丈夫じゃない、と答えておいた。被害は左足の打撲と左手にトゲが刺さったくらいなのだが。
そんなこんなで、やっと当たり前の道に復帰してすぐに仙ケ滝の前に着いてしまった。
  
すぐに滝になったまともな道。
自分勝手にアドベンチャーをしてしまったもんだから、仙ケ滝のイメージがあまりよくない。裏から見られる滝で、裏側には石仏などが並んでいる。
裏側から滝の水をすかして、青空ものぞめた。
滝の前の広場には、地域のお年寄りが植えたという福寿草が黄色い花を開かせていた。なんとなくそれになぐさめられた。
それにしても、駐車場の看板近くに明瞭な踏み跡があったのがいけないと思う。あと、看板の下あたりに仙ケ滝入り口は橋の向こう、と一言書いておいてもらえばその踏み跡には入り込まないはずである。初めて行く人間も多いだろうので、そこまで親切にしたっていいと思うのだが。もっとも、獣道みたいな道をずんずん進んで行く人も珍しいのかもしれないけど。

帰りは下道で新潟まで帰ることにしていてたので、時間は早かったが、仙ケ滝を後にした。今回の教訓は、無駄なアドベンチャーはしないことにしましょう。まだ、打撲が痛いですぅ。



  

  
  仙ケ滝の近くに植えてあった福寿草。地元のご老人、ありがとう。なぐさめられました。
交通
麻苧の滝
  最寄ICは、上信越自動車道松井田妙義IC。インターを出たら、県道51号を経て、国道18号に入る。国道18号を左折。軽井沢方面に向かう。しばらく走ると、左側にドライブインがある。峠の釜飯で有名なおぎのやのドライブイン。これをすぎてちょっと走ると、国道がY字に分かれる。そのまま直進が国道18号。左手坂を下る感じに分かれているのが旧中山道。ここを旧道のほうへと左折。道は大きく左にカーブし、もう一度右にカーブする。この右にカーブする曲がりはな、左側に麻苧の滝自然公園(だったと思う)入り口の看板がある。道はものすごく細いうえに急な下り坂なので、注意が必要だ。道の突き当たりにつり橋がある。つり橋の手前の道を右に曲がり、少しすると駐車スペースになる。自動車をここにおき、あとは徒歩だ。
  麻苧の滝までなら、簡単な装備でも充分楽に行くことができる。遊歩道の入り口から麻苧の滝までは写真を撮影しつつでも10分くらいだった。
  ちなみに、この滝は厳冬期には凍結するらしいので、真冬に行ってみてもよいだろう。
仙ケ滝
  最寄ICは、上信越自動車道松井田妙義IC。インターを出たら、県道51号を経て、国道18号に入る。国道18号を右折。松井田市街に行く。我々はここで迷ったので、地図を見ながらの説明だが、恐らく新堀の交差点で西松井田駅前まで行き、そこから県道33号に入って、天神山トンネルをくぐって九十九川上流を目指すのだと思う。我々はどうやって辿り着いたのかさっぱりわからないので(おいおい)説明が難しいのだが、とにかく、注意深く左側を見ていると仙ケ滝という案内が必ずある。その案内にしたがって進めばよい。
ただ、駐車場についたら、仙ケ滝橋を渡って、下の写真のような看板のあるちゃんとした入り口から進もう。間違っても踏み跡を選んではいけない。最終的には川の岸が崩れていて先に進めなくなる。滝前まですべて舗装された道なので、簡単な格好でも充分に行ける。
  
これが駐車スペースの看板。このそばに踏み跡がある。けっこうはっきりしてたりする。右側にチラっと見えているのが仙ケ滝橋。この橋を自動車で渡って、先に進むと、たぶん県道33号から枝分かれした道に復帰できると思う。そちら側からでも駐車スペースに入ることができる。そっちのほうが集落を通らないので、楽かもしれない。

  こっちがちゃんとした仙ケ滝への道。コンクリート舗装。木に打ちつけられている木製の看板が目印。


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